↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【スキル作成】最強になったので運び屋になります。  作者: 赤沼 夜
20XX年

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/60

58.セカイカン・セツメイ


  朝食を済まし、事務所に向かう準備を終えた。そのまま、玄関のドアを開けて、外に出た。


「そろそろ、車が欲しいところね」

「そんな、お金ないだろ?」

「松永の家にあるでしょ?」

「また、その話か……今は無理だ」


 そのまま階段を降りて、大通りに出た。


「多分、お腹がすくと思うわ。間食は必要だと思わないかしら?」

「言うて、事務所の近くにお店あるだろ? その時買えば良い」


 空を見ながら駅までの道を歩く。

 空は曇りで、薄暗い。

 雨が降りそうだ。


「今でも寒いのに、さらに寒くなるのね」

「そうだろうな。寒い苦手なのか?」

「真夏よりは好きよ。服装も冬の方が好き」

「まぁ、確かに、真夏最悪だな」


 改札口を通り、電車に乗る。

 電車は昔と大して変わっていない。ある意味、支配者に縛られていない業界とも言える。

 ガタンゴトンと電車が揺れている。窓の外を見ると、見慣れない景色が後ろに流れていく。

 この景色に慣れるか、見なくなるのかどっちかだな。アズ的には後者か。

 昔から変わらない電車、きっと昔の日本人も同じように景色を見たのだろうな。景色は全く違うだろうが。


「次よね」

「そうだな」


 次の駅が表示された。


「やっぱり」

「1つ前駅を覚えればいいだけだろ」

「つまんな人」

「……」


 つまらなくて悪かったな。


 電車を降りて、また徒歩。確かにめんどくさい。毎日やってれば慣れるとは思うが。


「というか、アズ、お前、手続きの時何を使ったんだ。それが依頼が来ない原因だと思うんだが」

「そんなに依頼はすぐに来ないわ、普通は多分……」

「とにかく、何を使ったのかだけ教えてくれ」

「簡単に言うわ。支配者に認証を貰って、速攻やって貰ったわ」

「支配者からに、認証? どうやってだ?」

「普通に電話して、認証してくれないって感じね」

「意味が分からないな。そもそも支配者は電話を使うんだな。そして、お前の支配者との関係は一体なんなんだ?」

「それは……聞かない約束でしょ」

「約束した覚えはないな」


 まさか、ホームページに支配者かの認証済みとか書いてないだろうな。

 松永事務所を検索して、確認してみる。

 書いてるな。


「もしかして、家に届いた物とかも電話したのか?」

「それは、してないわ」


 支配者と気楽に電話できる関係とか初めて聞いたな。そもそも、支配者の姿を見た人がいないのにな。まぁ、俺は見たらしいがな。

 支配者Ai説も出てるくらいなのにな。


「とりあえず、支配者がみんなにとってどんな存在なのか、もう一度考えた方がいい。支配者とは謎が多い存在で、逆らったら人生終わりって言われていてな。みんな恐怖していて、トラウマを持っている人は数多くいるわけだ」

「私だって、そう……認識は変わらないわ」

「まぁ、いいが。とりあえず、この支配者認証済みは消しておけよ」

「分かったわ……」


 アズがウィンドウを広げた。歩きながら、器用に操作している。

 そして、いつの間にか、事務所に到着していた。

 事務所のドアをCLOSEからOPENに変更した。

 ドアを開けると、チャリン、チャリンと音が鳴った。


「しかし、このチャリンチャリンってやつ、なかなか雰囲気が出るな」

「レトロな感じでいいわよね」


 荷物を奥の部屋の倉庫に置いて、ソファーに座った。


「とりあえず、依頼が来るまで、待機するしかないんだよな」

「そうなるわね」

「普通に暇だな」

「貴方がいたレイヴンシャフトはシフト管理するほど、依頼が来ていたから、暇なんて言葉は知らなかったのね」

「まぁ、そうだな」


 そこから数時間が経過した時、ついにその時が来た。

 

  チャリン、チャリンと事務所1階に鳴り響く。


「ついに来たか」


 そして、入ってきたのは……。


「なるほど、なるほど……ここが、新しくオープンした喫茶店だなぁーー」


 ドカドカと入ってきたのは、なにか勘違いしたおっさんだった。メガネをかけて、髭を生やした、白いTシャツにハーフパンツ、とてもラフな格好をしている。

 

「ここは喫茶店じゃないだが」

「なんだ……ここは喫茶店独特の匂いがしない、なんだここは……なんだ!?」

「ここは事務所だ。依頼がないなら出て行ってくれ」

「せっかく、雰囲気は喫茶店なのにな〜。コーヒーとか出すようになったら呼んでくれ〜」


 なんか言いながら、出ていった。


「なんだったのかしら今の」

「知らない」


 チャリン、チャリン、


「今度こそ」

「どうもわたし、セカイカン・セツメイでーす」

「なんだって?」

「今から世界観を説明していきまーす!」

「カット!!」


 ————


 チャリン、チャリン、


「次はまともなやつだろうな」

「そう、願うわ」

「どうもー、このメイが初の依頼をするー!!」


 現れたのは、マゼンタピンク色のツイテールの子供が現れた。


「依頼? お金はあるのか?」

「この制服が目に入らないの? 」


 制服を見てみると、俺はその制服に見覚えがあった。上流階級とかが通うお金持ちの学校だ。


「なるほど」

「今気づいたの、遅くない? お兄さんもしかして、ざーこお兄さん♡?」

「ざーこお兄さん?」

「ざこお兄さん♡」

「どういうことだ?」

「知らないのかしら」

「アズは知っているのか?」

「この口調はいわゆるメスガキ、ざぁこ系キャラと言われているわね。日本のアニメ作品とかにたまに出てきていた属性キャラね」

「そ、そうなのか。というか妙に詳しいな」

「おねーさん、ざこじゃないね」

「というか、ざこって雑魚って意味と変わらないよな」

「そうに決まってるじゃん。本当ざこざこなんだね」


 なんだコイツは、今ままで変なやつらとは関わった事があるが、こいつはまた別ベクトルに変わっているな。見るからに、親に甘やかされて育てられたようにしか見えない。


「まぁ、別にざこで構わないが、とりあえず、依頼内容はなんだ?」

「名前は聞かなくてもいいのー?」


 ニヤニヤとメスガキが上目遣いで俺の顔を見てくる。


「なら、名前を教えくれ、俺は松永だ」

「へー、やっぱり日本人なんだー。メイの名前はセカイカン・セツメイだよ〜♡」

「セカイカン・セツメイ?」

「メイで下げないで、セツとメイは少し間を開けて、メイの時は発音は上げて!」


 突然のマジギレ、そんに発音を間違えられた事が嫌だったのか。

 

「なら、メイいいだろ、メイで」

「うん、いいよー、ざこお兄さん、特別だからね〜」


 こいつ、その変な喋りで主導権でも握るつもりか。なんだか流されている気がする。あと、名前変じゃないか。なにが、世界観説明だよ。


「それで、メイ、依頼内容は」

「メイ……歴史を教えて欲しいのー」

「歴史?」

「そう、ママに、支配者が日本に侵略した後の歴史を教えてもらおうと思ったんだけど、丁度新しく日本人が事務所を作ったみたいだから、暇にしてそうだから、聞いてきなって言われたの〜」

「なるほど、歴史か……」

「ちゃーんと、報酬のお金も貰ってきた」


 メイはウィンドウを開いて、別枠に渡すお金を表示させていた。

 確かに、それがまるまる貰えるなら。普通にありがたい。しかも、歴史を説明するだけでなら、アリかもしれない。


「もちろん、お兄さんの知識がざこざこ♡で目も当てられなかったら報酬は削減だねー」

「それで良い」


 歴史なら、学校で学ぶとは思うが、こいつが求めているのは学校では教わらない事だろうな。わざわざ報酬を持って、ここに来るくらいだし。まぁ、俺は学校に行った事はないから、何を教えているかなんて知らないがな。

 

「ざこお兄さん、説明してよー」

「どっちがいいんだ。説明口調でひたすら話すか、語りかける感じか」

「うーん、どうしよっかなー、説明で」

「以外と真面目だな」

「まーね♡ メイは知識が増えるのは好きだからねー」


 俺はウィンドウを表示して、暇な時に作っていた資料を選択して、ウィンドウを大きくして、空中に表示させた。


「ザコお兄さん、これは何?」

「これはな。歴史をまとめたやつだ」

 

 手で資料を示しながら、下にスクロールした。


「暇な時に作っていのね。でも、そんなものをつくる時間があったなら、趣味に時間を使った方が人生楽しいと思うのだけど」


 アズは、驚いた顔をしたと思ったら、なんだか呆れたよう表情で、手を回している。

 

「そうかもな……ということで説明していく」

「本当にザコお兄さんにできるのかな?」


 流石に全て覚えているわけじゃないから、自分用にもうひとつウィンドウを表示させた。

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。