羽化の兆し
村の特産は異世界です
・羽化の兆し
思っていたのとは違うと言って良いですか。そうですか、言っても良いけど言うだけで終わるんですね。ねえ立木さん、ちょっと拗ねてみようと思うんですけど。ほら、色々と予定とか入っていますよね。それをブッチしたら、問題になると思うんです。なので、ですね。ご機嫌取りで抱いてくれても良いと思いませんか?
そうですか、少しも思わないと言うのですね。その、本当に私が拗ねないと思っているんですか? 私だって、拗ねる時はあるんですよ。そんなことになったら、国際問題になるって聞いた気がするんです。
「姉ちゃん。立木父さんを困らせたらダメだろうっ!」
なんでここに大悟が? しかも杏香まで来ているし。違うのよ、お姉ちゃんは拗ねてなんかいないんだからね。立木さんを困らせてみたい……いじらしいな女心だと思ってくれるかな。だって立木さん、私のことをあまり構ってくれないんだよ。まだ二十歳の女の子なんだから、甘えさせてくれてもいいと思うんだ。と言うより、思いっきり甘えたいんだけど。
服を着て、しかも自分たちの前なら可。ベッドのあるところは不可と言ってくれるのね。ねえ大悟、杏香、この字を読めるかな。うん、『空気』って書いてあるの。
「姉ちゃんこそ、この字を読めるかな。そう、『現実』って書いてあるんだよ」
そうか、そう切り返してくれたか。でもね、立木さんと二人きりの貴重な時間なんだ。グズグズしていると、ああっ、朝倉さんがスキップしながらやってきたわっ。
「藍香さん。そろそろ北京に行く時間ですよ。今日は周主席が、豪華なディナーをご馳走してくれるそうです。春夏秋冬も合流して、上里集落オンステージも開いてくれるんだって。観客なんだけど、10万人規模になるみたい」
それなんだけどね、気持ちが思いっきりダウンって言って良い? ええっと立木さん、それは嬉しいんだけど……だめっ、大悟と杏香が見てるのっ! これって、私への愛ですよねっ。
「おでこへのキスぐらいで、そこまで騒げるのって……」
「うん、幸せだと思うよ」
いいじゃない、これでまた夢に一歩近付いたんだから。ほら、千里の道も一歩からって言うでしょ。その速度じゃ、一生掛かってもゴールにたどり着けない……だからさぁ、どうして私の気持ちをダウンさせてくれるのかな? だから、『現実』ってちゃんと見えてるんだからね。
それから朝倉さん、手を引っ張らないでくれるかな……だから、引っ張らなくても歩けるからぁ。それでね立木さん、貴方の藍香は北京でも頑張ってきますからね……ちゅっと投げキッスなんかしたりします。
今更心臓を押さえられてもねぇ……まあヨシとしておきましょうか。じゃあ立木さん、行ってくるからねぇ。応援してくれると嬉しいなぁっ!
ああ、姉ちゃんが手を振りながら引っ張られていった。立木おじさん、いつもいつもご迷惑をおかけしています。別に迷惑とは思っていないって言ってくれるんですね。いえ、弟の目から見ても、ちょっと危ないと思っているんですよ。なので、迷惑なら迷惑と言ってくださって構わないんです。
「意外にね、嬉しかったりもするんですよ。そうですね、子供に『お父さん大好きっ!』って言われるような感覚ですよ」
子供に『お父さん大好きっ』ですか。それにしては、ちょっと生々しい感情が見え隠れ……隠れてないな。思いっきり生々しい感情が溢れ出てると思うんですよ。それから子供と言うのは、杏香頼めるか?
「うん、お父さん大好きっ!」
こう言うのを言うんですよ。あれっ、おじさんが顔を赤くしている。どうかしたん……感動しているんですか。杏香の親権者……ですか。姉ちゃん何も言っていないのでわからないんですけど。ところで、俺のは聞いてくれないんですか?
そうですね、常識で考えて違うわけがありませんよね。ちょっと後見人が誰かを調べてみる……いざとなったら訴訟も辞さない。ええっと、何か大事になっていませんか?いえ、別に嫌と言うことはありませんよ。それに慶子おばさん、お母さんみたいって思っているんです。
「娘と息子にお伺いを立てないといけませんね」
ええっと、ですね。おじさん、本気で言っています。繰り返しますけど、嫌と言っているわけじゃありませんよ。でも、そうなるとお姉ちゃんの立場が微妙になったりしませんか? その対策も兼ねている……俺と杏香がお姉ちゃんの邪魔をするわけにはいかないと思うんですよ。
「本当は、もう少し武見君に頑張って貰いたいんですけどね。でも武見君には、かすみちゃんとくっついても貰いたいし……中々微妙な問題があるんですよ」
武見さんですか。いえ、格好良いとは思うんですよ。ただ最近、ちょっと変なところも見ている気がするんです。勿論、もの凄く頭が良いし、歳だって姉ちゃんにはちょうど良いんですけどね。でも姉ちゃん、かすみさんと違って結婚願望を持ってないし……うん、姉ちゃんってちょっと変だから。
「そうか、やっぱり変なのか……」
立木さんも心当たりが有りますよね。弟が言うことじゃないんですけど、姉ちゃんは壊れっぱなしなんです。はい、おじさんが家に来てくれた時に壊れて、そのまんま今まで来てしまったんです。でも姉ちゃん、大学の頃よりずっと綺麗になったんです……なんか話がおかしくなっちゃったな。
「大悟君の言いたいことはわかってるつもりですよ。それはそうとして、大悟君の進学はどうしますか?」
俺の進学……ですか。今のままだと、白鹿高校に行くことになると思うんです。頑張っているつもりはあるんですけど、まだまだ有名私学には成績が遠すぎるんです。その、ですね。特に外国語……英語が全く駄目なんです。
それで、俺の進学がどうかしたんですか? ええ、高校に行くつもりはありますよ。いけるんだったら、大学にも行きたいと思っているんです。夢、夢は武見さんみたいになることかな。勿論、アスカさんも格好良くて憧れているんですよ。
「それなんですけど、IMO研究所で大学を作ると言う話は知っていますね。その大学に付属する形で、高等学校相当も作る予定なんですよ。開校は来年度早々……大学と合わせて開講する予定です」
それを持ち出したと言うことは、俺にどうかと言ってくれるんですか? 正確には違う、そこに通うことになるんですか。その、ですね。俺って、成績が発展途上なんですよ。
おじさんの息子さん……東京で銀行に勤めている人ですよね。東の大学を出てるって聞いてますけど。その息子さんがどうかしたんですか?
「中学の時、学年でドベ2だったんです。中高一貫校だったのですけど、高校に入れて貰えるか夫婦で心配なんかしていたんですよ」
息子さんって、横浜の有名私立ですよね。そこだったら、ドベ2でも頭が良いと言っちゃいけませんか?
「学校のレベルに合っていないと、もの凄く苦労することになるんです。進学校の授業と言うのは、クラスの真ん中より上を標準とするんです。なのでドベ2だと、付いていくのも大変だったりするんです」
でも、最終的には東の大学に入りましたよね。なんです、これからの努力が物を言う。その例として息子さんを出してくれたんですか。そうですか、俺でも頑張ればなんとかなると言ってくれるんですね。
いえ、仰ることは理解出来ますし。初めから諦めていてはいけないこともわかっているんです。でもですよ、IMO研究所が設立する大学の附属高校ですよね。世間の注目って、もの凄く高くなりませんか? そんなところに俺が入ったら、間違いなく縁故……で良いんでしたっけ? 縁故入学って騒がれると思うんです。
「別に騒がれても困らないのですけど。記者会見で聞かれたら、色物の高校だから身内を押し込んだと答えるだけです。良いですか大悟君、今度作る高校と言うのはですね、常識的にはメインストリームからは外れてくれるんです。先ほど『色物』と言いましたが、色物そのものなのですよ。従って、保守的な考えを持つ保護者は、うちの学校に入れようとは考えないものなんですよ」
色物……ですか。でも、色物だからこそ、入学を希望する物好きも沢山いると思うんです。それに、生徒の募集は日本だけじゃありませんよね。これ幸いと、海外からの入学希望者が殺到すると思うんです。
そうですよね、その考えは間違っていないんですよね。だから教師陣も、国際色豊かな物になるんですね。繰り返しますけど、俺の英語能力は発展途上過ぎるんです。国際色豊か……そんな所でやっていけると思っているんですか?
「公用語は日本語ですっ! と言うのは半分冗談ですけどね。言葉の問題が出るのは、想定の範囲なんですよ。従って、生徒限定で翻訳魔法の魔道具を身につけて貰うことにします。まだ読み書きまではカバーしていませんが、少なくともこれで会話に苦労することはないはずです」
ええっと、ちょっとズルに思えてしまうんですけど。いえ、それで言葉の問題が解決できるのならありがたいと思いますよ。でもなぁ~
「そこの所に、大悟君の誤解があるんですよ。ここに教育機関を作る目的は、言語習得などではないんです。そこで何を学び、何を掴むのかが重要なんです。AIも発達してきましたからね、会話程度の外国語習得は本質的なものではなくなっているんです。勿論、言語と言うのは文化を示すものでもあるんです。従って、言語学習を無駄と言うつもりはありません。ただ手段と目的を明確にしましょうと言うだけのことですよ」
つまり、どうあっても俺が入学することになるんですね。知りませんよ、立木さんが恥を掻くことになっても。そうですか、息子さんで慣れてると言ってくれるんですね。ところでその学校ですけど、中学は作らないんですか?
「勿論ありますよ。当然杏香ちゃんが入学することになります」
そうですか、そこまで決まっていたんですね。ところで杏香、少しも驚いていないよな。なんだ、その『知ってた』ってのは。そうか、おばさんが教えてくれたんだな。
ところで、大学とかってどこに作るんですか? それなりに広い場所が必要ですよね。
「それなんですけどね、大悟君は木崎湖って知っていますか?」
ここから南に行ったところにある仁科三湖で良いんでしたっけ? その一番南側……集落のアニメメニューに入っていた場所だと思うんですけど。そうですか、そこのことなんですね。
「そこのこぢんまりとした敷地に建物を作ることになりました」
こぢんまり……ですか。それだけってことはありませんよね?
「そこにゲートを作ってですね、パンの世界、おかしの世界、名前の長い世界とこれからの世界に校舎を作ることにします。あちら側の用地確保は終わっていて、今は建屋を作っているところです」
いきなり異世界に校舎を作るんですか。なんか、常識ってどこかに置き忘れてきた気がするんです。理由、当然理由があるんですよね?
「中高を併設した大学ともなると、広大な土地が必要になるんです。これだけ注目を集めると、その用地確保が困難になるからと言うのが理由です」
ええっと、これを利用してお金儲けをしようと考える人がいると言うことですか。開学までの時間を考えると、ゆっくり用地買収をしていられないからなんですね。だからって、異世界なら簡単なんですか?
「諸星さんが国王をしていますからね。そもそも、異世界の方が人口が少なくなっているんですよ」
時間の制限があるから、作りやすい方で作ると言うことですね。わかりました、そういう理由があったんですね。なんですか、素直に受け取るのは良くないと言うのは。
「こちらの建物を最小限にすることに意味があるんです。どう言うことかと言うとですね、移転がしやすいことを目的にしているんですよ」
どうして作る前から移転のことを考えるんですか? それが理解出来ないんですけど……
「杞憂ならば良いのですけどね。こう言ったことには、色々と横やりが入るものなのですよ。その場合、面倒なことになる前に大谷村に移転することを考えているんです」
それが、大人の世界と言うことなんですね。俺にはよくわからないんだけど……本当に色々と考えているなって勉強になりました。
シズカどぇ~すっ! キモい、歳を考えろと言ってくれますか。歳と言ってもですね、今年で26なんですよ。テレビで騒いで居る芸人よりも若かったりするんです。
そんなことはどうでもいい。キモい物はキモいと言ってくれますか。まあ、そう言うことにしておきましょう。
テレビでは、連日魔法都市のことを特集なんかしています。それにですね、藤康さんたちが解説員として出演なんかしています。テレビとしては、立木さんを引っ張り出したいみたいなんですよ。だから鴻池さんから、何度も『出てくれませんかね』なんて打診が来ていたりするんですよ。
そのことごとくをですね、『私の仕事ではありません!』ってなもんで立木さん、断っているんですよね。だからタスクフォースのメンバーが、手分けをしてテレビ出演なんかしているんです。
そのテレビなんですけど、世の中逆張りする人ってやっぱりいるんですね。ちょっとひねた顔をしたコメンテーターなんて、『利権バリバリ』って言いがかりを付けてくれました。ただね、言いがかりを付ける相手が悪かったと思うわよ。だって藤康さん、立木さんと唯一言い合いのできる人なんだもの。
そんな人が、根拠のない言いがかりに負けると思う? 思わないよね、私もそう思っていたから。
「立木から、ほわっとした話に付き合うなと釘を刺されているんです。いるんですが、ちょっとだけお付き合いをさせていただくことにしましょうか」
そうか、立木さんを最初に出してくれたか。それだけで、相手のコメンテーターが警戒するのがわかっちゃったわ。しかしねぇ、立木さんってどんだけ恐れられてるの? そっちの方が怖い気がするわ。
「具体的に、誰が誰に利権を与えているのですかな? この特区で、誰が利益を得ているのか。『利権バリバリ』などと言ってくれる以上、明確な登場人物を把握されていますよね?」
「それは……特区の収益がIMO研究所に入り、そこから菅谷総理に、ですね。入っているのではないでしょうか?」
「『ないでしょうか?』程度で、『利権バリバリ』とテレビで言ってくれるのですか? まさかとは思いますが、そのような『子供の妄想』をテレビで垂れ流している訳ではないでしょうな?」
ああっ、怖っ。立木さんが乗り移ってる……じゃなかったら、遠慮が要らないと官僚って怖い存在なのかな?
「こ、これは、私ではなく、視聴者の皆さんが、思われていることでして……」
「なるほど、視聴者に責任を押しつけますか。それで、その視聴者が思っていると言う具体的証拠、エビデンスがありますか? まさかとは思いますが、貴方の脳内視聴者ではないでしょうな?」
「い、いえ、確かにそう言う話を聞いたから、と言うことで、ですね……」
「なるほど、不確かな話を元に、『利権バリバリ』と関係者を貶めてくれるわけですか。ところでこの放送をしている旭日テレビの方に伺いますが、これはテレビ局として正しい放送だと思われているのですか? まさかとは思いますが、視聴率欲しさにインパクトのある決めつけ……とも思えない頭の悪さなのですが、決めつけをして弁明する絵が欲しかったとは言いませんよね。IMO研究所から菅谷総理にお金が渡る……収支報告書に記載が無ければ、政治資金規正法違反と言うことになります。つまり貴局は、菅谷総理が法律違反をしていると決めつけている、そう考えて宜しいのでしょうか?」
「で、ですので、私は世間の疑問を、ですね。藤康さんに聞いて頂いたと言うことなんですけど」
ああ、もうだめだな、このコメンテーター。
「世間の疑問と仰りますか。おかしいですね、私の耳にはそのような疑問は聞こえてこないのですよ。そうなるとですな、世間広くでもたれている疑問と言うのもおかしくはありませんか?」
「い、いえ、私を含めて番組スタッフも耳にしているんです」
「なるほど、旭日テレビの方は、私たちとは違う世界に生きておられるようですな。それから一つ伺いますが、これは『バラエティ番組』なのですか? それでしたら、貴方の言うことも理解出来るのですよ。もしも『報道』をどこかに付けるのであれば、通常は多少なりとも裏取りをするものだと思うのですが、それは私が期待しすぎているのですかな」
「裏取り……ええ、勿論、行っているんです」
「それなのに、先ほどから明確なお答えをいただけていませんな」
「しゅ、取材源を秘匿するのが原則なので」
「先ほど、世間の疑問と仰られが気がするのですが……ご自身の矛盾に気づかれておいでですか?」
ああっ、そろそろとどめを刺してくれるのかな。うん、立木さん、遠慮は必要無いって言ってたもんなぁ。
「菅谷総理は、まだ総理と言う役職におられます。従って、疑惑に対する回答義務……こんなものを疑惑と呼びたくもないのですが……百歩譲って回答義務があることにしておきましょう。ただIMO研究所側には、根拠のない決めつけによる言いがかりを甘受する義務はないのです。立木副所長からは、報復を躊躇わないと言う言葉を貰っているんです。どのような報復か、ですか。それを口にした時点で、報復が発動するとは考えないのですか? おろか……」
あっ、いきなりCMが割り込んできた。あああっ、やっちゃったよ。もう放送事故だよね、これって。
ところで立木さん、番組を見ていたんですか? あのコメンテーターは嫌いだから見ていない。そうですか、結構面白いことになっていたんですよ。旭日テレビなんですけど、CMに入ったきり戻ってこないんです。
藤康さんなんだけど、立木さんが『報復は躊躇わない』って脅しを掛けたらこうなっちゃったんです。ところで、どんな報復を考えているんですか?
「小谷さん、私に何を期待しているのですか?」
いえ、立木さんなら、思いっきり嫌らしいのを考えてくれるだろうなって。そんな期待をしているんですけど?
「それは、期待に応えた方が良いのでしょうかね。ただね、可愛い杏香ちゃんに怖いところを見せたくないんですよ」
もしもし、なぜそこで杏香ちゃん……つまり、藍香ちゃんの妹さんが出てくるんです? 『お父さん大好きっ!』って言われて身悶えてしまった。あの快感をもう一度味わいたい……『おじいちゃん口臭いっ!』って言われないようにしてくださいね。
まだ入れ歯じゃない。歯なんて、2本しか抜けていないと言うのですね。ひょっとして、結構クリティカルな指摘だったりしました? なるほど、私に対して報復をしたくなったと言ってくれますか。ところで立木さん、土下座をした方が良いですか?
「身体にわからせてやろうかと思ったぐらいです……まあ、冗談なんですけどね」
そうですか、冗談なんですね。ちょっと期待したと言っちゃいけませんか。ええ、期待されたら報復にならないのは確かですね。
それはそうと、報復は一応考えているんですよね?
「松竹梅とか甲乙丙丁とか……流石に古いか。まあ、対象ごとに幾つか考えていますよ」
なるほど、流石は立木さん。それで、放送局相手だったらどんな報復があるんですか?
「謎の停波と言うのはどうです? 後はですね、スポンサーにちょっと脅しを掛けるとか、色々と後ろめたい部分を晒してあげるとか。出来ることなら、幾らでもあると言うことです」
謎の停波って、以前諸星さんが言っていた奴かな。諸星さんが、『電波を出しちゃダメ』って命ずる奴ですよね。そうですか、それなんですね。それで、スポンサーなんですけど、どうやって脅しを掛けるんですか?
なるほど、その局にCMを出したが最後、特区に参加させてやらないと脅しを掛ける。鴻池さんのところから、局に警告するのは前段階なんですね。
だったらですね、国会議員だったらどうするんです。そうですか、埃を叩き出してやるんですね。選挙で、対立候補をIMO研究所が応援するのもその一つ。その候補が当選した選挙区は、特区の候補から外すことも有り得る……過激ですね。
「まあ、そんなことにはならないと思いますよ。その意味で言えば、旭日テレビは見せしめになって貰いますかね。かるーく、出禁当たりでどうでしょう」
出禁……出禁ですか。それって、結構影響が大きいですよね。取材パスを出さないとなると、余所も騒ぎそうな気がするんですけど。
「報道機関のくせに、裏取りの取材もしないで印象操作をしようとした。従って、報道機関と認めないと言うだけのことですよ。まあ第一段階はテレビでの謝罪会見でしょうか。勿論、社長ぐらいを出さないとダメですけどね。次の段階として、社長を含めた関係者の首をとばしましょうか。個人的には、あまりやりたいことじゃないんですけどね」
そうですか、嘘って言って良いですか? なんか、やる気満々に見えたりするんですよ。
「そこまで暇じゃなかったりするんです。だから、余計なちょっかいを掛けてほしくないと言うのが本音なんですよ。だからちょっかいを掛けられたら……過剰に反応してしまう恐れがあると言うことです」
ああっ、怖って言って差し上げます。まあね、特区関係で忙しいのはわかっていますからね。
それはそうと、京都の方はどうなっているんですか? なんです、本山名誉教授が拗ねていると言うのは。
「鳥羽に拉致したのを根に持ってくれてるんですよ。だから、どうやってご機嫌取りをするのか考えているところです。その意味で言ったら、大芝と宇梶のご機嫌取りも必要だったりするんですよ。蟹の季節が終わったからなぁ~トウモロコシツアーでも開催するか」
もしもし、なんですその『トウモロコシツアー』と言うのは。なんか、とっても美味しそうに聞こえるんですけど。
「生でも食べられるトウモロコシ……採りたての話なんですけどね。長野から新潟に入るあたりに、トウモロコシ街道と言うのがあるんです。そこの道路沿いに、焼きトウモロコシのお店が出ていたりするんです」
そう言えば、2年前に軽井沢で食べた覚えが……あれが食べられるんですか。なんか、とっても美味しそうって言ってはいけませんか?
「言っても良いですけど、連れて行きませんから悪しからず。先ほどの報復……と言う訳じゃないんですけどね。あまり人数を増やすわけにはいかないと言うことです。なので先ほどの3人にかすみちゃんぐらいかな。シアとシオンを連れていくと……7人かぁ。白船君を誘った方が良いのかな? 気をつけないと、あっと言う間に人数が増えてしまうんだよなぁ」
諸星さんの耳に届いた時点で手遅れになりますね。ちなみに立木さん、あちらの陰……ええ、ちょっと扉が開いていますよね。
「小谷さん。ちょっと魔道具を使ってみましょう!」
あっ、扉が音を立てて閉じてくれた。ついでに鍵まで掛かってくれたよ……でも諸星さんだったら、強制力で対抗出来ますよね。
「それをした時点で、仲間外れになって貰います」
ああっ、言葉で縛ってくれたよ。流石は立木さん、諸星さんの扱いをよくわかってる。
それで、落とし所はどうするんですか?
「諸星さんとセレスさんだけなら可、と言う所ですかね。その代わり、小谷さんはお留守番……ですから、この世の終わりが来たような顔をしないで欲しいんですけどね。いつもいつもみんなで行動する必要はないと思うんです」
でもですよ、一人で旅行を企画したことが無いんです。それにですね、立木さんに連れて行って貰うと美味しい目に遭えるんです。だからエクシブさんも、立木さんと旅行するのを楽しみにしているんです。楽しみにしているんですよ。立木さん、若者の期待を裏切ると言うんですか?
「まったく、都合の良い時だけ若者を持ち出してくれるんですね。白船君……だと、もれなく2人が付いてきますね。仕方が無い、マイクロバスでもチャーターしますか」
それからですね、あちらの扉を見ていただきたいんです。ええ、隠れていませんよね。隠れていないと思うんですけど、白船君が覗いているんです。あの訴えるような眼差し、無視することが出来るんですか?
「外出の縛りがなくなったのに……なんで、みんな人についてきたがるのですかね」
それだけ、美味しい思いをすることが出来たからだと思いますよ。それでどうするんですか?
「仕方が無いので、前に泊まった燕温泉のパターンを取ることにします。教授連に諸星さん夫妻、小谷さん、エクシブ君と言うことです。宿も、同じ宿を取れば問題ないでしょう」
あのお宿ですね。色々と美味しかったのを覚えていますよ。それから立木さん、後ろで土下座している人はどうします? ええ、白船君なんですけどね。それで、ラズライティシア様とエリシオンさんは誘わないのですか?
「そちらは、一緒に慶子を連れていくことにします。大悟君、杏香ちゃんも連れて行くか」
もしもし、なにか既成事実を作ろうとしていませんか? 藍香ちゃんの話を聞いたら、その方が良いと言うのはわかっているんですけどね。
それはそうと、後ろでガンガンと床に頭をぶつけている人がいるんですけど。
「白船君、すぐに止めないと二度と誘いませんからね」
それで、ただ単に止めさせるだけですか? なんです、その旅行社の仕事をすると言うのは?
「アクアさん、シエンタさん……アクティちゃんを含めた4人で楽しめるツアーを企画してあげるだけです。4人でドライブをして楽しめる……楽しめると思うんですけど。それなりに良さげな宿を確保してあげるんですよ。それで、1泊ですか2泊ですか? 同じ宿に連泊するのか、宿を変えるのかと言うのも有りますね」
「ええっと、出来れば2泊でお願いします。宿の方ですけど、どこまで我が儘を言って良いのでしょうか」
「だいたいのリクエストは受け付けますよ。ただ季節的に無理な物は勘弁してください」
「で、でしたら、アクアたちと相談してみますです、はい」
ああっ、白船君がスキップをして出ていったよ。それで、私はどうするのかと聞いてくださるんですか。そのですね、希望としてご一緒させて頂ければと。お酒って、みんなで飲むのが楽しいと思うんです。
「小谷さんに苦言を呈するのなら、もう少し社交的になられた方が良いと言うことです。小谷さんの交際範囲なんですが、極めて狭くなっていませんか?」
え、ええっと、その指摘が出てきてくれますか? 交際範囲が狭い……そんなことはありませんよっ!
「でしたら、この1年間でIMO研究所関係者以外と交流した覚えがありますか? 飲み会でも良いのですが、IMO研究所以外の方と新しい関係を結ぶことが出来ましたか?」
そんなことを聞いてくれますか。私を見くびっていませんか。それぐらいだったら、ですね。それぐらいだったら……
「東の大学の友達でも構いませんよ」
いやですねぇ、これでも色々と顔が広かったり……すみません、見栄を張ってしまいました。集落から外に出るのは、旅行に連れて行って貰う時か、菅谷総理に報告に行く時だけでした。
「大谷村から派遣されてきた4人を見習う……のは流石に難しいか。あれはあれで、コミュニケーションお化けですからね。国会議員を目指されるのなら、自分の周りに人が集まるようにならないといけないんです。その方法の一つとして、利権があるのは確かなのですけどね。新しい時代の国会議員を目指すのなら、人間的魅力で人を集めて欲しいんです」
ええっと、ですね。もの凄く身につまされたって言って良いですか。仰るとおり、人と付き合うのが苦手だったりするんですよ。
「あんな風になれとは言いませんけど。小谷さん、テレビに出てみますか?」
あんな風にって……若手の自称社会学者、と言う程若くはないか。いえ、私はあんなに自己顕示欲が強くありませんから。それに、あれって俗に言うテレビ芸者ですよね。安全な場所から、それっぽいことを理屈っぽく話をする……だけの男だと思うんです。
だから……ああっ、河野さんにフルボッコにされてるよ。お昼の情報番組だから良いんだけど……ホントかな。河野さん、全く容赦が無いんだから。『質問に勉強した跡が見えない』『それで、学者を名乗るのが信じられない』って、テレビ芸者に要求することじゃないと思うんです。
それで、あんな風にテレビに出て見るかって。意味の無いことを台本に従って話せと言っているんですか?
「出て見る意思があるのなら、MHKに話を通しておきますよ。最初は、そうですね、谷川氏とトーク番組なんか良いかもしれませんよ。勿論、台本無しのガチのトーク番組なんですけどね」
もしもし、それが私に出来ると思っているんですか? そうですか、それぐらいはやってみろと言ってくれるんですね。
「ここまで色々と見てきた小谷さんですから、私は出来ると思っているんですけどね。それから、私とか藤康、先ほどの河野も悪い見本ですから真似をしないように。加えて言うとですね、谷川氏はプロですよ。だから、ちゃんと話を引き出してくれると思います」
それって、私向けにハードルを下げてくれたと言うことですよね。でも最初がMHKって、かなりハードルが高くありませんか? なんです、『今日の異世界に行こう!』の延長線って。
それはそうと、あちらの番組もCMが割り込んできたみたいです。これで、敷島TVも血祭りに上げられたわけですね。もうタスクフォースの皆さん、積年の恨みを晴らしていませんか?
「あの人たちも、色々と溜めまくっていたと言うことです。あの年代の東の大学法学部出身者は、本当にエリート中のエリートなんです。しかも官僚として揉まれているので、柵を外してあげたらほぼ最強の存在でもあるんです。色々と罠を張って、話を誘導していくなんてお手の物なんですよ。地頭と経験が違いますから、テレビ芸者のコメンテーターが敵う相手じゃありませんよ。だから危機管理の出来ているコメンテーターは、絶対に絡んでこないんです」
それって、元首長をされていた弁護士のことを言っていますか? そうですか、何をどうやっても勝てないのはわかっている。だから首長として、同じ問題点を抱えていたと理解を示すわけですね。
しかし立木さん、思いっきり辛辣って言って良いですか? なんです、目先しか見ていない文系議論は大嫌いって……流石にそれって言いすぎだと思いますよ。少なくともテレビで行われているのはそれ……理系脳には理解出来ない議論をしているんですか。でも、あまり高度な議論をすると、視聴者が着いてこられないと思うんですけど。
「議論に着いてきているのではなく、扇動されているだけだと思いますけどね。その馬鹿げた世界に付き合わないと言うのも、タスクフォース共通の認識だったりするんです。後はですね、ちゃんと説明をすれば視聴者の方々も理解することが出来るんです。勿論、理解出来ない人がいるのもわかっていますよ。中には、どんなに丁寧に説明しても、初めから理解するつもりが無い人がいるのもわかっているんです。だからテレビで言っていた、乱暴な進め方と言うのは間違っていないんです。丁寧に進めようとすると、いつまで経ってもスタートすら出来ないのがわかっているからです」
でもですよ、そんなことをしたら世間が反発しますよね。扇動された人たちって、とっても面倒だと思うんです。
「だったら、中国にでも行くことにしますよ。ロシアでも良いですし、アメリカ、イギリスでも受け入れてくれると思いますよ。日本が自滅するのを見ていれば、好機と思って優遇してくれますからね」
そこまで見越している……と言うことですか。菅谷先生が、全力で引き留めてくれる気がしますね。
「その前に、鴻池さんのところが動いてくれますよ。広告出稿を押さえていますから、テレビ局の扇動を押さえることが出来るんです。後はですね、広告を出している企業も冷静ですからね。特区の邪魔をしたら、魔法技術の恩恵を受けられなくなるんです。自分の所の死刑執行書にサインをする真似はしませんよ」
なるほど。色々と手を打たれているんですね。ひょっとして、立木さんって軍師だったりします?
「色々とタスクフォースで検討をした結果でもあるんです。理想とする未来を最初に打ち立てるんです。そしてその未来に至るには、どのような障害があるのかを列挙していきます。そこには技術的問題もあれば、政治的、感情的問題も含まれています。そして各種障害に対して、対策を考えるわけです。その中には、すでに行われている施策も含まれています。『今日の異世界に行こう!』および魔王城公開は、かなり強力な対策となっていますね。それに加えて、大谷村、白鹿村と色々と協力しているんです。それもまた、強力な対策になるんですよ」
なるほど、目指すべき未来像を最初に決めるんですね。でもですよ、時間とともに新しくできることが増えていきますよね。そうすると、目指すべき未来像が変わってきませんか?
「時間軸をどう考えるかですね。今回の魔法特区は、とても短い時間軸で実行されるんです。従って、新しくできることが増えても、軌道修正が生じることはないと思いますよ。もしも軌道修正が必要なことが生じたら、今度も10徹すれば良いだけのことです。何しろ藤康たちは、私など足下に及ばないほど優秀ですからね」
10徹……は冗談として。なぜ自分を棚に上げてくれるんですか? 今回のこととか、魔道具のこととか、立木さん抜きでは実現できていませんよね。
「そこは、諸星さん抜きではと考えてください。それからですね、私が出来るのはグランドデザインまでなんです。そこからの詳細設計は、出来ないとは言いませんが、能力的には彼等の足下にも及ばないんですよ。それぐらい、彼等は優秀と言うことなんです」
経験の裏付けを持った秀才集団……天才とは言わないんですね。そうですか、天才は武見君のような人を言うのですか。武見君……そう言われれば、天才に相応しい実績を上げてますね。ただその天才武見君なんですけど、立木さんに蹂躙されていますよね?
「天才だって人の子ということです。だから私は、最初の取りかかり……きっかけを作ってあげてるんですよ。ただちょっと詰め込みすぎたかなぁと反省はしているんですよ。贅沢を言えばあと2、3人、彼のような人材が欲しいんですよね」
そんなにいないから『天才』だと思いますよ。そうでもない、時代の要請が天才を生むことになると言ってくれますか。
「武見君だって、魔法と言う存在がなければ『天才プログラマー』で終わっていたと思いますよ。そして私たちには、諸星さんと言う切り札がいるんです。私のような凡才は、彼が活躍できる場を作ることが仕事なんです。ただ能力的限界がありますから、宝の持ち腐れになっているんですけどね」
立木さん。謙遜は美徳じゃないと言っておきます。立木さんも、違ったタイプの天才だと思うんですよ。だってIMO研究所の成果って、立木さんがいなければ出ていないものばかりなんですよ。
「私程度が天才だと、天才の大安売りになってしまいますよ。それから小谷さんの認めてくれた私の才能は、魔法とIMO研究所に派遣されて初めて発揮できたものなんです。あの日後沢氏に会わなければ、今頃年金を貰って妻とのんびりと終活をしていたと思います。凡庸なIT企業の管理職で終わっていたのではありませんか?」
その評価なんですけど、確かに、色々な人から聞かされましたね。私自身、立木さんって冴えない第3の人生を送っているお年寄りと思っていましたから。尤も、初めて会った時にしっぺ返しを受けましたけどね。
そっかぁ、時代の要請が人材を輩出することになるんですか。それを間近に見られるのって、実はとても幸せなことだと思います。
「もしもし、どうして観客になっているんです? 今は足りないところばかりと思われてるのでしょうが、小谷さんにも活躍して貰わないといけないんです。それが上里集落オリジナルメンバーである、小谷さんの役割でもあるんですよ。そして大谷村が最初の地として選ばれたのは、間違いなく小谷さんの存在が決め手になっているんです」
でもですよ、人気の少ない山奥の温泉地だったら、実はどこでも良かったと思うんですよ。だから私の存在が決め手と言われても……どこでも良かったから、私の実家の村になっただけだと思うんです。
選ばれた経緯はそう。だけど、それからが違っているんですか?
「小谷さんも、大谷村がとても元気で前向きだと思われませんでしたか? IMO研究所の施策には、大谷村の協力が欠かせなかったんです。検討自体に未熟なところはあっても、魔王城公開を持ちかけてくれましたよね。理由はわかっているのですが、とても前向きな検討をしてくれたんです。まさかとは思いますが、過疎の村ならどこでも同じと思われないでしょうね」
どこでも同じと言うつもりはありませんよ。それに仰るとおり、故郷のアグレッシブさには驚かされました。
「これから、何度も執拗に『なぜ大谷村なのか』と聞かれることになります。その疑問を封じるためには、小谷さんの活躍が必要になるんです。最初に魔法を公開した記者会見を覚えておいでですか。IMO研究所の『経理担当』の私が前に出た時、お呼びじゃない、なぜ畑違いのロートルが出てくるのだと言う目で見られていました。それを実力で……諸星さんの力とシアの存在が理由なのですが、一応実力で黙らせたんです。ロートルの私に出来たんですから、同じことを小谷さんに期待しているんですよ」
でもですよ、立木さんの場合は実力と立場が食い違っていただけだと思います。だって立木さん、錚々たるメンバーと対等に話されていましたよね。
「なぜ自分でも同じこと……と言うのは少し違いますかね。大谷村が必然だったとご自身で主張できないのでしょう。小谷さんも、色々と勉強してきたのを私は知っているんですよ。今こそ、その成果を発揮するところだと思うんですけどね」
なんで立木さんがそのことを、と言っても良いですよね。そうですか、焚き付けた責任があると仰るのですね。でも、私程度では……
「回りが凄すぎるのは確かですが、藤康たちは例外中の例外ですよ。彼等は自分を高めるために参考にする存在であって、競争する相手ではないと言うことです。年季が違うのですから、彼等に教えを請うのは恥ずかしいことではありません。ポトマックの若手もそうですが、もっと自分たちの懐に飛び込んで来て貰いたい。友池さんもそうですけど、皆さんそう考えられているんです」
それは、立木さんも同じなのですか?
「私ですか。私程度では、小谷さんに教えることはありませんよ。あまりにも、バックボーンが違いすぎるんです。まあ、参考程度にするのは拒みませんけどね。それから、失敗を恐れてはいけません。多少の失敗なら、老人がしっかりカバーして差し上げます。多分、余計な心配だと思いますけどね」
いえ、正当な心配だと思っています。ただ、そこまで言われては尻込みなんかしていられませんよね。どこまで出来るのかわかりませんが、頑張ってみることにします。
それからお願いが一つあるんですけど……良いですか? そうですか、お願いの中身によると言うのですね。いえ、大したお願いじゃないんですよ。私が大失敗をしたら、助けようとしないで切り捨ててくださいと言うことです。
「その時は、遠慮なく切り捨てて差し上げますよ」
そう言って頂いて、少し気持ちが軽くなった気がします。はい小谷静香、ちょっとはじけてみようと思います。
シーズンは終わりましたが、美味しいですよねトウモロコシ。
100話に到達しましたので、これからは少し更新ペースを落とします。
いえ、ストックなら沢山あるんですけどね。




