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恐ろしいモノ

若干の流血表現、ホラー表現、グロテスクな表現があります。

苦手な方は閲覧しないことをおすすめします。

「!?」

「ラギア、そんなに警戒しないで」

少年、ファリオンはくすくすと笑いながらラギアの強張った肩に触れる。

「大丈夫だよ。僕は幽霊でもバケモノでもない。ファリオン・ルファイアって言う名前の存在だよ」

「…存在?」

存在、という言葉が妙に引っかかる。

「そうさ。僕は存在であって、人間じゃない」

「それってどういう…!?」

振り返ったとき、そこには誰もいなかった。


ファリオンのことが気になりつつも、ラギアは屋敷へと足を踏み入れる。

そこで、さっきの彼の言葉が理解できた。

屋敷の中は滅茶苦茶だったのだ。

ドアを開けてすぐ目に入る大階段にかかっているボロボロの絨毯。

壁にある傾いている絵画。近くにあるドアは壊れて、キィ…という音を立て軋んでいる。

そして隅に置かれている割れた花瓶。

窓から差し込む光は屋敷の中を少し照らす程度で、恐怖を煽る。

「何、これ」

中でも一番目に付いたのは、…死んでから何年も経っているのであろう、大階段に横たわる人の形をしたモノ。

近づいて見てみると骨であることがわかる。

でも、少しおかしい。

感じる。生きている人間のような気配を。


「ケタタッ」

骨から乾いた音がした。

「ケケケケ、メシアだ、メシアが帰ってきた」

「おばあちゃんを知っている…!?」

「お帰りメシア。さあ、行こう。みんなが待っているよ」

動き出した骨はラギアを見て「メシア」と言い続ける。

「…来ないで…来ないで来ないで来ないでッ!」

骨はゆっくりとラギアに近寄る。

ラギアは逃げようと後ずさりをする。

「おいで…メシア…」

骨が触れようとしたとき、ラギアは横をすり抜けて近くの部屋に逃げ込むことができた。

ドアの鍵を閉め、しゃがみこんだ。

ガン、ゴンとドアを叩く音がする。

「メシア…なんで逃げるんだい。私だよ、トラストだ」

優しく語り掛けるような声。

でも、この屋敷に人は住んでいないはず。

鍵を閉めているから、と、ドアから離れる。

離れてみると、ドアと床の境目にわずかな隙間があるのがわかった。

床に顔をつけ、そっとドアの外を見た。


「メシア、早く出ておいで」

その瞬間、彼女の目の前にゴトッと言う音と共に何かが落ちてきた。

「メシア…」

カタカタと動く、頭蓋骨。

「…あ…」

目があってしまった。

頭蓋骨の奥に輝く、不気味な光。

「いや…やだ…」

「メシア!何故出てこないんだ!早く出てきなさい!」

ダンッ、という音がしてドアが軋み始めた。

声にならない恐怖に襲われ、身体が震える。

その間も音は続く。

怖くて怖くて、ラギアは近くにあった物陰へと隠れた。

そこにあった布をかぶり、必死に息を潜める。


そして、バキリという音がした。




「メシア、どこに隠れたんだい?」






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