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最強スキル「リア充爆発しろ」 〜元社畜魔王は、幸薄勇者を倒せない〜  作者: 絵夢


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09.迷宮メイド無双 その3

中層に入った途端、空気が一段重くなった。


さっきまでのぬるい気配とは違う。

息を吸うだけで、肺がじわっと重い。


「……来ます」


リリが短く言った。


次の瞬間、通路の奥から一斉に影が飛び出してくる。


犬型や猿型。

群れになって数で押し潰すタイプだ。


「囲まれるな」


「前、抑えます」


リリが迷わず前に出る。

自然と背中を預ける形になった。


そのまま一体目が飛びかかる。


リリの槍が低く走る。

腹を裂かれた魔物が、勢いのまま転がった。


間髪入れずに二体目。

突き上げるような一撃で顎を砕く。


速い。


だが、数が多い。

リリの視界の外から同時に三体の犬型の魔物が襲いかかる。


「らぁっ!」


一歩踏み出す。


足元で小さく爆破を起こし、その反動で間合いを詰める。


一体の懐に滑り込み、拳を叩き込む。


インパクトの瞬間。


ボッ。


爆発が重なり、衝撃が跳ね上がる。


魔物がそのまま後ろへ吹き飛んだ。


残り二体が同時に噛みつこうとする。


一体の顔面の至近距離を爆破で弾く。


ボンッ。


視界を焼かれた魔物がたじろぎ、その横をすり抜けて、もう一体の腕を掴む。


軽く力を込め、腕を内側から弾く。


「ギャンッ」


骨ごと砕け、体制が崩れたところに、振り返りざまの蹴り。


接触の瞬間に爆破。


二体まとめて壁のシミになった。



「……魔王様」


リリの声。


「今の凄いですね」


「ああ、どんな能力でも応用すれば強くなる」


そして、次が来る。



今度はリリ側に四体。


正面から押し込まれる形だ。


「右、空きます!」


「任せろ」


言葉と同時に動く。


右側に回り込み、一体の背後を軽く弾く。


小さな爆発に視線が流れる。そこをリリの槍が突き抜けた。


「はっ!」


正確な一撃で仕留め、そのまま反転し次の敵の足を払う。


崩れたところに、石突きが落ちる。


「やるな」


思わず口に出る。


「ありがとうございます!」


返事は短いが、動きが軽くなる。


一体、もう一体と数を減らしていく。




そして、最後の一団が固まって突っ込んでくる。


「まとめて来ます!」


「俺がやる!」


「はい!」



ボ、ボ、ボ、ボ、ボッ!!


魔物の足元に小さな爆発が連続して起こる。


先頭の魔物が跳ね飛び、後続の魔物達とぶつかり勢いが無くなる。


ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ、ドッ!!!


それを囲う様に中規模の爆破を起こし、爆風と熱で圧殺する。



煙の中から無惨な肉塊が現れた。


「うわぁ……グロッ…」


「固まって襲ってきたからつい…」


さっきまでの喧騒が嘘みたいに静かになる。


「……終わりましたね」


リリが息を整える。


「ああ」


周囲に気配はない。





「……魔王様」


「なんだ」


リリが少しだけ間を置く。


「その、ドカンって全部吹き飛ばすのもすごいですけど」


少し視線を逸らしながら続ける。


「今みたいに、大技無しで一緒に戦ってる感じの方が好きです」


「……流石に洞窟で大爆発は出来ないからな」


「それと俺も誰かと肩を並べて戦うのは久しぶりだったが、お前の戦い方が綺麗だったからやりやすかったよ」


「……それ、かなり嬉しいです」


「努力して積み上げられた技術を感じた」


「ありがとうございます!」


「俺を殺そうとやってきた勇者に言うのも変な話だけどな」



なんとなく不安がよぎり、一応確認する。


「まさか、まだ狙ってたりしないよな?」


リリは慌てて応える。


「こんなに良くしてもらって、殺そうだなんて!」


「むしろ今はどうやって魔王様に気に入られるかだけ考えてます!」


「はっ…!!」


リリは口が滑ったと言う様な顔でいう。


「そ、そろそろ、階層主ですね!次もサクッといきましょう!」



「あ…あぁ…」


まあ、こんな美少女に言われて悪い気はしないが。


リリが槍を握る手に力を込める。



「頼りにしてるぞ!」


「はい!」


何度か一緒に戦い、思いの外連携が上手く取れていたからだろう。

そして、最凶の魔王であると言う自負が、リリと二人ならどんな強敵でも倒せると思った。



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