無題
大きな銃を手渡されて、ちょっと離れた丘に飛ばされちゃったっす。眼下では、メメさんと先輩が戦ってるっす。一体どうすれば良いんすか…教えて欲しいっす…
「スー…ハー…」
深呼吸を一つして、銃のスコープを覗くっす。そこにはやっぱり、化け物になっちゃった先輩と。先輩と戦ってるメメさんが見えるっす。まずメメさんに銃口を向けてみるっす。メメさんは古城で捕まえた魔族さんで…色んなことを教えてくれて…メメさんは、絶対いい人っす。人じゃなくても、いい人っす。
「先輩…」
先輩に銃口を向けてみるっす。先輩は…命の恩人で…今はあんなっすけど、ほんとはいい人っす。もしかしたら元に戻せるかもしれないんす…。でも…。
「あああああ!出来ないっす!」
どっちも殺せないっす!でもどっちか選ばないっとす…。じゃないと…このままじゃ…。
「グオオオオ!」
「ひ!」
気づくと、後ろにはあの黒燐の獣が現れていたっす。絶体絶命っす!
「キイイイイイン!」
獣の口元に大きなエネルギーの塊が現れるっす。消し炭にするみたいっす。もうダメかもっす…
「シャキン!」
…大きくて黒い板が、獣の攻撃を阻んだっす。
「先輩…?」
「ウワアアアアアアア!」
先輩が、剣をこっちに放り投げたっす。剣は獣の頭に直撃して、獣は怯んで空間の穴に逃げていったっす。
「…先輩…。」
銃口を向け、狙いを定めて、引き金を引くっす。見事に命中して、辺りにはバラバラに砕けた黒燐が残ったっす。…先輩、今までどうもっす…薄情なダムキナを許して欲しいっす…。




