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危うい龍・真太&イヅ~生まれ変わっても第4部   作者: 龍冶


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第15話

 真太はイヅから聞いてアボパパの居所が分かっていたので、瞬間移動で研究所のとある場所に行ってみた。研究所内は、死体の山になっていた。しかしパパが御神刀を手にして倒れている場所は、どうやら研究所長室らしかったが、そこには倒れているアボ以外は、誰もいなかった。

『パパしっかりしてよ。ママとの約束、破らないでね』

『真太、その話題はよせ。ただでさえ気分が悪いのに、俺を責め殺す気か。あー、のこのこどうしてやって来たかな。シンに頼んでいたのに』

「もう片付いて俺が来ても危険は無さそうだったよ。皆はシンが神の使いだって思って、シンが説明した事信じているよ」

「あー、愚か者共。信じているだとー、シンで納得するんだったら、全部奴に丸投げしてやればよかった」

「そうも行かないんじゃないかな。日の国の事件じゃ無いだろ。ほら、パパ薬だ」

「あほう、俺はまだ生きているだろうがっ」

「え、どういう事」

「考えたんだが、その烈の居る島の薬は、死んだ霊獣、怨霊龍だな。そいつが毒で霊魂が傷ついた時に効く薬だ」

「そう言えばそんな事烈が言っていたっけ」

「そうだろうな、だが、もしかしたらそれを使う事があるかもしれん。無くさず持っていろよ」

「パパの言い方は、死に目の遺言を言っているように聞こえるけど、まだ生きるつもりって事で良いんだよね」

「当たり前だ。香奈ママに叱られそうで、死にきれないんだ。今の状態は棺桶から片足出している感じだな」

「蓋が閉まらないように?無駄口言っているくらいだから、半身入っているってとこだろ」

「あー、もうこっちは良いから、イヅの手伝いでもしろ。俺はもう少し転がって居たい」

「えーと、そうだった。ところで本物の御神刀は無いの」

「隠しておいたが、お前が持つか?最近抜かりのない事を言うようになったな」

 そう言って、アボパパは何処からか御神刀を出してきた。御神刀が飛んで来たので、それを持って真太は抜かりなくイヅの所へ行った。

 この事件、首謀者が居ないはずはない。


 イヅの所へ行ってみると、イヅは今到着したばかりで、イダパパを見ながら涙に暮れていた。

「イヅ、残念だったね。アボパパがシンに丸投げしておけばよかったって言っていたけど、研究者は日の国の人間じゃないし」

「うん、シンが来て皆に説明してくれただけでも良かったよ。全く、大人の龍なのに僕や真太と似たような事しかしないんだから。仕方ないよ」

 イヅは、手厳しい意見を言った。

「なるほど、この国のトップにでも状況を言えば良かったんだろうな。でも、イヅは分かっているかどうか知らないけど、大統領とアバとは何と言うか、レディ・ナイラを巡って気まずい関係と言うかな。そういう事情だからね。本龍のアバは仕方ないとしても、イヅとしては、イダパパは死に損って思えるかも。残念だったね。じゃあ、次はイヅがトップに立って、筋の通った龍神界にしたら?」

 その言いように、イヅは真太をじろっと見て、

「お前もどさくさに紛れて、自分の都合のいい事、言うようになったよな」

 大変なお怒りと分かった真太、慌てて、

「違う、違う、誤解するなよ。次のトップが誰になるにしても、龍神界の重鎮が認めないとね」

「皆、真太がふさわしいって言っているらしいよ。この前言われなかった?」

「そうだったかな。でもすぐバカに任せられないって分かるよ」

「そうなると、そこそこ、馬鹿じゃないのはアビだろうね」

「そうかもね」

「今回だって、レディ・ナイラに止められて、助太刀とかしなかったね。真太みたいにぐるぐる巻きにされなくて、自由に動き回れていたけどね」

「なるほど。それは利口者と言えるな。アビで決まりじゃないかな」

「そういう事で、僕たちは今までどおりの付き合いでお願いします」

「何だよ、やけに改まるな。じゃ、さっきの事は水に流して、無かった事にしような」

 真太は先ほどの自分の失言に我ながらひやっとしたが、何とか収まってほっとしたのだった。

 それにしても、イヅの言う通り、アバはどうして結果的に自殺行為の様な行動に出たのだろうか。

 そして、首謀者は何処に居るのだろうか。



 真太はアバとイダパパの遺体を運んだあと、イヅと別れて次はアボパパを家に連れ帰る事にした。

 近くまで来て、パパをそっと地面に降ろすと、家の玄関に向かった。

「おや、今日は玄関から入らせてもらうか」

「ちょっと、居間の様子が知りたいんだ」

「ふふ、ママと千佳由佳しかいないぞ。聞いたなら教えてやったのに」

 真太達が玄関を開ける前に皆は家から飛び出て来て、

「パパお帰りなさい」「生きてて良かった」「もう危ない事は止めてよ」

 大騒ぎとなって、

「おいおい、近所の目がある。中へ入ろう」

 パパは焦って辺りを見回した。

「騒がしい家って評判はきっちりあるけどね」


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