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六十五話 Wanted

宿まで歩いている時、ふと壁を見た。


そこには掲示板があり、指名手配情報等が載っていた。


地球と違う、流石に写真とかがないのから絵なんだな。

色褪せてボロい紙だ、ファンタジー感あっていいな。


適当に眺めていると、後ろから声をかけられた。


「小僧、邪魔だ」

「え?」


振り返ると帝国の兵士がいた。

王都の兵士は・・・覚えてないけど、もっと愛想いいのになぁ。

しかも胴体は服のくせに首から上だけ鉄の甲冑被ってるから顔元が見えなくてこわいぜ。


俺を手で押しのけると、乱暴に掲示板に紙を針で留めた。


そのままのっしのっしと兵士は歩いていった。


新しい紙を覗き込む。

[風柳 えぐ 国家反逆罪]



「・・・は?」

慌てて二度見するが、間違いない。

くそ、どういうことだ!?

何故あいつが追われている?


「とりあえず、なんとかしてえぐっちゃんと合流しよう」

宿にいる・・・か?


えぐっちゃんは無理でも、鎧亜さんたちとなら会えるかもしれない。

行こう。








――



「いたぞ!光視だ!!!」


くそ、しくじったー!


宿に向かって走り出して暫くしたら、俺が兵士に追われている!

きっとえぐっちゃんの仲間だから、とかそんな適当な理由だろ。


「逃げるな!抵抗罪になるぞ!?」

「うっそー!?3人目!?」


ちなみに俺は今、兵士と鬼ごっこをしているZE☆

飛んだら目立つから走っているので、そのうち捕まりそうだZE☆


あ、でもわざと捕まって、裁判で無罪を主張しても大丈夫なのか。

悪いことした訳でもないし。


と、思ったら、空から虫が飛んできた。


「?ただの虫じゃない?機械だぞ、これは・・・」

気になって走りながら掴みとる。


すると機械の虫から声が。

「コレハ録音ダ。四天王ト戦ッタ所デ集合シヨウ。飛ンデ構ワン」

「鎧亜さんか!了解だぜ!」


宙に浮き上がり、ビュッと飛び出す!


「なんだあいつは!?」「飛んだぞ!」「追え!」「追えったってどうやって!?!?」


下から兵士達の声が聞こえる。

飛べない兵士はただの兵士だぜ。捕まえるもんならやってみろ!


「任せろ、俺がやる!『風鎖』『自然之結界』!」

うぉ!?魔術師か!?


周囲にいきなり大木が乱立し、ドーム状になった。

そして、足元に違和感・・・。

なっ!?風のチェーンだと!?

見えないとか反則じゃねぇか!?


それをみて兵士達が会話しだす。

「でかしたぞ!」「流石2色持ち!」「いや待て、ドームが建物を巻き込んでいないか?」

「いや、侵食はしていないから、被害は少ないハズだ」


「おい!犯罪者!俺を倒さん限り、ここからは抜け出せん!諦めて投降しろ!」



チッ、厄介だなぁ。

破壊できないか、と腰の剣に手をやるが・・・。


「しまった!進化させるために預けてんだった!」

「何をゴタゴタ言っている!くらえ!」

「いって!」

足首の鎖をつたって風の刃を受ける。

サイズは小さいが、避けれないとか卑怯だな・・・。


「なんだ?あまり効いてないな。その靴下とズボン、マジックアイテムか?」

「ご名答!」

なんこれ収納から鯖威張るナイフを取り出し、鎖に叩きつける。


ギョギョッ!

スパッ!


「よし、切れたぞ!」

その調子で結界も攻撃するが、こちらは傷はついても壊せない。


「『風鎖』は破られても、その結界は無理だな!今も俺が魔力を供給しているからだ」

そのとおりのようで、傷つけた所が修復された。


「なら・・・新型魔力ならどうだ!?」

新型魔力を展開し、結界に叩きつける。

「爆発しろ、ドーン!」

どうだ!?

「無駄だ!」


・・・くそ、だめか。

半分は抉れたが、すぐに修復される。

こうなったら術者をさっさと倒してしまおう。


「『ダブルスラッシュ』!」

ビュッと近づいて斬りかかる。

てか、鯖威張るナイフでもアーツ使えるのかよ。


「『タウント』」

むっ!


別の奴が庇ってきやがった。

ガッ!ガッ!


大盾と片手剣の前衛スタイルのようだ。

防御が固く、あまり削れない。

「援護するぜ!『草縛』!」

「うお、足元から草が!?」

浮遊し、回避。

四人目が距離遠いから油断してた、自然属性持ちもいるのか。


「俺達を忘れるなよ!?『ファイアボール』!!!」

他の奴が、火の弾を数発射ってきた。

魔法使える奴二人もいんのか、と思ったら魔法書を使っていた。

兵士の装備バラバラじゃあねえか!?


「『水晶壁』!」

ボン!


よし、新型魔力は火薬みたいな性質があるから、着火して爆発した!

その時の爆風に紛れてこっそり魔術師殴って逃げるぜ!


「いた!そこだ!『飛び斬り』!」

「『水晶壁』!なんでバレてんだ!?」

「その許可証だよ!!『ダブルスラッシュ』!」

「はぁ!?『ダブルスラッシュ』」


ガキン!ガキン!


剣を打ち合わせた後、距離を取り、兵団の人達からもらった許可証を取り出し、横へ投げ捨てる。


「位置はバレバレ!『ファイアーボール』!」

煙の向こうから飛んできた火の玉が、許可証を燃やし尽くす。


「どうだ!」

「何がどうだだよ馬鹿!あいつ許可証投げたんだよ!?」

魔法書の兵士と前衛の兵士が言い合う。

今の間に・・・。


「『水晶壁』!着火!」

工夫次第では煙を増やせないか、と思ったけどやはりある程度ならできるっぽいぜ!


「あっ!?どこだ!?」

「許可証を辿れば!」

「だから燃えたんだって!」


煙幕が再度展開される。


あいつらが馬鹿正直に叫んでいるから、多少小走りでも足音でバレない。


タタッと離れると、魔法の壁がある。

うーん、目くらまししてもこれがあるから逃げれないな・・・。

そう思って振り返ると。


「『旋風』!」

「あっ!?」

2色持ち?が風で煙幕を吹き飛ばしやがった。




すんでのところで飛び上がり、近くの家の屋根の上に隠れる。


「・・・バレたか?」




屋根の煙突の影で息を殺す。煙幕が晴れたとほぼ同時だったから、危うい。


「おい!あいついないぞ!」「逃げたのか!?」

「いや・・・ドームは崩れていない。逃げる場所は無いはず」


やばいな・・・!


「でもどこにもいないじゃあねぇか」「まぁ、そうだが・・・」

「俺もここにはもういない気がする!勘が囁く!」


お?こっちに運が回ってきたぞ?


「でも、お前の勘微妙だしさぁ」「はぁ?舐めてんのか?」

「おいおい言い合うな!話してる今も逃げてるのかもしれないだろ!?」


そうだそうだ!・・・と心の中で叫んでみる。


「そこまで言うなら・・・。確かに、いないかもしれないか」

「そうだぜそうだぜ!」「ドームの維持魔力必要だし、面倒だろ?」

「・・・しょうがないか」


ボロッ!


(ラッキー!ドームが崩れた!)

体中に力を込め、ありったけのパワーで飛び上がるぜ!

ヒューッ!風が気持ちいい!


「あっあいつ飛んでる!」

「やっぱりいたじゃねえか!」「『風鎖』!間に合えええええ!」

凄いスピードで飛んできた風の鎖を空中でローリング、回避する。


兵士達に右手を挙げて、叫ぶ!

「あでっぃおぉおおおーす!!!」


「「「「待てやああああ!!!」」」」


しかし、空中を凄いスピードで飛ぶ俺に、流石に兵士達は追いつけず、俺は逃げ切ることに成功した。



その後高い城壁の上を通る際、ボウガンをどしどし撃ち込まれたが、大体は回避したし、当たりかけた弾も水晶壁でギリギリ逸らすことができ、無事グラナダから脱出した。


ふう、危なかったぜ。

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