↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/20

第19話 敗者の集い

真っ白な、何もない空間。この空間は去年に一度見たことがある。優勝直前に負けてしまった、あの屈辱。今年は大会2日目で……たったの2日目だ。こんなはずじゃなかった……。ルビーのように深い赤色の髪を揺らしながら、涙を堪えて控え室から出る。



「やぁ~お疲れ様、美月」

緑と黄色の美しいオッドアイを持つ少女が笑顔で出迎える。

「……。苗、椎奈、佳子、ごめん……」

控え室を出たフリースペースで、それぞれが複雑な思いを抱えて過ごしている。

「なに謝ってるの?」

苗は壁にもたれながら美月を励ます。

「私は何も出来なかったよ、美月だけの責任じゃない」

佳子は膝を抱えながらソファーに座り、小さな声で答える。

「さてと~そんなことより、私達がなんで呼ばれたか分かる~?」

椎奈は得意げに話し始める。

「なに言ってんの?」

「私達がここにいる理由だよ~」

その言葉が落ちると同時に、廊下から桁違いの気配を4人は感じ取った。

「全員いるね……」

さっきまでヘラヘラしていた椎奈も、臆するように目の前の少女を見つめる。中世ヨーロッパの貴族の服に、悪魔の羽。水色の髪に金色の瞳。

「……また悪魔か」

美月の言葉が耳に入ると、不機嫌そうに少女が振り向いた。

「悪魔呼ばわり……まぁ、自己紹介した方がいいか。私は異能競技大会運営総括部、SATMD広報部長の『古獣種・魔族』リリスティア・フルミナス」

「「「「!!」」」」

空気が一変する。目の前にいる者が、まるで天変地異のような天災に見えた。

「古獣……」

「古獣種か…ちょっと冗談キツイかも……」

椎奈が苦笑いしながらリリスティアを見つめる。

「そんな……えっと、運営さんが何か用?」 美月はリリスティアを見つめて問う。本来、2日目で負けたチームの元に運営が来るはずがないのだ。

「着いてきたら分かる」

リリスティアはそう言い、背を向けて廊下の奥へ進んでいく。

途中までは普通の廊下だったが、進むにつれて少しずつ異様な雰囲気が漂い始める。壁にはいくつもの配線が覆い尽くしている。

(寒い……) 気温が低下していくのを佳子が察する。 「入って」 大きな扉の前でリリスティアが立ち止まり、美月たちを中に促す。

そしてそこには――

「あれ? 4人だけ?」『人間』青葉春樹(あおばはるき)

「精鋭だ……他の奴らは当てにならなかったからな」『人間』赤月聖人 (あかつきまさと)

「え~もう少し多いと思ってたのに……」『獣人種 鯱』彼岸(ひがん)シルヱ

「シルヱ、シャキッとしなさい」『古獣人 竜』白銀冬樹 (白銀冬樹)

「いや、冬樹さんもさっきまで寝てたでしょ?」『人間』山崎恵太(やまざきけいた)

そして――

「よく来たな諸君!! 吾輩は異能競技大会運営総括部、SATMD総帥のテルシミノ・テルナミヤ・フルシアだ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。