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危うい龍・真太&イヅ~生まれ変わっても第4部   作者: 龍冶


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第16話

 皆で居間になだれ込んでみて、真太はやはり烈やロバート達が居ないのが分かった。それから、誰ともなしに聞いてみる。

「あれ、あいつらどうなったかな」

 由佳が何故か小声で、

「あの女の人に連れられて、行っちゃった。真太、あの女の人達、人じゃないでしょ。ミックスじゃなくて本物の龍でしょ。パパみたいに歳とって無いけど」

「おやおや、由佳はもうパパを年寄り扱いか、よぼよぼ帰ってきたからな。がっくり」

 アボパパが茶化すが無視した由佳は、また小声で、

「ナイラ川で水遊びだって、何だか面白そうだと思ったけど、人間の方の皆は嫌そうにしていたのよね」

「由佳も千佳も、どこかの龍にそんな風に誘われても、ついて行くんじゃないぞ」

 相手にされなくてもアボパパは叫ぶ。

「どうしてよ」

 千佳が一応聞いてみる。回答は知っていそうだ。

「たぶん、もうパパやママの所には帰って来ないだろうな。面白過ぎて」

 パパはしみじみ言うが、思っていた事と違う気がした千佳は、

「結婚するんじゃなかったの」

「分かっているのに聞いたのか・・・。ママ、ご飯まだ。疲れちまったからご飯食べて寝たい」

「はいはい」

 二人が台所に言ったので、千佳は、

「真太、アバさんやイダさんは死んだの」

「死んだ。銃の弾丸に毒が塗ってあったから。動きが悪くなって軍隊の大砲にも当たって、それにも毒が塗ってあったそうだ」

「それ、思うんだけど、研究者たちに出来るかな。警察や軍隊にも仲間が居るって事でしょ。USBBがそういうのを見過ごすかな。政府の中に、魔物に取りつかれた奴が、居るんじゃない」

「千佳、利口だな」

「それ、周知の事実なの。そんなところに真太、入り込めるかな。警備が厳しいでしょ。御神刀用意しているみたいだけど」

 すると、由佳が口を挟んだ。

「入り込めるよ。もうすぐアビが来るもん」

 一応、驚くふりの千佳。そして、

「由佳はね、最近、そういう事が分かるんだって。予知か透視か知らないけどね。100点ばっかり取ると、不自然だからって忠告するんだけどね。どう思う。真太」

「どうかな、翼は100点ばっかりだったから。先生も慣れてんじゃないかな。不自然とか感じないかも」

「ふうん、そうなんだ。でも実力じゃないよ。きっと」

 千佳は心配するが、

「だけど、もうばれる事は無いんじゃないかな。ずうっとそうなるから」

 真太は気にすることは無いさと思った。0点ばかりの自分が点数など気にして居なかったんだから。千佳は何を心配しているのやら。

 だがすぐ、真太はその心配の理由を悟った、ヘラリと笑う由佳を見て。利口そうには見えないのだ。不自然と言えるかもしれない。


 そこへ由佳の予告どおり、珍しい龍神が現れた、アビである。しばらく会わないうちに、少し印象が違って見えた。前より痩せて、気の所為か利口そうでもある。

「やあ、みんな、久しぶりだな。元気そうじゃないか。あ、アボを除いてだな、やはり。だけど、アバやイダに比べると、全くダメージが違うな。毒に慣れている感がある。以前の毒ダメージを乗り越えてきた所為だろう」

 一人、感想をうだうだと述べているが、一体何の目的があってやって来たのだろうか。

 とうとう由佳がしゃべり出す。

「アビ、何の用で来たのか、もうそろそろ言ったら。皆気になっているのよ」

「ああ、そうだね、由佳ちゃん。でもアボさんの食事が終わってから一度に話したいんだ」

「パパ、耳が良く聞こえるから分かると思うけど」

 台所からアボパパが叫んだ。

「由佳、パパは毒にやられて、耳の聞こえは悪くなったよ」

「由佳の言った事、聞こえたくせに・・・」

 アビは、

「お元気そうな張りのある声だと思わないか、真太。毒のダメージは全く無いとまでは言えないが、あまり影響は無さそうだな」

「そうだね、で、何の用なの」

「まぁね、アボさんはさほどと言えるが、アバとイダがこれほどダメージを食らうとは意外だったな」

「へぇ、そうなんだ。アビの予想じゃどうだったの」

「かなり弱って、寝たきりみたいな感じかな。そもそも、あいつ等が造るものが、それほど上手い出来とは思わなかったな」

「ふうん、あいつらって、どいつらの事、誰だか知っているんだよね」

「そりゃあ知っているさ。USBBのテレビはこっちには電波は届かないらしいね。誰の仕業だったのかって。USBBに居る人間はテレビを見て、今じゃ、あの研究者夫婦の名を知らない人は居ないんじゃないかな」

「へぇ、で、用件は何」

「相変わらず腹の立つ奴ではあるが、実力は俺と拮抗しているからな。頼み事もあるし、今日は折れておこう」

「あのう、これは言っちゃぁいけない事かもしれないけど。アビの記憶力は危険な状況になっていないかな」

「え、あの時、俺が勝ったんだったかな、何かやり合った気がするが」

「だから、俺が勝っているんだってば。拮抗してない。俺の勝ち。圧倒的にな(アビの記憶が無いと知り少し盛る)」

「・・・」

 アビが呆然となった所に、やっと食事を済ませたアボがやって来て、

「食ったら眠くなってきている。話は手短にね、アビ。あれっ、どうした、具合でも悪くなったか」

「パパ、アビは頭の具合が悪いらしいな、それに、何の用か言わないんだ。忘れたのかな」

「そろってから話すと言ったろうがっ。・・・ところでアボさん。今日の一件不審に思われなかったですか。あんなにあっさりアバが殺されるのは。ほとんど反撃していないですよね」

「そうだな、妙だとは感じたが」

「実は魔物達がUSBBの至る所に蔓延ってしまっているのです。そしてその中の一匹が母を、レディ・ナイラを人質にして、龍神をこの星から一掃してしまうつもりなのです」

「何だと、俺は聞いていないぞ、そんな話は」

「そうらしいですね。アバは、アボさん一家が頼みの綱で、出来るだけ関わらせないようにしていましたから。失礼ですが、アボさんは以前の戦いで、毒にやられてしまったような見かけで、脅威とみなされていません。それに人間との間に生まれた真太は、少し足りないという報告になっています。げほっ」

 真太にボコボコにされかかったアビであるが、アボが何とかやめさせた。

「ちゃんと学校の成績とか調べているんだから、事実でしょう。あの成績が偽物で、分かっているけど0点になる様に回答したんですかね。違う?マジですか、じゃあ僕に当たり散らすのはお門違いってもんです。そうですよね、千佳さん。同意を得ましたし、次、行きますから。母、レディ・ナイラは、先日、ナイラ川に行こうと庭に出て、辺りの気を吸って移動のパワーを得ようとしたんです。毎月のルーティンの様なものです。大きく口を開けた時、毒を入れたカプセルを何者かが、口の中に放り込んだのです。母の行動を知っていて、隠れてそのチャンスを待っていたようです。

 それで、母は驚いて、誤って飲んでしまいました。そのカプセルは丈夫だし、魔力で胃の中に留まっているそうです。カプセルは魔力の有る者が破壊しない限りは、その中の毒は出て来ませんが、犯人は未だ不明で、全くのお手上げ状態です。母は人質的な者になってしまいました。そしてそれを知っている主だったUSBBの関係者は、その犯人の言いなりになるしかなくなりました。お手上げ状態と言えども、母の今の夫USBB大統領は魔物の言う事を聞いているように見せて、反撃に出るアイデアを思いつきました。以前、北の極みの尊が存命の時、母の個人的ボディガードになっていたそうですね。要人に個人的ボディガードを付ける事はよくあるので、不自然な事ではないです。特にレディ・ナイラが大統領と別行動の場合は必要になります。もう分かりましたよね、真太。相手は真太を軽く見ていて、油断していますから大統領はチャンスは有ると思っています。真太もそう思ったようですね。あ、思っていない人も居ますね。とにかく、それをお願いしに来ました。亡くなったアバも真太に期待して居たようです。アマズンの龍は、アバに忠実な龍が多いですから、アバの元妻の命が狙われていると知ってしまえば、魔物と戦う事は出来ないです。このままではナイラの龍神もアマズンの龍神も滅びの道を進むことになります。この事を計画したトップの魔物は、次期大統領候補に近づいて取り付き、次の大統領になる事を企んでいます。それも阻止しなければなりません。と言う訳でメディアで、大統領夫人が個人的ボディガードを雇う事になって募集する、という話題が出ると思います。応募してください真太。必ず受かるようにしますから」

「OK、俺、応募するから。良いだろパパ」

「よかぁないよう。真太は利口じゃない。自覚して家に居てくれよ」

「自覚は無いけど。出来そうな気がするんだ。皆で止めても行くよ」

 その時、千佳が叫んだ。

「わかったっ。このアビは偽物だ。真太を大統領の家に呼んで、殺す気だ。この前、真太に負けたことも覚えていなかった、というより知らなかったんだ」

 だが、由佳は、

「このアビ、本物だよ、千佳。言っておくけど」

「真太、他所の国の事に首を突っ込まなくても、まだまだ日の国にだって活躍の場は有りそうだから、ねっ」

 ママも真太にすがりついたのだった。

 だが、真太としては、

「アビ、ナイラに真太はそのうち行くからって、言っておいても良いからね」


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