表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
執事一家の次男に転生したので、全力でお姫様に尽くしたいと思います。  作者: 比津磁界


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/17

第3話:【日常】寝起きの攻防と、密着のダンスレッスン

お読みいただきありがとうございます!

第2話での「頭なでなで」から一夜明け、アルフレッドはさらなる試練——「お姫様のモーニングルーティン」に挑みます。

朝の無防備なリリアーヌ様と、密着度の高いダンスレッスン。

アルの理性は、果たして今回も耐えきれるのでしょうか?

専属執事としての二日目。俺は朝から最大の試練に直面していた。

それは、お姫様を起こすこと。

マーサさん曰く「朝だけは別人」という忠告を胸に、俺は静かに寝室の扉を開けた。


「リリアーヌ様、おはようございます。お目覚めの時間ですよ」


カーテンの隙間から差し込む朝日。

そこには、普段の凛とした姿からは想像もつかない光景があった。

プラチナブロンドの髪は芸術的なほどに乱れ、リリアーヌ様は抱き枕のようにシーツをぎゅっと巻き込んで、むにゃむにゃと夢の中にいた。


(……尊い。寝癖すらもはや後光が差して見える。だが、起こさねば……!)


俺がベッドの傍らに膝をつき、そっと肩を揺すった、その時だった。


「……んぅ……アル……待って、た……」


リリアーヌ様の細い腕が、俺の首筋に回された。そのまま驚くべき力で引き寄せられ、俺の視界は一気に真っ白なシーツ……もとい、お姫様の香りに包まれた。


(ちょ、まっ……!? 理性が! 俺の理性がホワイトアウトしそうだ!!)


ゼロ距離で感じる彼女の体温と、寝ぼけた甘い声。

前世のオタク知識が「これはラッキースケベという名の聖域だ」と叫ぶが、今の俺は完璧な執事だ。

俺は心の中で般若心経を唱えながら、鉄の意志で彼女の肩を優しく、かつしっかりと支えた。


「リリアーヌ様。……起きてください。朝食の時間が遅れてしまいますよ」


数秒後。ようやく焦点が合った彼女の蒼い瞳が、目の前にある俺の顔を捉えた。


「…………え? ……あ、アル……? ……あぁぁぁあああ!!!」


我に返ったリリアーヌ様は、爆発したかのように顔を真っ赤にして飛び退いた。


「ご、ごめんなさいアル! 今のは違うの、夢の中でアルが遠くに行っちゃいそうで、行かないでって……あぁ、もう! 忘れてぇー!」


「承知いたしました。……ただ、大変可愛らしい寝癖でしたよ」


「もう! 追い打ちかけないでっ!」


頭を抱えてベッドの中で転がる彼女を見て、俺は口元の緩みを必死に抑えた。


優雅な朝食、そして高鳴る鼓動

騒がしい朝を終え、お着替えの補助に入る。

下着の管理こそ彼女自身だが、仕上げのアクセサリーを選んだり、跪いて靴を履かせたりするのは執事の仕事だ。


「……アル、さっきのこと、怒ってない……?」


朝食の席で、リリアーヌ様が不安そうに上目遣いで尋ねてくる。


「怒るなど滅相もございません。むしろ、それほどまでに私を信頼してくださっているのだと、光栄に思っております」


「……信頼、だけじゃないんだけどな……」


彼女が小さな声で何かを呟いたが、俺は聞こえないフリをした。深追いしたら、俺の心臓が爆発するからだ。


午後は、近々開かれる夜会に向けてのダンスレッスンだった。

家庭教師の先生が、リリアーヌ様のステップを見て首を傾げる。


「お姫様、少し肩に力が入りすぎていますわ。……アルフレッド、貴方がお相手をしなさい。執事の嗜みとして、心得ているでしょう?」


「かしこまりました」


俺は一礼し、リリアーヌ様の前に立って手を差し出した。

彼女は震える手で俺の手を取り、ゆっくりと立ち上がる。


「……お手柔らかに、お願いします」


「お任せください。……失礼いたします」


彼女の細い腰に手を添えた瞬間、指先から彼女の緊張が伝わってきた。

音楽が始まり、俺たちはゆっくりとステップを踏み出す。

至近距離で重なる視線。彼女の長い睫毛が揺れ、甘い香りが鼻をくすぐる。


(……やばい。これ、俺が教える側なのに、俺の方が緊張してないか?)


「アル……。心臓の音、すごく速い……」


「……リリアーヌ様こそ。耳まで赤くなっていますよ」


「……貴方のせいよ……ばか」


そんな甘い毒を吐かれ、俺の心臓はさらに加速した。

ダンスという名目のおかげで、公然と「推し」に触れられる特権。

だが、その代償として俺の理性が削られていくのを感じる。


レッスンが終わる頃、先生が「素晴らしいコンビネーションですわ!」と拍手を送ったが、彼女はなかなか手を離さなかった。

リリアーヌ様は、俺の手をそっと握りしめたまま、潤んだ瞳でこちらを見上げてきた。


「アル……。……また、練習に付き合ってくれる?」


その囁きに、俺は深く頭を下げることしかできなかった。

今夜も、長い夜になりそうだ。

第3話、いかがでしたでしょうか。

朝のベッドでのハプニング……。リリアーヌ様の「ガンガン行きます」宣言が、無自覚な形でも発動していましたね(笑)。

そしてダンスレッスン。執事とお姫様という関係だからこそ許される至近距離。

アルは「主として守る」と自分に言い聞かせていますが、リリアーヌ様の「ばか」という一言で、すでに陥落寸前な気がします。

続きが気になると思ってくださった方は、ぜひブックマークや下の【☆☆☆☆☆】で応援をいただけますと嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ