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神は天にいないけど、すべて世はこともなし

村の特産は異世界です


・神は天にいないけど、すべて世はこともなし


 予告通り、立木さんたちが帰ってきました。うん、いきなり所長室に現れてくれたよ。なぜ、なぜって、あそこが一番広いから。もう1カ所もっと広い場所があるんだけどね、うん、講堂なんだけど。あそこは、まだ前日の名残があるんだ。そう、前夜祭……なのかな。大宴会その1の名残なんだよ。それから、今日はさらなる大宴会をすることになっているからね。その準備も始まっていたりするんだ。

 それはそうとお帰りなさい立木さん。少し待ってくれれば、ラズライティシア様、エクシブ、ルーテシアが来ることになっています。


「では、紹介はそれまで待った方が良いのですかね」


 俺以外は、王様の顔も知っているはずです。なので、紹介して貰って結構ですよ。


「そうですか。ではこちらの美丈夫がトラットリア王国国王陛下であられるギャラン様です。そして隣に御座すのが、王妹殿下のエリーカ様です。そしてその隣にいるのが、ギルドで受付をされていたソアラ嬢です。そしてその隣が、エンビジョン神殿の神官をしているフルグラ様です。そして最後が、妖精族のフラミニアさんと言うことになります」


 そうですか、結構な大所帯になったのですね。それはそうと、俺がここの責任者、そしてトラットリア王国にいた時は冒険者をしていたコーメー・モロボシです。ソアラさん、久しぶりだね。知らなかったんだけど、大変な目に遭ったんだってね。骨休めだと思って、のんびりしていってくれて良いんだよ。

 それで……そうか、ラズライティシア様たちが来たのか。うん、通してくれるかな。


「おおっ、ギャランではないか、久しいな」

「ああラズライティシアか、息災にしておったか? 顔の色艶が良いように見えるぞ」

「うむ、こちらで楽しくやらせて貰っておるからな」


 ああっ国王の皮肉を真っ正面から受け止めてくれたよ。それでここからは……もしもし立木さん、どうして出ていこうとするんですか?


「流石に疲れたんですよ。ですので、遠征組は帰って一休みすることにします」


 そうですか、ゆっくり休んでください。ええ、今は無理をするところじゃないと思いますので。それから藤康さんが手ぐすねを引いて待っているんです。明日になったら、特区の方が忙しくなりますからね。


「明日は京都に行く予定なんですよ。藤康だったら、待たせても問題ないでしょう」


 否定はしませんけど、否定はしませんけどそれで良いんですか。いえ、一応立木さんの裁量の範囲だと思いますよ。それ以前に、休暇を命令した方が良いぐらいだと思うんですよ。命令してくれても構わない……いえ、今休暇を取らせると、色々なところから文句が来そうな気がするんです。なので、もう少し落ち着いたところで休暇の方はお願いします。


「休暇は、そうですね、上高地が閉山する時に取るつもりです。慶子を連れて、ちょっとのんびりとしてこようかななんて思っているんですよ」


 上高地って、山ですよね。性懲りも無くまた山なんですか? いえ、個人の趣味ですから、俺がとやかく言うことじゃないんですけどね。

 はい、休暇の件は了解しました。それからですね、可能だったら俺も誘ってください。上高地って、行ったことがないのでちょっと興味があったりするんです。


「だったら、河童橋近くのお手軽な宿にしておくか、うん、ちょっと連絡なんかしておきますよ」


 宜しくお願いしますと頭を下げさせて貰います。それからケンゴー君、ニロさん、世話を掛けたね。君たちも、ゆっくり休んでくれて良いんだからね。白船君も休んでくれて……そうか、映像を確認すると言うんだね。まあ若いんだから、多少の無理は問題ないのだろうね。


「私には何も言ってくれないの?」

「無視は酷くありませんか?」


 うん、君たち2人は立木さんとセットだから。ここに残れと言っても拒否してくれるだろう?


「当然」

「それでも聞いて貰いたいものなんですよ」


 ごめん。そう言った機微は苦手にしているんだ。じゃあ、立木さんのことを頼んだから。何をしたのかの報告は要らないからね。うん、しっかりと休んでくれるかな。いいか、休むんだぞっ!

 すみません、ちょっと内輪の話をしてしまいました。それはそうと、陛下にとって今回の決着は納得のいくものだったのでしょうか?


「納得がいくかと聞いてくれるかっ!」


 そこで邪神を見ましたね。しかも邪神、エテルナだけどロリの格好なんかしているよ。それを見たら、納得なんてできるはずがないと思うんだ。うん俺だったら絶対に無理。

 それから陛下にお願いです。話す時にですね、いちいち気張らないで欲しいんですよ。ここは王宮ではないので、もう少し肩から力を抜いて、ですね。


「むしろ、余計に緊張してしまうのだがな。それはそうと、今まで俺は何をしてきたのだと疑問に感じてしまったぞ。それが、今回の答えと言うことになる。何しろぶらりと訪れた老人に、妖精族を含めて蹂躙されてしまったのだ。そんなもの、納得できるはずが無いであろうっ」


 いえ、ですから力まないで欲しいんですよ。まあ、気持ちがわからないとは言いませんけどね。なるほど、立木さんに蹂躙されたのが最初に出てくれましたか。そうですか、蹂躙されてしまったのですね。


「あれが蹂躙でなくてなんと言うのだ? 謁見の間にいきなり現れたと思ったら、全員が身動き一つ出来なくなったのだ。もしも敵の襲来だったら、何も出来ずに全滅していたことになる。蹂躙されたと言う意味、理解出来るであろうっ!」


 ですから、力む必要は無いのですよ。そうですか、身動き一つ出来なくなりましたか。ところでフラミニアさん、あなたは若手……若手で良いのかな。若手の魔法使いだったよね。貴方の目から見て、立木さん、エリシオンさん、ニロさんはどう見えましたか?


「質問が少しおかしい。老人と色ボケエルフは別格、もう一人の魔法使いは並……並よりは上かな。違う、結構上位かもしれない。ただ前の2人がおかしすぎるから、普通に思えてしまう」


 そうか、あの2人がおかしすぎると言ってくれるのか。でもだよ、そこにいるラズライティシア様も同じ側にいるんだよ。


「シオンはまだしも、キヨヒコと同じにして欲しくないのだがな」


 そりゃあ立木さん、魔道具を使わないと魔法を使えませんからね。ある意味、なんちゃって魔法使いってことになるんですよ。だから同じにして欲しくない……意味が違うんですか?


「正面から戦ったら、われやシオンでもキヨヒコに勝てないのだ。勿論、知恵を絞れば勝つことは叶うのだがな。それぐらい、あの拘束魔法は驚異と言うことだ。それからキヨヒコが封印しておるのだが、あの魔法は即死魔法として使うことが出来るのだぞ」


 つまり、ラズライティシア様から見ても、立木さんはおかしすぎると言ってくれるわけだ。そうか、やっぱり立木さんはおかしすぎるのかぁ……


「それ以上におかしいのは、コーメー、ぬしなのだがな。それそうとして、ギャランよ、問題は解決したと思って良いのか?

「何を持って解決とするかに依るな。邪神との戦いなのだが、そこに子供の姿をした邪神がいることがすべてとなる。ここから先は、出来レースだったか? 仕組まれた戦いにしかなりようが無くなったのだ。民に犠牲が出るのは気に食わないのだが、魔の勢力に滅ぼされる恐れはなくなってくれた。冒険者たちの食い扶持も維持されることになったわけだ」

「そうか、中々微妙な解決と言うことだな。それはそうとして、ぬしはかなり気に入らぬようだな」


 うん、ギャラン陛下が明らかに不機嫌に見えるんだよ。


「冒険の機会が確保されたのに、何故余が退屈で面倒な治世などしなくてはならぬのだ?」


 え、ええっと、そっちですか? そっちを問題としてくれますか? とても重要な問題だと言ってくださるのですね。


「うむ、それなのだがな。ぬしは、ここと他の世界が繋がっておるのは聞かされておるよな?」

「異世界の勇者が来ておっただろう。立木殿から、この世界の成り立ちについて聞かされているっ!」


 どうして、2人揃って俺の顔を見てくれますか? なにか、とっても嫌ぁな予感がするんですけど。


「うむ、その予感はあっておるぞ」

「うむ、黙っておれば、そして大人しくしているかぎり妹は上玉であろう」


 それが出来ないから、政略結婚も出来なかったと聞いているんですけど。ええ、冒険者の俺にも、そんな評判が伝わってきていたんです。


「コーメー様、女は殿方次第で変わるのですよ。それに、私の持っている常識も思いっきり壊されてしまいました」

「ぬしは王女コレクターなのだからな。そのコレクションが一つ増えるわけだから、断る理由はないと思うぞ。のう、セレス……今日はゼッタイシンモードなのだな。それはなんだ、モデルが来ているからと言うことか?」


 あっ、本当にセレスがゼッタイシンモードをとってる。だけど今のソアラさんだと、間違いなくセレスの方が綺麗なんだけどな。


「コーメー様。2年近く座敷牢に入っていたんです。ですので、これから女を磨くと言うことで我慢いただけないでしょうか?」


 座敷牢の話は聞いてるけど、どうして我慢と言う話になるのかな? それからセレス、『これで2人確保した』なんて言わないように。


「妹に不満があると言うことか?」


 どうして、不満がないと思えるんですか? 言ったでしょう、王妹殿下の評判のこと。


「ならばトラットリア王国の玉座を持参金代わりに付けてやろう」


 どうして、それが持参金になると思っているんです? 更に条件が悪くなっただけですよね。それに、今のって自分が遊びたいだけですよね。人に面倒を押しつけようと考えていませんか?


「なに、統治機構はそのまま残しておく。余の従兄たちなのだが、冒険者に復帰せずに統治機構に残しておけばよい」

「私は、こちらの別宮で暮らせば良いのですよね。たまあに我が君と一緒に王宮に顔を出せば問題はないと思います。と言いますか、立木様に顔を出していただければ大臣たちも納得すると思いますよ」


 立木さんも巻き込むの? それだったら……いやいや、なんで俺が王妹殿下を貰うことになってるの? おまけでソアラも付いてくる……それって、俺の負担が増すってことだよね?


「私たちの負担は軽くなるんですよ」


 だからセレス、どうして話を複雑にしてくれるのかな? なんだその、今更国が一つ増えても問題にはならないって。すでに4各国の国王になっている。それが5カ国になっても大差が無いって。そんなことで良いのかと言って良いよな?


「コーメーよ、説得力と言う言葉を知っておるか?」


 知ってますよ。ええ、これ以上無く知っていたりするんですよ。はいはい、記者会見でも『今度はどこの王女様を奧さんにするんですか?』って聞かれていますよ。そうですね、誰も疑問に思っていないのはわかってるつもりなんですけどね。


「つまりはそう言うことだ。それからフラミニア、ぬしがこちらに来た理由はなんなのだ?」

「老人からは、あなたから魔法を学べと言われた。ただ若い男……確か白船と言ったと思う。その男は、私は老人のコレクションに加わると教えてくれた」


 あっ、ラズライティシア様が天を仰いでいる。でもね、それが立木さんに対する世間の見方なんだよ。立木さん、女神コレクターでエルフコレクターになっているんだからね、世間的には。


「それでフラミニアよ、コレクションの意味を理解しておるのか?」

「色ボケエルフを見ていれば理解は出来る。蹂躙された側だから、誰も反対は出来なくなっている」


 蹂躙された……そうか、妖精族も蹂躙されたんだ。ギャラン陛下もそんなことを言っていたけど、妖精族……の里で何が起きたのかな?


「そこにいる邪神の軍勢に攻め込まれたのは知っていると思う。劣勢すぎて、里が陥落寸前になっていた。だから、長たちが里を捨てる算段を始めていたわ。私たちに有利な場所でも、戦力を揃えられたら負けても仕方が無いのは確か」


 そうか、じゃりん……邪神の思惑通りだったわけだ。それから邪神、じゃりんの抗議は受け付けないからな。文句があるのなら、ロリっ子の格好なんかしているんじゃないっ!


「里の半分が焼かれたところで、色ボケエルフが介入してきた。それで焼け落ちそうになった木が石化した。しかも邪神の軍団の半分が吹き飛ばされた。どう頑張っても、私たちには出来ない芸当だった」


 芸当と言ってくれるのか。なるほど、それで妖精族の里が救われたと言うことか? なんだ、その『まさか』と言うのは。


「いきなり現れた老人に、私たち全員が拘束された。魔法だったら、恥知らずには勝てないまでも私も自信を持っていた。それなのに、あの老人には手も足も出なかった。反撃で詠唱をしたのだけど、発動する端から全部無効化されてしまった。私以外の魔法もそう、どうして人族が精霊魔法を邪魔できるの? それからそこの恥知らず、なぜ勝ち誇った顔をしているのかしら?」

「お前たちは、人族を見下しておったからな。その人族に、なすすべも無く蹂躙されたのだ。これが愉快と言わずになんと言えば良いのだ? 加えて言うと、その老人はわれの夫なのだからな」

「そう、あなたも『エルフコレクション』の1人なのね。それで、私もコレクションに加えられるのかしら?」


 たぶん……たぶん、そうなるんじゃないのかな。なんですラズライティシア様、誘う気がなくなったと言うのは。


「力も無いくせに、相変わらずプライドだけは高いと思っただけだ。まあ、こやつらからプライドを取り去ったら、何も残らないので仕方が無いのであろうな」


 ええっと、そう言うのは別のところでやって貰えませんか?


「女神と邪神の話し合いが出来ているのであろう。ならば、こやつらでも滅ぼされることはないはずだ。だったら、森人など放置しておけば良いのだ。ただこやつの物言い次第では、われが直々に滅ぼしに行ってやる」


 ええっと、少し冷静になって貰えますか。それからフラミニア、君も言葉に気をつけた方が良い。さっきから、『恥知らず』とか『色ボケ』とか、聞き捨てならない言い方をしているのだからね。


「私は事実を口にしているだけ」

「ならば、その色ボケの足下にも及ばぬ森人は何と呼べば良いのだ?」


 ええっと、ギャラン陛下も参戦されましたか。もうね、混乱が酷くなるから勘弁して貰えませんかね。


「森のフンコロガシとでも呼んでくれれば良い」


 そう来たかぁっ……ひょっとして、素直になりきれないだけってことは無いだろうな。それで、どうしてインテグラが来たんだ?


「夫に、生意気なエルフをわからせてやって欲しいと言われたのよ。ただ今は、荒事をしたい気分じゃないの。だから、かすみも連れて来ることにしたわ。うん、かすみだったら手加減をしないと思うから」


 どうして、どんどん面倒な方に向かって行ってくれるんだ。しかもこんな時に、肝心の立木さんはお疲れでお休みだし。本当に疲れてるみたいだから、無理を言って連れて来るわけにもいかないんだよ。


「諸星さん大丈夫よ。私だって、加減を知っているつもりだから。それに、実験台としてちょうど良いと思わない?」

「そっちの女からは強い魔力を感じるわ。でも、貴方からは魔力の欠片も感じることが出来ない。その無能が、私を実験台に使うと言うの? 身の程知らずと笑ってあげても良いのよ」


 ああっ、どうして全方位に喧嘩を売ってくれるんだ。だから御衣黄さん、話がややこしくなるから遠慮して貰えるかな。


「大丈夫。わからせなんて簡単だから」

「魔力を持たない貴方に、一体何が出来ると言うのかしら……身体が熱くなってきたんだけど」


 しかも、自分で大切な部分をいじっている……そうか、拘束魔法をバージョンアップしたんだね。だけど御衣黄さん、その程度じゃ立木さんには通用しないと思うよ。


「これは、一応治療目的の魔法よ。脳からの伝達機構に異常を起こした人に、補助として付けて貰う魔道具を考えているの。今使っているのは、その魔道具に書き込む術式の初期バージョンかしら?」


「な、なぜ、自分の身体が勝手に動くの。それに、身体が熱くて仕方が無いのだけど」


 御衣黄さん。フラミニアなんだけど、場所を変えて貰っていいかな。うん、ちょっといかがわしくなってきたからね。ラズライティシア様、場所を変えて貰っていいですか?


「つまり、存分に弄んで良いのだな?」


 なぜ、急にやる気になってくれるんですか。そうですか、しばらくお預けされたので溜まっているんだと。だったら、本当に俺の知らないところでしてくれますかね。


「だそうだかすみよ。場所はぬしの部屋で良いのか?」

「場所はそこで良いわ。それからだけど、エクステラさんから道具でも借りてこようかな」

「白船が言うには、かなりマニアックなのだそうだが良いのか?」

「後ろを使うつもり……だとしたら、お風呂でする必要があったわね」

「うむ、コレクションに傷を付けるわけにはいかぬからな」


 なんか、話がどんどんおかしくなっている気がするんだが。それって俺の気のせいなのか? ああっ、ラズライティシア様たちが転移していったよ。


「フラミニアさんですけど、もの凄く嬉しそうにしていましたよ」

「ああ、口元が満足げに緩んでおったぞ」


 それって、どんなプレイなんですか。それ以前に、誰がおかしな癖を付けたんでしょう。ひょっとして立木さんなのか、立木さんが癖を付けたのか?


「それなんだけど、まだ手を出していないと言っていたわよ」


 そうですか、『まだ』なんですね。ええ、色々と事情が掴めた気がしましたよ。はい、後はこちらで話をしますから、インテグラはジュニアとグレイスちゃんと遊んでいてください。


「今は、慶子が楽しそうに面倒を見てくれてるわよ。でもね、おばあちゃんはないと思うのよ」


 あそこはなぁ、優美さんとか北斗さんとか、まだまだ孫が望めないみたいなんだよ。だから、ジュニアとグレイスちゃんで晴らしている気がしてならないんだよ。


「とにかく、母親として子供たちを見ていたいの。用事も終わったから、家に帰ってるわね」


 あ、ああ、手間を掛けたね。

 それはそうと、ギャラン陛下どうかされましたか。なにか、顔色が良くないのですけど。


「い、今の女性なのだが……女性で良いのだよな?」


 ええ、女性で間違っていませんよ。でも、それがどうかしたんですか?


「なにか、ただならぬものを感じてしまったのだ。そうだな、圧倒的な強者と言えば良いのか。余は出会っておらぬのだが、まるでドラゴンと同じ穴にいるような気持ちになってしまったのだ」


 そうですか、流石ですねと申し上げておきます。はい、彼女なんですけど、竜人と言って、100m超級のドラゴンになることが出来るんです。この集落には、他にも30人近くのドラゴンが生きているんですよ。その辺り、今夜の宴会で紹介させていただくことにします。


「エリーカよ、お前の役目の重要さが増すことになったぞ」

「私の命は、王国に捧げておりますっ!」


 ええっとね、そこまで悲壮感を漂わせなくてもいいと思うんだよ。今夜の宴会を見て見れば理解出来ると思うけど、彼等はとても人懐っこい……と言うのも違うか。俺たちと、本当に区別が付かないんだからね。

 それから今まで話をしなかった……フルグラさんで良いのかな? ちょっと事情を教えて貰っていいかな?


「じ、事情、でしょうか?」


 うん、どうして君が関係したのかと言うこと。そもそも、君を連れて来る予定はなかったんだよ。なんだいソアラさん、彼女のことを知っているのかな?


「フルグラさんは、冒険者としてギルドに登録されたんです。それがですね、登録初日に立木様たちに会ってしまったんです。いえ、立木様たちは、私に声を掛けるためにギルドにおいでになったんですけどね」


 つまり、そこでフルグラさんと出会ったと言うことかな。だけど、それだと一緒に来る理由はなかったよね?


「そこからは私が。実は、邪神の手の者が跋扈しているのは存じておりました。ですので、聖職者として少しでもお手伝いが出来ないか。成人を迎えたこともあり、将来の身の振り方を含めて冒険者登録をすることにしたのです。そして登録した足で、なにか依頼が無いかを探す為に受付に行ったんです。そこで立木様たちに、一緒にどうかと誘っていただいたんです」


 ええっと、フルグラさんって、立木さんから見たら孫のような年齢だよね。そのフルグラさんに目を付けるのって、ひょっとして立木さんって『ロリコン』? なんです、ギャラン陛下?


「そのロリコンと言うのはよくわからぬのだが。見目麗しく性格の良さそうな女性は、成人前から色々と目を付けられるのだ。そのような女性が冒険者ギルドに来ておれば、大抵の男は声を掛けることになる」


 なるほど、立木さんの行動は常識の範囲なんですね。でもですよ、立木さんの常識はこちらのものでもあるんですよ。立木さんは66だから、フルグラさんは孫ぐらいの年齢になるわけです。あっ、酷い寒気が襲ってきたっ!


「ロリコンと言うのはよくわからないのですが、1人で冒険に出ることが危ないことぐらいはわかっていました。そして立木様ですけど、エリシオンさん、ケンゴー様、ニロさんと行動されておいででした。ですので、実力的にも安心できたと言うのがあります。でも皆さん、登録したてでランクHだったんですよ。とてもそうとは思えませんでしたけど」


 うん、立木さん以外は戦闘経験が豊富だからね。ところで、白船君とアイゴさんはいなかったのか?


「そのお二人なんですけど、最後まで気がつきませんでした。それでですね、ちょっと無理をしてゴブリン討伐に向かったんです。たしか、10匹程度の討伐だったと思います。はい、一応初心者向けの依頼と言うことになっていました」


 ふむふむ、中々面白いことになっていたんだね。多分だけど、白船君が記録に残していると思うから見せて貰うことにしよう。


「記録、書き物のことを仰ってるのですか? それはそうと、ですね。馬車を使って、依頼のあった村まで出向いたんです。はい、着いた時にはお昼を過ぎていました。道すがら食べ物を頂いたのですけど、食べたことのないものばかりでした。それに、ですね。もの凄く美味しくて……進められるまま食べてしまったんです」


 ああっ、羞恥に頬を染める美少女って良いよね。結構ツボにはまってしまったと言えば良いのか……どうかしましたかエリーカ様? それぐらいのことは自分もできる……もう評判が回復不能なんですよ。


「それでゴブリンの屯する洞窟に行ったのですけど……私自身、何をしに行ったのか忘れてしまいそうになりました」


 そこで、何があったのかな? ろくでもないことぐらいは想像が付くんだけどね。しかもなに、『何をしに行ったのか忘れそうになった』と言うのは。確か、ゴブリン討伐の依頼を果たしに行ったんだよね。


「その前に私自身のことを少し。神殿にお勤めしている時には、これでも身近にエンビジョン様の存在を感じたことがあったんです。でもその時は、まるで隣にでもいるかのような感じを受けたんです。奇跡にしても、幾らでも使える気持ちになってしまったと言えば良いのか。ですが、結局聖光(ホーリーライト)ぐらいしか使いませんでした」


 何しろ、あのメンバーが揃っていたらねぇ。多分だけど、エリシオンさん一人でゴブリンぐらい5分で制圧してくれると思うよ。あと女神様なんだけど、うん、本当に隣にいたんじゃ無いのかな。


「時間的には、歩いている時間が長かったんです。ですので、1時間ぐらいは掛かったと思います。それは良いのですけど、戦闘自体は5分もかからなかったと思います。ケンゴー様が張り切って、手当たり次第にゴブリンを切り倒して言ったんです。他のお三方は、お茶を飲みながらそれを見ておいででした。よくあの臭い場所で、お茶が飲めると感心させていただきました。いえ、私も頂いたいたんですけどね。はい、とっても美味しいお茶でした。クッキーですか、とても美味しいと思いました」


 なんで、ゴブリン討伐がピクニックになっているんだ? いやね、ケンゴー君だけでも過剰戦力だとは思うよ。でも、わざわざ冒険をしに行ったんだったら、もう少し緊迫感があってもいいと思うんだ。


「結局、すべてのゴブリンはケンゴー様が倒してくださりました。それで証拠を確保して、冒険者ギルドに戻ったんです。はい、戻ったんですよ」


 ひょっとして、そこで何かあったのかな。ちょっとワクワクしたと言って良いかな?


「なにか、ですか。しっかりあったと申し上げます。実はですね、行きは馬車を使ったのですよ。でも帰りは、転移の奇跡……で良いんですか。それを使って、一瞬で戻ってしまったんです。それでソアラさんに報告をしたら、ソアラさん、盛んに脇腹を抓られていたんです」

「どう頑張っても、帰ってこられる時間じゃなかったから。と言うことです。しかも途中で帰ってきたわけじゃなくて、ちゃんと討伐の証拠まで持ってきてくださったんです。エンビジョン様の加護を受けているのかと、本気で思ってしまったんですよ」

「それからですね、頂いたお金……僅かなお金なのですけど。初仕事祝いと言うことで、酒場に繰り出したんです。いえ、それが初めて仕事をした冒険者の習わしみたいなものと教えて頂いたんです。それでですね、そこで他の冒険者に絡まれたんです」


 なるほど、それは俺も経験があるな。俺の場合は、師匠が目立っていたのが理由なんだよ。うん、冴えない男が美女を連れていると、色々と厄介な輩を招き寄せることになるんだ。特にエリシオンさん、ニロさん、フルグラさんって美女が揃っているだろう? だったら、年寄の立木さんが突っかかられても仕方がないと思うんだよ。


「まさしくその通りだったんですけど……そこで初めて、アイゴさんにお目に掛かりました。はい、絡んできた男たちは、一人の例外もなく気絶させられてしまったんです。そこで紹介して頂いたのは、アイゴさんが立木様の護衛と言うことでした。こんな腕利きの護衛を連れているんですよ、だとしたら貴族様と考えてもおかしくありませんよね。つまり私は、とても無礼な真似をしてしまったことになるわけです。それからですね、御妾にされるのかなと思ってしまったんです」


 ああっ、いけ好かないお貴族様のお遊びに巻き込まれたと思ったんだね。うん、その気持ちはよくわかるよ。それで、御妾さんになるつもりだったのかな?


「その覚悟はいたしました」


 そうか、それでここまで付いてきたんだね。それは早とちり、早とちりだったと言ってくれるのか。


「打ち上げ、打ち上げで良いのですよね。それが終わったところで、明日またと言って帰られてしまったんです。覚悟していたんですよ、覚悟していたのに酷いと思いませんか? しかもですよ、貰った報酬は全部私にくださったんです。だとしたら、その先のことを考えますよね」


 ええっと、何か雲行きがおかしくなってきたと思うんだ。ルーテシア、ルーテシアもそう思うよな。


「それはそれとして、だとしたらなぜ君はここにいるのかな?」

「明日またと言われたのです。でしたら、文句を言うために翌日も冒険者ギルドに行ったんです!」

「なるほど、そこで責任を迫ったと言うことなんだね」

「そのつもりだったんですけど、もの凄く難易度の高い冒険に巻き込まれまてしまいした。そちらはですね、20以上のゴブリンに、ホブとかそれ以外の上位種がいる冒険だったんです」

「なるほど、遊びの続きに巻き込まれたと言うことか」


 あのパーティーの実力を考えたら、遊びと言われても仕方がないと思うんだ。そうか、立木さんたちはそんなことで時間を潰していたんだな。

 それで、討伐はどうだったんだい?


「最初にニロさんが探査魔法で敵の居場所を探ったんです。そこからは、しらみつぶしにゴブリンとかホブとかトロルとか……オーガもいたんですよ。オーガなんて、もの凄い迫力だったんですよ。それなのに、『私もやりたい』と言ってエリシオンさんが石に替えて砕いてしまいました。繰り返しますが、お貴族様の冒険ごっこに付き合わされた気持ちになってしまいました」


 その気持ちわかるんだけど。オーガって、かなり手を焼いていたと思うんだよ。ラズライティシア様がいなくなった後は、討伐にも苦労していると聞かされた気がするんだけどな。


「それは、帰ったところでソアラさんに教えていただきました。ちなみにですね、往復とも転移の奇跡を使用したんです。ですので、暗くなる前にギルドに顔を出すことが出来たんです」


 ああ、そこからしておかしいと言うのはわかっているんだよ。ただここにいると、麻痺してしまったと言って良いかな。


「そこで、ですね。おかしくないですかと質問をしたんです。そうしたら、ラズライティシア様、エクシブ様の代理なのだと教えてくださったんです。ただですね、その時の立木様が女性の首根っこを掴んでいたんです。どこかで見覚えのある女性だよなぁって思っていたらですね、エンビジョン様だと教えられてしまいました。おかげで、女神様が身近にいる感覚の理由がわかったんです。ですけど、それで良いのかと思っても不思議じゃありませんよね? しかもですよ、打ち上げの後にまた置いて行かれそうになったんです。まだまだ未熟ですけど、これでも一応成人を迎えた女なのですよ。女のプライドに関わることなので、おいていかないでくださいと文句を言わせていただきました。その結果、その結果が今に至ると言うことです」

「なるほど、君としては大した冒険をしたことになる訳だね。うん、中々得がたい経験をしたのではないかな?」


 冒険には違いないけど、それで済ませていいのかと言って良いよな。


「はい、済ませて良いものではないと思います。それでですね、置いていかないでくださいの結果、王宮に連れ込まれたんです。その後は、ですね。何が起きたのか、未だに信じられないと言えば良いのか。だってですよ、立木様相手に女神様、邪神が土下座をしているのを見てしまったんです。これを信じろと言うのは、流石に無理があると思うんです」


 うんうん、その気持ちは良く理解出来るよ。だってさ、仮にも世界を統べる女神様なんだからね。その女神様が、老人に土下座をするって……普通ならあり得ないことなんだよね。でもね、女神エンビジョンとか邪神エテルナなんだけど、ここにいるセレスよりも遙かに格下なんだよ。


「セレス様と比べたら、私たちなど地面を這いずる芋虫のようなものです」

「すみません、現実逃避をしても良いですか?」


 その気持ち、とってもよく理解出来るよ。幾らでも現実逃避をしても良いんだからね。

 それはそうと、結局フルグラさんはなんのためにここに来ているのかな?


「立木様にお仕えするためです。出来れば、お手つき有りでお願いをしたいと思います。はい、その覚悟も決めてきているんですよ」


 なるほどぉ、中々面白いことになっているんだね。流石に協力はできないけど、協力はできないけど、それも表立ってと言う意味だからね。それからセレス、どうやれば立木さんを追い詰められるかな?


「御衣黄様、藍香様と順番待ちがおいでなのですよ。それに、スピアーノ、エンビジョンも順番待ちだと思うんです。それからエテルナ、自分もと手を上げないように。とにかくですね……忘れていました、フラミニアも順番待ちにいましたね。それを考えると、中々難しいと思います。勿論、ただお仕えするだけであれば、さほど難易度は高くないと思います」


 なるほど、そこから追い詰めると言う方法もあるわけだな。取りあえず、フルグラさんをIMO研究所として雇うことにするか。立場なんだけど、副所長秘書をそろそろ付けてもいいと思うんだ。神官なんだから、癒やしの奇跡とか使えるんだよね?


「エンビジョン様の加護があれば……加護をいただけるんですよね?」

「わ、私への尊敬を忘れなければと答えておきます」

「コーメー様、奇跡で癒やしを行うのは棚上げでお願いいたします」


 それって、尊敬できないって言う意味かな。そうか、その意味で言っているんだね。だったらセレス、彼女に加護をあげてくれるかな。うん、癒やしの奇跡を発動できるようにしてあげて欲しいんだ。


「私が与えると、最上級の癒やしになってしまいますよ。でも、面白そうですね、それ」


 セレスだったら、そう答えてくれると思っていたよ。それで、ソアラさんなんだけど『側室の一人で』って、被せてくれたね。

 だけど、俺って側室を持っていないんだよ。だからルーテシア、『嘘』ってことはないと思うんだ。そうか、セレス以外は側室に当たると言ってくれるのだね。確かに、法的に認められた奧さんはセレスだけだったな。


「王妃となるエリーカ様は別ですけど、ソアラさんにもお仕事をして貰う必要がありますね。でしたら、ソアラさんには所長秘書になって貰いましょうか。はい、そこに広いソファーがあるので大丈夫です」


 ええっとセレス、広いソファーがあると何が大丈夫なのかな? 俺の煩悩、煩悩と言ってくれるのか? だけどね、俺って普段は大部屋の方に居るんだよ。だからなんだけど、ソアラを連れてここに篭もるのはあからさまに見えると思うんだ。


「私と消えてもあからさまだったと言うのを棚に上げていませんか?」


 ごめん、俺は心の棚を取り払ったんだ。意味が違う、そうか、意味が違っていたのか。




 関係者からの事情聴取が終われば、待っているのは、そう大宴会と言う奴だよ。この大宴会なんだけど、ちゃんと山岡さんたちに指示が出してあったんだ。だからと言うこともあって、前夜よりも豪華なものになってくれたんだよ。ただまだズワイガニのシーズン前だから、冷凍のタラバガニが大量に用意されました。うん、異世界人に蟹って、定番のおもてなしになっているよね。

 後は……コカトリスの焼き鳥とか。なぜそれが最初に出るのかって、ここがIMO研究所だからだよ。まあ飛騨牛とか信州プレミアムビーフとか大谷野豚とか、シナノユキマスとかも揃えられているけどね。その白いのは……ああ岩魚の塩釜も用意したんだ。ちなみに、鯛の塩釜焼きも用意した。うん、中々頑張ったんじゃないのかな。


「カレーとナンも用意してあります」


 外村さん、話をするのが久しぶりと言っちゃいけないかな。色々と危機感を覚えている。だから積極的に前に出ることにした。うん、意味を理解するのは放棄しているんだ。

 それ以外にもステーキのライブキッチンとかラーメン……そうか、今日は家系なんだね。ラーメンのライブキッチンも出ていたりするんだよ。そして今回から、天ぷらのライブキッチンまで登場しました。うん、どこの温泉ホテルって聞いてもいいと思うんだよ。


 それはそうとして、どうしてテレビカメラが入っているの? MHKのスタッフ……『今日の異世界に行こう!』から流れてきたんだね。確かに、今更と言えば今更なんだけどね。

 それからもう一つ疑問なのは、知らない女性……結構美人で胸がおっきな女性が藍香ちゃんたちと一緒にいるんだよ。俺、確かIMO研究所の所長だよね。だとしたら、紹介してくれてもいいと思うんだ。


 それはそうとして、ギャラン陛下楽しんで頂けていますでしょうか?


「うむ、帰りたくなくなったと言っても良いだろうか」


 国王様がそれを言ってはいけないと思います。いえ、そこで俺を指差さないでください。確かに俺って、4カ国で国王なんかしていますよ。ただ国王を受ける時には、滅多に顔を出せないことが宣言してあるんです。それでも良いから……小谷さん、そこで初めから帰ってくるのは期待されていないと言わないように。

 とにかく、こちらにいることを条件にしたんです。ですので、ギャラン陛下の場合は、退位をしてからなら考慮いたします。だから、どうして俺を指差すんですか!


「エリーカを王妃として、モロボシ殿が国王になるからだが?」


 すみません、それって決定事項なのですか? そうですか、女神エンビジョンも認めた婚姻と言ってくれるのですね。なあエンビジョン、ちょっと食べるのを止めてくれるかな。うん、口いっぱいに物を入れてると、話をすることが出来ないだろう。


「もぐ、そ、もぐ、ごっくん。それで、私に何かご用でしょうか?」


 うん、どうしてエリーカとの結婚を、君が認めることになったのかな? それはなにかな、仕返しとかを考えているのかな?


「セレス様のご指示です。最上位神様の指示ですから、私に意見など出来ません!」


 おっ、おう。セレスの指示と言ってくれたか。だったら仕方が無い……で済ますのもどうかとは思うんだ。ただエンビジョンを責めても無駄と言うのは理解したよ。


「モロボシ殿に伺いたいのだが、先ほどからねっとりとした視線を感じておるのだ。これは、余の勘違いなのか?」


 ああ、それですか。たぶんですけど、発情した翼人の視線だと思いますよ。何しろギャラン陛下は、身体全体から精力が溢れ出ていますからね。彼女たちに目を付けられるのは、自然の流れだと思うんですよ。

 それで伺いますが、翼人の女性はどう思われますか?


「美しいと思うのだが……どこか違和感があると言ってはいけないか?」


 そうですか、違和感があると仰ってくれますか。いえ、とても正常な反応だと思いますよ。だとしたらですけど、ハイエルフなんかどう思われますか?


「それなのだが、あれは妖精族と同じ種族なのか? その、だ。われらに対する態度が違いすぎるのだ」


 同じ種族と思って良いと思いますよ。どちらも耳が長くて寿命も長い。とびっきり綺麗と言うのも同じですからね。


「そうか、同じと思って良いのか。だとしたらだ、余はダークエルフ……こちらでは闇エルフと言うのだな。闇エルフの方が好みに近いな。エリシオン様とかセフィーロ様……で良いのだよな。彼女たちが得られるのなら、そんなことを言うつもりはないのだぞ」


 その二人は、立木さんのコレクション……と言うより、立木さんにベタ惚れしていますからね。流石に寝取るのは難しいと思いますよ。

 ただ闇エルフが好みと言うのは、ちょっと意外でしたね。ダークエルフって、あの世界では評判が悪かったと思うんですよ。そうですか、アイゴさんを見て考えが変わったと言ってくれるのですね。冒険のパートナーには持ってこい……それが評価基準になってくれるんですね。


 それから……いつもの宴会芸が始まったよ。それでトップバッターは、だから誰なの、あの巨乳美女は?


「喜べ男たちっ! エンターテインメント部門期待の新人だぞっ! 朝倉円香の相棒、橘文香さんだぁ! まずは手薄になっているマネージャーから始めるのだが、その先に待っているのはお前らにも理解出来るよなっ!」


 朽木君、説明を含めた紹介をありがとう。そうか、手薄になったマネージャーの補充なんだね。つまり彼女も、元アイドルだったと言うことかな。

 だとしたら、どうしていきなりステージになってくれるのかな。しかも胸を思いっきり強調した衣装って……ギャラン陛下、彼女に興味が湧きましたか?


「興味が湧いたと言ったら、連れて帰っても良いのか?」


 その辺りは、個人的な問題なので関わらないことにしているんです。

 それはそうとして、二人とも結構際どい衣装を着てるんだけど。うん、似合ってるよ。とっても似合っていると思うんだよ。ただね、その歌でその衣装って、結構危ないって言って良いかな?


「それからお前らに一つ教えておく。この衣装だが、エリシオンさんの全面的協力を貰っている。どう言うことかと言うとだな、どれだけ暴れても下着が開帳されない魔法が掛けられているんだ。だからハプニングを期待しても無駄だと言っておこうっ!」


 そうか、俺の期待を裏切ってくれたんだね。だったら俺の強制力で……小谷さん、絶対零度の視線を向けないでくれるかな。



謎仕様……男の敵です

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