七十話 持ち帰った物
お久しぶりです、ハキです。
前回の投稿から約3ヶ月が経過しまして、この作品の事を覚えている人も少ないかと思いますが、ちょろーっと読んで頂けると幸いです。
(やめて!ブクマ外さないで!!!!)
一応わかりにくいかもですがあらすじ書いておきます
帝国に悪い奴がいる!見つけよう!
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帝国の一番王国に近い所、グラナダって街に入ったよ!
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グラナダの偉い人に魔王軍の四天王がなりすましてた!街から逃げなきゃ!
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街の外でついに囲まれた!と思ったらホウ諸国っていう国の奴らがやってきた!?
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乱戦になった!界人、混乱して魔王軍の本陣にダッシュしてた!
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なんかドラゴンいる!?こっそり後ろから襲ったけど刃通らないんですけどー!
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ドラゴンが別の所にブレスしたのを見たところで、意識を失う
(・・・普通に読み返した方がわかりやすいとは思います)
「界人、大丈夫か」
界人が目を醒ますと、目の前にはケインが待機していた。
頭を2,3度振ってから、正気に戻った界人はハッとして辺りを見渡す。
「あれ!?ここ、病院かなにかか?」
「ああ、教会を一時的に診療所にしているぜ。
何しろ激しい戦闘で、ホウ諸国の強者どもも無傷の奴は殆どいなかったからな・・・」
ケインが返答した。
教会の地面には1×2ほどの布が大量に敷いてあり、その上には呻き声をあげる男たちがいた。
幸い、ほぼ全員に包帯が行き渡り、大体の人は処置を受けていた上、全員布団代わりに白い布を被せられていたため、界人がその怪我を直視することはなかった。
「あの、激しい戦闘の後、どうなったんだっけ・・・」
そう呟いたと同時に、後ろからゴツ、ゴツ・・・と鈍い足音がした。
「帰還シタ・・・」
振り向くと、教会の玄関に、こちらにゆっくりと歩み寄ってくる男、鎧亜がいた。
鎧が半壊していて、背中のジェットパックは怪しい緑の液体を散らしながら、モクモクと煙を上げている。
杖代わりに金属の棒をついていたが、界人はそれがハンマーの柄だと気づいた。
柄の端は砕け散っていることから、武器は粉々らしい。
未来的武器を多く持っている鎧亜だが、手持ちのハンマーは異世界において目立たないよう、ただの岩石の集合体を金属の棒にくっつけていただけだったため、簡単に破損してしまったようだ。
砕けた破片が敵に更なるダメージを加える効果もあったが、継続戦闘には圧倒的に向いた物ではなかったようだ。
界人が鎧亜に話しかけようとしたところで、身体が悲鳴を上げた。
「いつッ!」
それを聞いたケインは界人に「まだ寝とけ、傷は塞がってないんだ」と言い残し、鎧亜の駆け寄る。
そしてケインが支え、鎧亜はゆっくりと界人の横に移動してきた。
バッと布を敷き、鎧亜がそこに横になろうとしたところで、ケインが頭を掻き尋ねる。
「あー、えーっと、鎧亜さん?流石に鎧来たまま寝るのはアレなんだけど・・・それ、どういう構造なんで・・・?」
鎧亜を寝たまま勝手に脱がせることも考えたが、如何せん異世界人には見覚えのないSFアーマー。
着脱の方法が分からず、困惑するのも無理はない。
「ん・・・てかその腕に抱えてるのは?」
界人が首だけ動かし横を見ていたが、ふと鎧亜が腕に何かを抱えているのに気がついた。
「ム・・・鎧ハワガ肉体ソノモノ。ヌガス必要ハナイ・・・。
ソシテ腕にカカエテイタカラ忘レテイタ。コレガ戦利品ダ」
体は鎧で出来ているという謎の言葉に「リビングアーマーじゃねーんだから」とケインがぼやく。
そして腕に抱えている物を確認した。
「えっと、これ・・・」
ケインが確認するも、汚れにまみれ、イマイチわからない。サイズとしては頭より二回りは大きい程の物だ。
「とりあえず鎧亜さん、これ一旦話してくれないか」
「ム・・・右腕ガウゴカヌ・・・。コレハ、熱カナニカデ溶ケテシマッタノカ?
スマヌ、再生マデ暫クカカル。自分デ腕ヲハズシテハクレマイカ」
「お、おう・・・」
鎧が再生ってなんだよ、とツッコみたいケインであったが、怪我人に喋らせるのもつらそうだし、とりあえずは黙って腕を退ける事にした。
腕が想像よりかなり重く、動かすのに苦労しつつも、中にあるものを取り出した。
「じゃ、拭くぞ・・・。あ、鎧亜さんはその怪我だ、寝ててくれ」
タオルを取り出した後、思い出したように鎧亜に話しかける。
「了解シタ」
そう言って、鎧亜は床の上で「『スリープモード』」と呟くと、座ったまま石のように動かなくなった。
(パソコンかよ)と、界人が思った。
ジェットパックから漏れていた液体はいつの間にか止まっていた。
どうやら比喩ではなく鎧は普通に再生するらしい。
そしてケインがパッと雑に汚れをタオルで落とすと、驚きの中身が出てきた。
「オイオイ、これ、あのすごい一撃放ってきた子供のドラゴンじゃねーか」
「た、確かに・・・。俺がこっそり後ろから見てた奴だ」
そう言うと、ケインがぎょっとして界人を見る。
「えぇ!?お前こいつ気づいてたの!?」
「お、おう。背後は完全に取ってたんだけど、如何せん武器がナイフだからな、奇襲しても攻撃が通らなかったぜ」
そういって鯖威張るナイフを手の中で遊ばせてみせた。
呆れた顔で、「お前なんだよそのナイフは・・・魚じゃねぇか・・・」とツッコまれるが、界人としても、「これしか武器がなかったからねぇ」くらいしか言えることがない。
「あー、お前なんで全身にダメージ受けてるのかと思ったら、その幼竜のブレスの、バックブラストで吹き飛ばされたワケだな」
納得がいったように、ケインが言う。
界人はふと、「バックブラストって言葉、あるのか・・・」と思った。
ちなみにバックブラストというのは、ロケットランチャーだとか、砲台だとかを利用した際に発生する後ろへの噴射の事である。
SWにおいては魔法や魔術、アーツの反動として使われてる単語のようだ。
「んで、この幼竜だけど・・・頭しかねぇのか。鎧亜さんが首から切り離したのか?あんまり切断系の技は持って無さそうだが、無理矢理首の骨でも叩いて分離させたのk・・・ってハァ!?!?」
しげしげと観察するケインだが、首の断面図を見た瞬間目を見開き、驚いてのけぞる。
「ケインどうしたんだ!?俺にも見せてほしいぜ」
釣られて、好奇の目で界人が頼む。
ドラゴンの頭をグルリと回してもらい、首の所を見せてもらうと。
「う、うおう!これ機械じゃないか!」
なんと首の中からは、謎の金属でできた細かい部品と、黄や赤のカバーに覆われた導線などが見えてきた。
ケインは
「昔見せてもらった、時計台の機構に似てるが、それよりもずっと緻密に見えるな・・・」
と、少しだけ顔が引き攣っている。
ふと思い立ち、のそりと界人が布団の上を動き、重いドラゴンの口を開けると、そこには焼け焦げた巨大な銃口があった。
(20口径だとかそんな次元じゃないな、大きめのメロンくらいのサイズはあるし、砲弾か何かでも撃ち出すための物に見えるぜ。
つーかこのドラゴン、パッと見普通の生物だったんだけど、マシーンなのか。
魔王軍は生物兵器かなんかでも開発してんのかと思ったけど、こんくらいの戦闘力の奴を全部機械とかで作れるんだったら技術力やべぇな)
そう考えて、肌にある鱗を触るが、これは普通の鱗に感じた。
(鱗が硬い事に変わりは無いけど、完全に一から十まで人工の物ではなさそうだ。
つまり圧っっっっっ倒的なほどの技術力はまだ持っていないのか。
ちっこいドラゴンの中身をくり抜いて機械を詰め込んだってのが妥当な線かな。
とはいえこれだけでも充分脅威だ・・・)
軽く考えを纏めた界人にケインが提案する。
「とりあえずこの金属製の生首どうする?ギルドなりどっかの機関なりに持ち込んで解析するか?
一旦王国に帰って王宮騎士団のコネで解析してもらうのも全然アリだとは思うが」
「うーん、どうだろ。・・・というかわざわざ重傷なのにこの重い生首を持って帰った鎧亜には意図があったんじゃあないかな?
とりあえずは手元に置いておいて、鎧亜が起きたらどうするか聞いてみようぜ」
「ま、それもそうだな。戦利品としての持ち主は鎧亜さんのだからな」
ケインも納得し、とりあえず鎧亜が眠りから覚めるのを待つことになった。
界人も、明日になれば『草薬』(草生える薬)が補充される事を思い出し、この日は早めに寝る事にした。
投稿が遅れた事と少し関係があるかもですが、今話から書き方を界人視点から第三者視点に切り替えて書いてみました。
以前もおまけ話の際は第三者視点で書いていたのですが、自分としてはやはりこちらの方が書きやすいですね。




