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私は結婚前から邪魔者だったのね!?お金以外は必要とされなかった妻でしたが、貧乏男爵家の再興が私の運命でした——そして嫁ぎ先は王家になりました  作者: 西野 歌夏
第4章:深紅の季節——9月3日

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62.イーサンSide——待ちきれない

 信じられない。

 今日、信じられない幸運がやってきた。


 ずっとずっと、俺はアーニャを求めていた。


 キャロラインには悪いことをした。

 離縁は当然だ。


 今では、離縁を通告したトマス・シーブルックには感謝している。


 それがなければ、今の幸運はありえないのだから。


 アーニャが没落したホーソーン家を建て直すのを見て、俺も心を入れ替えた。ハロウゲイトに弟子入りを志願して、貴族の力を応用しながら、商売をする方法を学んで実践した。


 まぁ、少しばかり危ない橋も渡った。


 だが、仕方がない。

 自力で財政破綻を食い止めるしかなかった。

 アーニャに振り向いて欲しかったから、俺は頑張った。


 俺が頑張っていることをアーニャに示すには、黙って黙々と家を建てなおすしかないのだから。


 だから、ハロウゲイト失脚の資料をアーニャに渡した。王子殿下が王妃様が陥れた証拠を探しているのは噂で知っていた。アーニャとハロウゲイトが手を組んだ時点で、アーニャの目的は証拠を探すことだと分かっていた。


 ハロウゲイトを売れば、自分の後ろ盾も消える。

 それでも良かった。

 アーニャの望みを叶えられるなら、それでよかった。



 今朝、うちにアーニャ・ホーソーンがやってきたと聞いて、小躍りするほど俺は喜んだ。


 ついに、俺の気持ちが分かってくれたのだろう。



 あぁ、3年ぶりだった。

 キスも3年ぶり、あんなことも、こんなことも、信じられないほどの愛を持ってアーニャとの逢瀬を楽しんだ。


 3年前より、俺の気持ちが深くなったからか、泣きたほどの幸せを感じた。


 俺は、ようやく人生を取り戻せた気がした。

 これを幸運と言わずして、何を幸運というのだ。


 俺とたっぷり楽しんだ後、また午後のお茶の時間にくると言って、アーニャは帰って行った。


 あぁ、待ちきれない。


 でも、なぜ今になってキャロラインも呼ぶというのかが分からない。

 キャロラインは仮にも俺の元妻だ。


 昔の幼馴染だからと言っても、色々ありすぎた。

 キャロラインだって戸惑っているに違いない。

 


 アーニャが王子殿下と婚約したという噂は聞こえてこなかった。


 王子殿下は振られたってことだ。

 


 ああ、待ちきれないぞ。

 表まで迎えに行こう。

 もうすぐお昼の2時30分になる。

 

 家令たちにもメイドにも、張り切って準備をするように伝えた。

 

 最愛の人が、3年ぶりに俺の元に帰ってきてくれた。


 通りに飛び出して行ってでも出迎えたいぐらいだ。



「あっ!アーニャだ」


 ほら、いわんこっちゃない。

 こんな馬車の往来の激しい通りで、あんな綺麗で可憐なレディが渡れるわけがない。


 馬車で来なかったのか?



「おーい!アーニャ!」

 


 俺は通りに足を踏み出した。




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