風邪ひきました。怠いです。
「うへぇ…」
朝起きると体が怠い。
これは風邪ひいたな。
12月の日本海を舐めてたわ。
さすが玄界灘。
冬の寒さが身に染みるねぇ!
水族館で水を被ったけど、見事に風邪ですわ。
仕事は休みだな…。
こんな状態で仕事できるわけがない…。
職場のみんなに移しても悪いし、今日は病院行って寝てよ。
あれしきで風邪をひくとは…。
年は取りたくない…。
「23番でお待ちの樋口様」
「あい…」
先生に「風邪ですね」と風邪認定され、薬を貰いに薬局で待っている。
薬局は絵梨がいる薬局だ。
絵梨から連絡がきており、風邪と伝えたところ、私のところにこいと言われた。
いつもと違う内科だったけど、先生もしっかり見てくれたし、問題はない。
なんで絵梨のいるところに来たのか…。
絵梨に弱みを見せたら後で絶対ネタにされるのに…。
熱とは俺の判断力を鈍らせるには十分みたいだ。
「このお薬が1日2回朝と晩で…」
絵梨が説明してくれているが頭がぽーっとして頭に入ってこない。
後で確認しよう…。
それにしても…。
「こちららは1日3回になりますので、毎食後に…」
仕事中の絵梨綺麗じゃん。
白衣が似合ってる。
見直したぜ。
「大丈夫?後でお見舞いに行くから」
「あい…」
絵梨が何か言ったような…。
俺にもう一度聞き直す力はない。
早く家に帰って寝たいんだ…。
ピンポーン。
「………」
ぶぶぶぶぶ。
「うるせぇ…」
『起きた?開けて』
「ほわっつ?」
『奏司の家に来たから開けてっていってるの』
インターホンとスマホの着信音で起こされた。
電話の相手先は絵梨だった。
寝ぼけて何を言っているか理解に時間がかかったが、俺に家の前にいるらしい。
マンションのオートロック開けて、玄関の鍵開けておけばいいか…。
「おじゃましまーす…。うわっ、奏司のくせに部屋が綺麗」
「………」
「電気付けるね。スイッチどこ?」
「…ここ」
絵梨が俺の部屋にいる。
なんで?
ああ、俺が入れたのか。
電気なら俺の枕元にリモコンあるからちょっと待ってくれ…。
「部屋の中も綺麗になってるのね。大丈夫?」
「…大丈夫に見えるか?」
「ごめんね。私があんなことしなきゃ…」
「絵梨のせいじゃない…」
枕元に絵梨がいる感じがする。
蛍光灯が眩しいんだよ…。
「ご飯は?」
「…10秒チャージ食べた」
「それはご飯じゃないでしょ…」
10秒チャージのゼリー飲料を食べたから問題ないだろ。
10秒でチャージできる優れものだぞ。
「はい。起きれる?」
「ん…」
絵梨が動き回ってると思ったらお粥作ってくれてたのか。
ありがてぇ…。
一人暮らしで風邪ひくと飯の準備がツラいから助かる。
「はい、薬ね」
「さんきゅ…」
絵梨にお世話される俺。
要介護の俺には絵梨が天使に見える。
助かるわぁ…。
「はい、シート張って寝るよ。寒くない?」
「…寒くない」
絵梨がテキパキと俺の世話をしてくれる。
薬剤師ってこんなこともできるのか。
いや、絵梨だからできるだけか。
「俺んとこに来てると…彼氏に…怒られるぞ…」
「彼氏なんていませんよー」
「そっかぁ…。俺はさしずめ…彼氏ができたときの…練習台か…」
「そうじゃないし…。どうも思ってない男のところに看病しに来ると思うの?」
「…ねぇな」
「…そういうことだから」
「…おぅ」
へぇ…そうなのか。
よく分からんけどそういうことなのか。
あー…、熱で頭回らん…。
ごめん…寝るわ。
鍵は絵梨が持っといてくれ…。
今度返してくれりゃいいからよー…。




