星の様な
「あそこはきっと大丈夫っす。」
「うん。」
「しかし、髪型で性格って変わるもんすね。自分も切ってみようかっす。」
自分の髪の毛をいじりながら、ダムキナは呟いた。
「ダムキナはそのままの方がいいよ。夜空みたいで綺麗だよ。」
ダムキナの髪はとても綺麗だ。黒に近い青色をしているが、暗い時、微かな光に照らされると、キラキラと光の粒の様な模様が出る。その時、ダムキナの髪には瞬く星空が現れる様だ。
「そうっすか。このままで良いっすか。」
ダムキナは宙を見上げる。
「自分、孤児だったんす。魔物の昼御飯になりそうになってた所を先輩に拾われたんす。」
「へえ、良い話だね。」
「メメさん、本当人変わったんすか。」
メメさん…何だか気恥ずかしい気持ちになるが、本名のメメント・モリ(死を忘れるな)よりはましだと思った。
「ギュム…」
「どあ!どうしたんすか!」
「何となくハグ。」
『いーなー。』
ズキンとした重い頭痛と一緒に、局長の声が聞こえて来る。
『局長、いきなりは無しですよ。わたくしが交信苦手な事知っているでしょう。』
『ごめんね。急ぎだったから。』
『どういう事です?』
『ちょっと問題が起こってね、一度魔界に戻って来て欲しいの。それと…』
『はい…』
『その子そろそろ危ないよ…』
あれ?
「ふええ〜」
ちょっと長すぎたかも。のぼせちゃったかな。魔族の平均体温は43度だっけ?
「はあ、今、何かもごもご言ってたっすか?」
「ちょっと。用事が出来たみたい。ごめんなさい、直ぐ戻るから。」
「ええ!?ちょっとそんな急に…。」
ダムキナの頭をそっと触る。髪の毛から微かな体温が伝わってくる。
「良いっす。直ぐに来てくださいっす。」
「うん。」
足元から少しずつ魔法陣が広がっていく。私の身体が魔法陣からの光に包まれる。
「それじゃ…」
「よっと。」
魔法陣が作動し、私は故郷に飛ばされる。さて、今度は何だろうか。またペンドラさんのぬいぐるみ探しだろうか。
「ひょえ〜此処が魔物の世界っすか。思ってたのと結構違うもんすね。」
「ここは魔物と言うか魔族の世か…だ…ダムキナ!?」
「やっぱ一人は不安っす。寂しいっす。一緒が良いっす。」
困ったぞ…早く何とかしないと…地上よりここは空気が少なく気圧も低いため、放っておくと高山病まっしぐらだ。
「うう…何だか気分が悪く…」
「チュ」
私の肺活量には限界がある。早く何とか方法を考えないと…そうだ、彼処なら。
「ちょっと息止めめて。」
ダムキナは多分訳の分かっていないが返事をする。
「タッタッタッタッタッ!」
ちょっとした植物園の様になっているペンドラさんの部屋だ。さて、この植物の中に確かあったはず。
「あった。これ噛んで。」
オーセマドニウムの花弁だ。これに含まれる酸素で数週間は大丈夫だ。
「ごめんなさいっす。迷惑かけちゃったっす。」
「良いよ良いよ。私だって本当は一人何にしたく無かったもん。」
「ギュム…」
「何してるの?ダムキナ?」
「何となくハグっす。落ち着くっすね。これ。」
ふと、背後から物音。
「あ…ああ…」
「ぺ…ペンドラさん!?」
「えっと…お姉ちゃんが探してたけど…その…邪魔だったかな…?」
「そんな事無いですよ!」
しばらくは面倒臭そうな予感がする。




