↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
追放された副隊長は、人と竜が憎み合う世界で“共に生きる国”を築く ~剣より対話を選んだ最強の軍師は、やがて魔王と呼ばれる~  作者: 竜太郎


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
142/337

届かない文

和平文書は王宮へ運ばれず、異端文書の箱へ入れられた。ミレアはせめて封蝋と署名を確認するよう求めたが、審問官は魔族の文字に意味はないと言う。読まないことを選んだ者に、内容の真偽を問う資格はなかった。


聖光教の教えでは、魔族は言葉をまねるだけの獣とされる。だから使節が何を話しても、理解できるという事実そのものが教義への脅威になった。


使節団の誰も、自分たちの死を英雄譚にするため来たのではない。家へ帰り、航海の失敗を笑い、次の荷を相談するつもりだった。その当たり前の予定が、教義の都合だけで奪われていく。


港で荷を扱った者たちは、使節が誰一人として威嚇しなかったことを見ている。命じられた説明と自分の目が食い違い、その違和感はまだ小さな声で交わされた。


鐘の音は町中へ届いたが、同じ意味では聞かれなかった。救いの合図と思う者、命令と受け取る者、初めて恐ろしいと感じる者がいた。


港の風は白布を揺らし、その向こうで教会の旗も同じ風を受けていた。旗が違っても、空まで二つに分かれてはいない。


記録する者は、見たことと命じられた説明を別々の頁へ書いた。その小さな区別が、後に真実を選び直す場所になる。


祈る者のすべてが処罰を望んだわけではない。声を上げられない者の沈黙まで、教会は賛同として数えていた。


港の風は白布を揺らし、その向こうで教会の旗も同じ風を受けていた。旗が違っても、空まで二つに分かれてはいない。


記録する者は、見たことと命じられた説明を別々の頁へ書いた。その小さな区別が、後に真実を選び直す場所になる。


祈る者のすべてが処罰を望んだわけではない。声を上げられない者の沈黙まで、教会は賛同として数えていた。


(本文実測:697字)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。