救いの夢日記
夏木は公園に来ていた。
普段は暑くて避けているのだが、大雨が止んだ後でかなり涼しくなっていた。
「夏木ー!こっちー!!」
冬坂は抹茶アイスを頬張っている。
「うおー!うんめなー」
なんか、いつもより元気な気が。
「自転車で来たから、涼しくて気持ちよかったー」
「ボロボロじゃん」
冬坂は大きな声で笑う。
「そんなことはいいから、はい、夢日記」
冬坂は夢日記を読み終えると話し始めた。
「私、あんたの夢日記読んで変わったことがあるの」
「えっ....本当?」
「うん。私ねずっと悪夢を見ていたの。それも毎晩」
「悪夢か....メンタル追い込まれてたのかな?」
冬坂は今度はマンゴーアイスにかぶりつきながら。
「私、親の反対押し切って転校してきたの。でも何度も修羅場があって」
「なんで、こんな田舎の学校に来たの?」
冬坂の目が少し吊り上がった。
「親への復讐。私の家族は医者の家系だから、小さい頃から地獄のように勉強させられてたの。
それで、ある日、頭がバッカーンて爆発して、もう無理になった」
冬坂のアイスが少し溶け、地面に滴り落ちる。
「彼らからは逃げられたけど、毎晩、彼らに追いかけられる悪夢を見るようになって....」
夏木は黙って相槌を打つ。
「でも最近は悪夢全然見てないの!たぶん夢日記のおかげ。楽しい夢ばかり書いてあったから」
夏木は冬坂の溶けそうになってるアイスを見つめながら
「....俺の夢日記が....」
冬坂は微笑む
「そう。夏木のおかげ」




