30. 不明
「どうする?」
紫に光る奇妙な魔物に囲まれて、リーアはグラス達に問う。
「またそれかよ。 まぁどうするも何も倒すしかないだろ」
「そうだね……」
早速グラスはまず変剣に魔力を流し込み、槍にする。
皆も武器を構えて魔物が攻撃をしてくるのを待っていると、
「あれ? 全く攻撃をしてこない?」
「なんだろう……なんかおかしいよね」
「気を抜くな、突然来るかも知れないぜ!」
その瞬間魔物は一斉に武器を構えた、と思ったらそれを自分の体に刺した。そして次々と周りにいた魔物達が倒れていく。
「自殺」
「え? どういうこと……?」
その奇妙な行動にリーア達は驚きを隠せない。そして周りを見るといつの間にか周りが紫の霧で覆われている事に気づく。
「みんな! 周りを見て!」
「なんだ? 紫色の霧かしら? 本当に奇妙だわ」
あれ、フライヤのキャラがまた戻ってる? もしかして混乱してキャラらが……てのは今はどうでもいいとして早くどっかに行かないと、ここは危険な感じしかないよ。
「取りあえずここから離れた方がいいね!!」
「どの方向に進む?」
「そうだな……こういう時は感で行けば案外行けるはずだ。多分な……ということであっちの方に行こう」
グラスは適当に北に指さした。
「本当に大丈夫かな?」
「大丈夫さぁ、もし知らない所に着いたら俺が責任を取っても良いぜ!!」
ルシスさんの時も同じような事を言っていたような。本当に大丈夫かな?
「みんなはぐれるなよ、じゃあ行くぞ!!」
そしてリーア達は走り出した。
数十分後走ってると、目の前になんかの大群がいることに気が付く。
「みんな止まって、前になんかいるよ」
紫の霧から出て来たのはさっきの紫に光った魔物だった。
「なんなんだ……こいつらは気味が悪いな」
「本当そうだよね……」
そう思いながらも武器を構えると、魔物達はこちらに向かって走ってきた。
「なんかこれ大丈夫かな?」
「もう分かんない!? もう適当に逃げようよ!!」
「ああ、逃げようぜ……」
と思っている内に自分達は囲まれてしまっていることに気づく。
「くそ……囲まれてる」
でも一つ希望があった。さっきのように魔物達が自殺するんじゃないかという希望を、
しかしそれはすぐに終わる。
一体の魔物が武器を構えるとそいつはリーアに向かって攻撃をする。その攻撃をリーアは短剣で防ぐと横からグラスが槍で突き刺した。まだ魔物は生きているため横からツキユがとどめを刺す。
そしたらまた一体の魔物が武器を構えて攻撃してきてツキユは回避する。ツキユはそいつに向かって炎魔法を放ち、魔物に命中してグラスとリーアが攻撃を仕掛ける。そして倒れるとまた一体が攻撃してきて、それが何回も繰り返された。
「はぁはぁ、これじゃあ切りがないぞ……」
「じゃあ一つ作戦があるんだけど……」
ツキユは魔物と戦いながら、グラス達に話す。
「このままだと逃げる事も甘い物を食べる事も出来ないから。簡単な作戦だけど……グラスとリーアが魔物を引き付けて僕が強力な魔法を放つとその後一時的に減るからその時逃げよう」
「そしたらツキユの魔力が切れるんじゃないのか」
「そうだけど……まずここから逃げること最優先にするよ僕は……」
「分かった。私はツキユの作戦に賛成するよーー」
魔物を斬ると、移動をし始めた。
「そうだな。それで行こう」
グラスも移動し始めると、ツキユは木の上に登る。
そしてリーアとグラスが魔物を集めて戻って来ると、ツキユが炎魔法を放ち視線がツキユ向けられる。
「じゃあ行くよ」
ツキユは自分の今の最大魔力を手に込めると炎魔法を放った。魔物達は燃え上がり、ツキユは木から降りるとリーア達の所に急いで走る。
「作戦は成功……したのかな」
「あとはここから逃げれば、だね」
「そうだな!!」
走り出すと、「ちょっと待っておくれよ」という笑い声というか知らない声が聞こえた。
「今後ろから声聞こえなかった?」
「え? そうかな」
「オレは聞こえなかったけど……」
「今のただの空耳だったかな」
そして走っていると、いつも間に紫の霧から出ていた。
「はぁーー疲れたーー!!」
グラスは大声で叫ぶ。
「本当だよ」
「ふぅーー」
リーアとツキユは地面座り一息ついた。
「ツキユ、大丈夫か。魔力の使い過ぎで苦しくないか?」
「気遣いありがとう。でも大丈夫だよ。苦しくならないぐらいは魔力を残してるから」
「でもツキユ炎魔法しか使って無かったな」
「それがさ、やっぱりあういう場面になると一番使いやすい炎魔法を使っちゃうんだよね」
リーアは息を整えながら何かを考える。
なんだろう何かを忘れてるんだよね……。
「どうしたの? リーア?」
そしてリーアふっと思い出す。
「ま 、待ってフライヤとニア今どこにいるの!?」
周りを見渡してもグラスとツキユの姿だけで、他の2人の姿が見当たらない。




