57.ドラマ鑑賞
なんかのBGMと声が聞こえる。これはドラマか?
俺は目を覚まして、左腕を支えにして、上半身だけ起き上がらせた。
「また、ドラマを見ていたのか?」
「静かにしなさい」
アズはテーブルに座って、ウィンドウを目の前に表示させながら、ドラマを見ている。ウィンドウの両隣に丸いスピーカーが浮いてる。
ファミレスを出た後、事務所の手続きを済ませて、本格的に活動出来るようになった。アズはある手段を用意て、手続きを普通の人よりも早く終わらせた。
その後、お金は無かったが、生活に必要な家具などを買った。
そこで、ベッドを買うことになった訳だが、ここで問題が起きた。
アズは自分の部屋に置くための、シングルベッドを買った訳だが、もちろん俺もシングルベッドが欲しい訳だがら、同じようにシングルベッドを買おうとしたら、アズに止められた。
「貴方の寝ているところはリビングでしょ? ベッドだと、邪魔だから、折りたためるソファーベッドにしなさい」
と言われ、家主は一応アズなので、逆らうことができなく、仕方なくソファーベッドを買うことになった。俺の私生活に関わる大きな問題だった。
他にも、アズが「もっと買いたいものがあるわ」と言うものだから、めんどくさくなった俺は、買い物サイトのログインパスワードを教えたら、スピーカーやら欲しいものを買うようになった。
ちなみに、事務所自体は始まったが、依頼がまだない。そもそも、誰も来ていない。理由が不明だ。
「今日は事務所行くのか?」
アズが動画を止めて俺の方を向いた。
「今日は行かないわ。今見ているドラマの無料視聴が今日までなの」
「無料視聴?」
「なんでわからなの、私達は今金欠なんだから、有料会員に入れないでしょ、だから無料で見るしかないのよ」
「なるほど、お金を払ったらいつでも見れるということか……」
配信サイトで何かを見ることがあまりないから、そういうのはあまり詳しくないんだよな。
そういえば、昔のドラマは完成度高かったが、今は国内のみの制作だから、クオリティは低いと聞いたことがある。というか、支配者はドラマとか興味がないらしい、その為だろうか、あまり関わっていない聞いたことがある。今この国は支配者が関わっている事業だけが伸びている状態だ。逆にアニメ系はわりと技術力が上がっている。と言うよりも、給料が良いらしい。だから、戦闘ができない人はアニメーターを目指す人もいるらしい。もしかして、支配者はアニメ好きなのだろうか、まさかな……。
「貴方アニメと見ないの?」
「アニメ? あんま見たことないな。昔の日本で人気だったらしいから、有名な作品とかは調べたことはあるが……」
そもそも任務とかで、家に着くころは疲れてたから、家では情報を見たり、装備の点検とか、身体を休ませたりとかしかしてなかった。
「そうなの、なら私と一緒に見ましょ」
アズはウィンドウに表示されているドラマを指した。
「なんでだよ」
「丁度いいじゃない、私は今日はここから動きはないし、あ、このドラマジャンルは恋愛だから、それに内容的には初心者でも見やすい内容だと思うわ」
アズは見るからに頑固な性格をしているから、本当に動く気はないんだろうな。
というか、恋愛ドラマとか見るんだな。そういうところはわりと普通だったりするし、よく分からない。
「しょうがないから、一話から見るわ」
「途中からで、大丈夫だ」
「途中からなんて、良くないわ」
何話まで見て、あと何話あるだよ。
「期限は今日なんだろ、時間大丈夫なのか」
「休まないで見れば行けるわ、さぁ、ついてこれるかしら、この途方もない方舟に」
アズの隣の椅子を後ろに引き出してきた。とりあえず座る事にする。アズのを見ると、僅かに笑顔になった気がした。
「休憩なしとか、拷問かよ」
「なんか言ったかしら?」
「なんでもない」
39.40話にセリフと描写を追加しました。




