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ネオス級のクエスト

 いつも通りギルドに向かい、ウィットと今日受けるクエストを決める。


「せっかくだから、ネオス級以上しか受けられないクエストでも受けましょうか。」

「明確にヘーリオス級のクエストとの違いはあるんですか?」

「あるわ。ヘーリオス級のクエストはそのほとんどがバラールの森でのクエストだったけど、これからは別の場所がほとんどだわ。バラールの森では、自分から襲ってくる魔物や危険度の高い魔物がいないから、討伐対象以外の魔物に攻撃されるなんてことはほとんどないけれど、これからは、血気盛んな魔物に獲物を横取りされたり、いきなり攻撃されたりするようになるわ。」


「じゃあ、常に周りには気を配っていないといけないってことですね。」

「そうね。まずはこれなんてどうかしら?」そう言って、ウィットが持ってきたのは、コボルトの討伐クエストだった。


「ボッシュ炭坑で、コボルトが大量に現れたらしいわ。倒して得た魔石の分だけ報酬は弾むらしいし、受けてみない?」

「受けるのは構わないんですけど、コボルトとゴブリンって一緒だと思ってたんですけど、違うんですか?」

「全然違うわ。コボルトは暗い所を好む種族で、太陽の光が苦手だし、知能もゴブリンより劣ると言われているわ。そもそも顔が違うからすぐに分かるわ。」


「そうなんですね。じゃあコボルトのほうが危険性は低いってことですよね?」

「一匹だけならその通りだけど、コボルトは常に群れを作って行動するから、数によってはゴブリンよりも危険なことだってあるわ。」


 ボッシュ炭坑は、北門出てすぐのヴェーラー街道から少し外れた場所に位置する、現在も使用されている炭坑だ。掘削魔法によって石炭が掘られているらしいが、コボルトの数が増えすぎて、今は一部の区間を封鎖しているらしい。


「今回は封鎖されている場所に立ち入って、コボルトを倒すんですよね?」

「そうね。他の冒険者もいるかもしれないから、あまり危険な薬品は使わない方がいいわよ。」


 そもそも、洞窟や炭坑などの狭い場所で毒性の強い化合物を生み出すと、天井がある関係上、自分もその毒をそのまま受けることが目に見えているので、使うことは出来ないだろう。


 ボッシュ炭坑はいくつも入り口が存在しているらしく、僕らはコボルトの姿が確認され封鎖された入り口から中に入った。コボルトを探しながら奥へと進んでいく。


「それで、オーラムは炭坑内で何を使って戦うのか決めているの?」

「ずっと考えていたんですけど、こういった密閉に近い空間で、相手だけにダメージを与えられる化合物が思いつかないんですよね。相打ち前提みたいなものしかないですね。」


「つまり、足手まといってこと?」

「まぁエタノールとかで、また酔わせて足止めくらいですかね。」

「致命傷を与えるのは難しそうってことね。」

「でも、致命傷を与えるためにこれを買いましたから。」フェルムさんの店で買ったばかりのナイフを見せる。


「オーラム!あそこ!」ウィットが指差す先には、3匹のコボルトが何かを探すように辺りを見回していた。気づかれないよう、僕らは身を隠す。


「現状は3匹ですね。こっちには気づいていないようですけど、倒しますか?それとも仲間がいないか確認しますか?」

「どうせ、3匹だけなんてことはないだろうし、数が少ないうちに倒しておいた方が良さそうだわ。」


 ウィットはダガーに魔力を込め、コボルト目掛けて投げつけた。ダガーはコボルトの体を貫いた。


「ウキ?キキキキィ!!」


残された2匹が何か言っているようだった。ウィットはすかさず、2本のダガーをそれぞれのコボルトに放った。ダガーは胸に命中し、コボルトは魔石となった。


「流石ですね。何かコボルトが叫んでましたけど、あれって仲間を呼んだんですかね?」

「コボルトにそんな習性は無いわ。おおかた、仲間がやられて怒って吠えていたんでしょうね。」


 3匹しかいないこともないだろうと、先へ進んでいくこととした。すると、遠くから声が聞こえてきた。


「キッキィキキィキキキキィイイイ!!」


「コボルトの声ですね。それに何匹もが叫んでいるように聞こえますね。」

「他の冒険者と戦っているのかもしれないわね。急ぎましょ。」


 炭坑の細い道を進んでいくと、開けた場所に辿り着いた。


「これはまた、いっぱいいるわね」50匹くらいのコボルトが戦闘態勢をとっていた。そして50匹と対峙しているのは、一人の女の子?だった。


 女の子は多数の擦り傷や切り傷を負っていて、この大勢のコボルトを相手するのは不可能だろう。


「オーラム!あの子を助けるわよ!」

「もちろんです!」


 コボルトの群れにダガーを投げる。コボルトたちもこちらに気づいたようだ。


「あんたらなんか、私が相手してやるわよ!オーラム!あいつらの動きを鈍らせなさい!」

「いや、俺かよ!?」


 私が相手してやるのくだりどこいったんだ。言われた通り、大量のEtOH:エタノールをコボルトたちに浴びせる。コボルトの顔が赤くなっていく。


「とりあえず、あの子のもとに行くわよ!」ウィットは、あの子と呼んでいるが、見た目では明らかに向こうの方が背も高く年上に見えるが、そこにツッコんだらまた怒られるのだろう。


 コボルトの大群を突っ切って、女の子のもとに向かうことになった。


・解説コーナー

 エタノールはアルコールの1種ですね。ここから先も様々なアルコールが出てくると思うので、今回は軽くアルコールについて説明します。アルコールは炭化水素の水素がOH:ヒドロキシ基に置換されているものの総称ですね。

有名なものにメタノールやグリセリン、キシリトールなどがありますね。メタノール(メチルアルコール)は目散るアルコールみたいな覚え方もあるように、メタノールを人間が飲むと失明してしまうらしいです、絶対に口に入れないでください。キシリトールは甘味料の一種で、ガムなんかによく使われていますね。キシリトールガムを噛んでいると口の中が冷たいと感じることがありますよね。あれは、キシリトールが唾液に溶ける際の反応が吸熱反応といってまわりの熱を取り込むからと言われています。


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