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お題【クスクスの謎】

 平家の落人の取材で訪れた中国地方のとある寒村でふと耳にした「クスクス」。こんな田舎でお洒落な食べ物ですねと相槌を打ったら妙な反応。俺はピンと来たね、ネタになる話だと。だが掘り下げようとすると誰もが口を閉ざす……逆に燃えてくるじゃねぇか。伊達に長いことライターやってはないぜ。村人の一人に無理やり金を握らせて、それを見ることが出来る所へと案内してもらった。

 山の中腹にある小さなお社。その手前の鳥居に赤いものが二つ、紐でくくりつけられていた。丸くて、そこから何かがだらりとぶら下がっ……え?

「猿だよ。皮を剥いで丸く縛ってぶら下げてな。頭と手足が垂れているだろ。あそこから毒が抜けて一週間後には内臓が立派な薬に仕上がるんだ。クスダマってのが正しい名前なんだが、雄と雌と揃いで必要だから皆クスクスって呼んでいる。祭りの時期じゃないと見れないんだぜ。あんたついてるよ」

 確かに血の匂いがするのだが、甘い匂いが混ざっているようにも感じる。奇祭? いや、オカルト系でもいけそうだ。まずは写真を撮ろうかとカメラに触れた手をグッと掴まれた。

「記事にはするなよ。昔は猿じゃなかったんだ……わかるだろ?」


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