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お題【序曲】

「この星、酸素があるぞ」

 その言葉を聞いても俺はなぜか驚かなかった。着陸の準備を進めているうち、大気組成は人体に問題がない事を告げられるがそのことについても。だってあの景色……小さい頃に何度も夢で見た景色にとてもよく似ているんだ。人類が移住できるかもしれない星の発見に皆、興奮していたが、俺の興奮は全くの別物だった。

 探査艇を降りた俺の足は勝手にある場所へと進む。確かこっち……夢の中で見た泉へ。俺は導かれるように進んでゆく。そう、この針のような樹々の向こうに小さな石造りの室があって……おおお! まるで夢の通りにその室は俺を待っていた。中の泉は今も滾々と湧き出し、水面に数センチほどのリズミカルな突起を創り続けている。

「なに単独行動してんのよ……って何ここ……え……水?」

 背後からコロナの声。その声が泉の水面を揺らし……たように見えた。ああそうだ。この泉は、そうだった……彼女に黙るようお願いした後で俺は歌い出す。夢の中でずっと聞いていた懐かしい歌を……するとまるで吹き出す水の突起と干渉し合い打ち消したかのように水面は平らになり……そこへ何かが映しだされた!

「おいおい嘘だろ……」


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