六十一話 撃退余裕
このまま闇の中に戻っても、すぐに奴と戦ってまた霧から逃げ帰るハメになると思うから、ちょっとここは思考してみるか。
奴の能力で判明しているのはなんだろうか。ちょっとまとめてみよう。
『スピリットアタック』
闇の槍で突き出す近接魔法。消費は少なそうだし、もしかしたらアーツかも。
攻撃を受けた所が黒いモヤモヤにじわじわと侵食される。
この効果は別のスキルのパッシブの可能性もある。
『飛翔円周斬』で対処可能。
『ダークシールド』
闇の盾で攻撃を防ぐ魔法。『ライトアロー』を防いだ。
『カタマリ』
闇の塊を発生させる防御魔法。さらにその後カタマリを発射できる。
多分これは自分の体表面にしか生み出せないし、消費も大きそうに思う。
『フェード・アウト』
あたりに大きな闇の霧を生み出す。かなり範囲が広い。
目だけでなく、声や匂いもわからなくしていそうだ。ダーク本人は勿論わかるっぽいが。
空に行けば射程外だな。
「森林破壊(名称不明)」
あたりの木がなぎ倒される程の火力で周囲をふっとばす。
ただしこの目で見たことはない。きっと詠唱が長いだろう。
あまり考えなくても良い気はするし、逆に希望的観測な気もする。
「分身(名称不明)」
分身を発生させる。攻撃したけどパッと消滅、とかはなさそう?
攻撃が痛かった系のことを言っていたから、感覚は共有してんのかな?
それか単純に視界を共有してるだけかもしれんけど。
分身だから性能が下がる、とかあるんだろうか?
大体こんな感じだな。
この中で一番厄介なのは、『フェード・アウト』「分身」とかだろう。
そうだ、なんで一対一の時「分身」しなかったんだろう?
『フェード・アウト』は詠唱時間があるからともかく、分身なんてパッと出せる感じしてたし、奴の性格上やっていてもおかしくはない。
なら、何かしら制約があるはずだ。
・・・消費が激しいとか、条件で出せない、とかな。
とはいえ、分身を倒してもしょうがなさそうだ。
倒している間に『フェード・アウト』の効果で、分身だけやられた後「覚えてろー」とか言ってこっそり逃げられたらどうする?見えないよな・・・。
その対策しなきゃな・・・。
と思ったらすぐ思いついたぞ、空から見張ればいいんだ。
霧の中で視界を失っても、空からなら奴がどこ行ってもわかるぞ!
・・・あ、霧の中で『テレポート』とかいうの使われたらどうしようもねえ。
いや、魔王でも時間かかってたし、パッとは使えないと信じよう。
さて、そろそろ整理も終わったし、戦いに戻るか。
一先ずは鎧亜さんを探す方向でいこう。
霧に入っては出て、入っては出てを繰り返せば見つかるかな?
とその時、霧のなかに2つの細い光が見えた。
その光はこちらに伸びているが、攻撃ではなさそう。
これは、ケインか?光の魔力だし。
本当は鎧亜さんに合流したいけど、ケインと一度合流してみるか。
そんなわけで降下。
「ケインさん、どう?」
「分身はそこまで強くなかったが、逃げられたぜ」
「2つの光は?」
「『アイライト』。目から光を放って暗所の敵を看破する技だ。
正直『フラッシュ』とかでいいと思ってたが、まさかこんな時に役立つとは思っていなかったぜ」
「ん?『フラッシュ』だとなんで駄目なんだ?」
「闇が濃すぎて全然照らしきれないからな。
『アイライト』は範囲がくっそ狭いが、見てる所は確実に照らせる貫通力があるっぽいぜ。
ちなみに、奴が突っ込んできたときに光属性の剣叩きつけたんだが。
それで奴が闇に逃げ込んだのをアイライトで発見してトドメさせた感じだぜ」
「なるほど・・・。ケインはつまりこの闇の中でも視力を失っていないということか?」
「ま、そういう扱いでいいぜ。あとタメで話すなよ」
「じゃあ鎧亜さんのとこいこうか」
「おいタメ口」
「参りましょう、ケイン様」
「馬鹿にしてんのか!?」
「『アイライト』・・・いたぜ!」
「どっち!?」
「風柳じゃない・・・鎧亜って人だ!」
「わかった!すぐに援護に行こう!」
ケインが指差した方向に向かうと、鎧亜さんがいた。
全く見えなかったぜ。
「鎧亜さん!大丈夫!?」
「問題ナイ・・・トイイタイガ、少シ手ヲ借リタイ」
「ダークは?」
「キット今闇ノ中ダ」
「そうか・・・」
「イルノハ界人ダケカ?」
「いや、ケインもいる。とと、知らないもんな、王宮騎士で、光とか聖なるもの使うやつだよ」
「フーム、イナイヨウダガ?」
え?
ホントだ、付いてきてない。
ちょっと戻ってみるか。
てくてくてく。
「死ねえエエエエエエ!!!『スピリットアタック・トリプル』!!!」
「何ッ!?」
狙いは鎧亜さんじゃない、ケインだ!
すぐ近くだからってちょっとでも離れたのが災いした!
今、ケインが三方向から分身に狙われているっ!
「『ホーリーシールド』」
「オラァ!」
バキッ!
ケインのシールドが破壊される、間に合え!
「新型魔力展開!『水晶壁』!!!」
ケインにシールドを新しく貼った。
い、今の感覚はアーツ・・・。習得したっぽいぜ。
今までは障壁だったけど、『水晶壁』になった・・・。
バリン!
「くそ、それでもそこまで固くないのか!?」
「イヤ、十分ダ!『タックル』『圧殺』」
今の間に鎧亜さんが突進。
一体を吹き飛ばした後、背中から謎ハンマーを取り出してもう一体に攻撃する!
「『カタマリ』ほぼぁああああ!!!」
二体目が防ごうとするも、カタマリの防御自体は成功したがハンマーの重みに耐えられず、足から嫌な音がして、潰れる。
「すげぇ、今ので一気に二体持ってったぞ!」
「イヤ、一体目ハ吹ッ飛ンダダケダ」
そう言って鎧亜さんが一体目を仕留めに行く。
俺は三体目を足止め、あわよくば倒すぜ。
「三人で攻撃するならジェットストリームアタックがよかったな!」
「何言ってやがる!『スピリットアタック』うううううううううううううう!!おっらあああああああああああああ」
「お前そればっかだな!『水晶壁』」
バリン!
「余裕で割れるぜえええええええええええええ!!」
「そうだな、点火」
「ほぎゃあああああああああああああああああ」
炎に巻かれるダーク。うーん、この頭の悪さ。
「『水晶壁』『水晶壁』『水晶壁』『水晶壁』・・・」
せっかくなのでこの隙に奴の周りを囲ってみる。
「あぁ!?出しやがれえええええええええええ!俺はダーク様だぞおおおおおおおおおおお」
無視して、水晶壁から破片を発射しまくる。
「半径2m!新型魔力スプラッシュうううううう!」
「『ダークシールド』『ダークシールド』!」
ん、両面にダークシールドを展開して防御された。
魔力の総量は向こうが上だろうし、撃ち続けてもしょうがなさそうだ。
よし、スラムの三人組相手にやった奴するか。
水晶壁内に新型魔力のナイフを5本作成し、操ってダークに攻撃する。
操作して、ダークシールドの間からダークに突き刺そうとする。
「んだ!?ちょこまかと!!」
ベキッ!
気づかれ、あっさり一本破壊された。
が、残り四本が背後からダークに突き刺さる。
「痛えエエエエ!!」
「点火ー」
バーン!
・・・威力が足りないか。
「そんなものがあああああ効くわけあるかあああああああ!
『最果ての彼方より顕れし混沌よ!我がn』くそがああああああああああああああ!!!」
なんか詠唱始めたので破片指してふっ飛ばしておく。
よし、水晶壁内なら詠唱妨害も簡単だぜ。
「仕留メテ来タゾ」
「お、鎧亜さん」
「鎧亜デ良イ、壁ヲ解除シテクレルカ?」
「おっけー点火」
ドゴンとダークごと周囲の水晶壁が吹っ飛ぶ。
「ぎにやああああああ」
酷い悲鳴だ・・・。
「『タックル』」
そしてそのまま鎧亜が爆風の中に突進。
「『グラビス・マレオ』」
天高く粉塵が舞った。
ダーク、弱かったな・・・。
暫くすると霧が晴れた。
「界人ー」
「お、えぐっちゃん、無事だったんだ」
「あはは、余裕だったよ」
「今回の四天王超弱かったな」
「うん、でも逃げられちゃった」
まじか。えぐっちゃんなら逃げる間もなく最初の大技で決めそうな感じもするんだけど。
「皆さん、大丈夫ですかー!?」
「ん?」
遠くからやってきたのは魔法使い風の女性。
「どうやら倒せたようですね」
「いや、逃した」
「撃退出来たならよしとしましょう!あ、帝国目指しているんですよね?
報酬やお礼も兼ねて案内してもよろしいでしょうか?」
「ん、問題ないよね?」
大丈夫だ、問題ない。
その後彼女のPTメンバーと合流して、歩きだす。
彼女らは飛べないから行軍が遅い・・・。
そんなわけで、飛んでった方が楽だから途中から新型魔力の空飛ぶ絨毯みたいなので移動した。
ちなみに新型魔力については黙ってくれると言ってくれた。
別に隠すようなものでもないけどね。
そして、暫くすると黒い壁が見えてきた。
ダーク君はちゃんと再登場します。
F○15買った人はいらっしゃいますか!?
超ハイパー面白いので皆さん買いましょう、バグも一回もありませんでしたし(ダイマ)
でもって突然ですがこの小説を友人に広めましょう!(宣伝喚起)
あ、紹介する友人がいないのか・・・!(現実)
無駄に括弧が使いたかっただけです




