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【スキル作成】最強になったので運び屋になります。  作者: 赤沼 夜
20XX年

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54.事務所購入祝いには3度の爆発を

 ウィンドウを開いて、右上の時間を見ると、11時45分だった。

 

「もうすぐ昼になるけど、どうするんだ」

「まず、この家を買って、事務所を設立する為に手続きをするわ」

「もう買うのか? 不動産にでも行くのか?」

「何を言ってるのよ。家ぐらい買ったことあるでしょ。既に不動産には話付いているから、あとはお金この場で払うだけよ」


 いや、家を買った事があるからと言って、そこまで分からないだろ。と言いかけたがやめておく。

 

「相変わらず、なんか早いな」


 料金よ、と言いながから。アズがウィンドウを見せきた。そこに書かれている金額を見て、驚愕のあまり、目を大きく見開いた。


「高くないか……? アズから振り込まれたお金の7割ぐらい消し飛ぶんだが……?」

「未来への投資よ。ここ周辺の中では安い方なのよ」

「未来への投資ってことは、分からなくは無いんだが……」


 未来への投資、先程アズが俺に見せた紙を思い出した。元なんかの組織だった。特殊な工房がある。

 この2つがこの物件が高い理由なのかと考えたが、特殊な工房がある物件を普通は売らないだろうと仮定した場合、普通に駅から近く、家も敷地も広いから値段相応なのだろう。

 

 しかし、気になるのは、特殊な工房がどこにあるかだな。確かに工房自体は、外にあるが、売る前に工房の中も専門家が確認したはずだし、もしそれが特殊な工房だったらバレているハズだ。

 そうなると、なんか仕掛けがあって、普通の工房から変形して、特殊な工房になるとかだろうか。支配者の車(Uフォース)とか変形するみたいだし、可能性は無くはないよな。

 

「今松永の銀行にあるだけで、松永のお金ではないでしょう?」

「まぁ、そうなんだが……と話は変わるが、車を置ける所はあるのか?」

「話が変わりすぎよ……地下はないけど、屋上に置けるわ」


 アズがジト目で俺を見てきた。

 

「まあ、家を買っただけで、もう残高がないし、車なんていつ買うことができるんか分からないがな……」

「私が知らないとでも思っているの?」

「何をだよ」

「松永が所有している車はあるでしょ」

「まぁ、確かにあるけど……。置いてある場所がな……」

「今度時間がある時に、松永の家に置いてある車とついでに必要そうな物を取りに行くことを宣言するわ」

「いやー、家がある方に行ったら、レイブンシャフトの人達に会いそうなんだが」


 俺の家の周囲にはレイブシャフトの元仲間達の家が密集している。俺が自分の家に戻らない理由のひとつでもある。

 

「私は毎日電車は嫌よ」


 アズの言葉について、1回考えてみる。確かに、電車に乗る為に駅まで歩く必要があるし、運賃が毎回掛かる。それじゃあ、車となると、駅に向かうという行動は必要なくなり、車の燃料は必要だが、運賃と比較した場合、燃料の方が安かったりする。

 俺が車を取りに行くということ以外は悪くない案かもしれない。

 

「はぁー、まぁ……確かに、電車だと毎回お金はかかるよな。今度時間がある時に行くか」

「行くわ」


 機嫌の良さそうな顔をしながら、顎下辺りに、両手をグーにした手でグッと構えて、頷いた。


「で、もうこの家を購入したいわ」


 さっきの表情が嘘のように消えて、まっすぐ俺の目を見ながら言った。

 

 アズはウィンドウを開いて、何かを見ている。

 ウィンドウを覗き見ると、どこかの部屋の地図が2つ表示されていた。

 部屋の中には赤丸が何個か付いており、赤丸の下には名前が書いてある。


 なんだか、異世界の夢の出来事を思い出した。

 俺もスキルで敵とか仲間の位置をそんな感じに見たことがあったな。


 アズは見ていたウィンドウを上にスライドして、別のウィンドウを手元に持ってきた。


「貴方が見るのはこっちよ」


 そのウィンドウには料金と確定という文字が表示されてあった。既にパスワードとかも打ち込んであり、確定を押すだけで家が購入されるみたいだ。


「俺が押すのか?」

「そうよ」


 ウィンドウの前で指を近づけた。額が大きいということもあり、指先が震えている。

 そもそも、何故俺が……。


「本当に押していいんだな」

「良いわ」


 ウィンドウをタッチした。

 すると、購入完了という文字が表示された。

 これでこの家買ってしまったという事だ。


 数分経った後、不動産からメッセージが届いた。


「これで完了ね」

「そうか。じゃあ、昼ご飯にでも行くか?」

「まだ、終わってないわ」


 アズはさっき開いていたウィンドウをチェックしてから、別ウィンドウを開けた。


「窓の方見ると面白い事が起きるわよ」

「なんかあるのか」


 エレベーターと外廊下の反対側の窓まで歩いた。

 窓から外を覗いてみるが、特に何か変化は無さそうだ。


「何もないが」

「私がここを押したら、起こるのよ」


 何が起きるんだろうか、ぼーと、窓を眺めていると、ドカーンッと2回破裂音が響いた。

 自然と身体を覆うように、失せた。

 近くで2箇所爆発が起きたみたいだ。


 そこで、違和感に気づく、タイミング的にアズが何かをした時ではないかと、さっきのアズが見ていた画面を思い出した。


「まさかとは思うが、今のはアズがやったのか」

「それ以外ないわよね」


 俺はアズ表情を見てみたが、先程と変わった様子は無かった。まるで何も無かったかのようだ。

 ここで笑っていたら、ヤバいやつ判定になるんだが、いや、既にやばい事はしていたな。

 

 話の流れ的に、この家を買う時に関わった。不動産と清掃業者しかないだろう。

 さっきアズが見ていた画面は今回関わったやつが部屋にいることを確認していたという事か。


「なんで、わざわざそんな事をした」

「後で理由を教えるわ」


 そういいながら、アズが俺に触れてきた。


 『部屋の構造を知ってる人達を生かしてはおけないでしょ? それに安心して、ここで爆発だなんて、日常茶飯事でしょ?』


「……」


 アズ、お前は一体この事務所で何をしようとしているんだ。

 そんな疑問考えていた時、突如襲ってきた衝撃で身体が吹っ飛んだ。

 その後、爆音が俺の耳に届く。


「くっ……な、なんだ……? 爆発か……?」

「そのようね……」


 どうやら隣の家で爆発したらしい、俺の視界には今買ったばかりの家が爆発によって破壊された跡が確認できて、その先には先程まであった建物か半壊状態になっている。


「アズ……流石にやり過ぎじゃないか……」

「流石に私じゃないわ……」

 

 アズは手を伸ばして、周囲にバリアを展開していた。


「爆発は日常茶飯事か……」


 視界を邪魔をしていた煙が少なくなり、とりあえず周囲を観察してみる。


「やばいな……」


 1階はセキュリティで守られていたみたいだが、2階の窓付近が完全に破壊されている。

 上を見ると、鉄で囲まれてた壁が見える。あれが倉庫なんだろうな。

 それでもアズがバリアを展開したお陰では、破壊は最小限に留まったみたいだ。

 

「もう一度聞くが、やってないよな」

「自分の事務所を破壊する程馬鹿じゃないわ」

「まぁ、それはそうだよな。とりあえず、セキュリティ的にも応急処置はした方が良い。俺も最近家を破壊されて、それ関連のサイト確認してたから、相場くらいはわかるぞ、この家の設計図のデータはあるか?」


 アズがウィンドウを操作して、設計図の画面を出した。

 画面にはこの家の3Dモデルが表示されている。クルクルまわして、破壊された2階を拡大して、長さを表示させた。


「壊れた場所を元に戻すのには時間がかかりそうだが、2階の通路の途中に応急処置で壁を作るくらいならすぐに出来るとは思う。問題はこの家は割と天井が高いから、余計にお金がかかる事だな。

 お金の整理すると、この家を買う為に7割使って、応急処置処置だけで、0.5割飛んで、元に戻す費用を入れたら、2.5割消し飛んで、そして、お金は……無くなる」

「終わったわ……本格的に終わったわ」


 アズが床にしゃがみこんで、床をグーでポコポコ叩いている。


「人生上手くいかないものね……」

「と、とりあえず、昼ご飯でも食べに行くか……?」


 アズに背を向けて、階段を目指して歩き出した。


「うん、そうだね。私もお腹空いてきた」


 この感じは……。この雰囲気は……。

 振り返ると、ニコニコしながら、横目で俺を見ている。ツイテール姿のリーアが立っていた。


「お、おう。リーアか……」


 逃げたな……。

 

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