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第20話 唐突

(この……)

(小さいのが……)

(大会の……)


「君、迷子? ここは子供が来るところじゃないよ?」


椎奈が目の前の少女に向けて言葉を放つ。他の3人が圧倒されて口を噤む中、椎奈だけが無自覚に、テルシミノが最も気にしている禁句を口にしてしまった。


「……吾輩を子ども扱いするな!!」


「で、その……総帥様が何だって?」


美月の口から、呆然とした声が漏れた。目の前に立つ少女——テルシミノは、豪快な笑みを浮かべながら堂々と胸を張っている。張ってはいるが……いかんせん身長が小さすぎる。


「はぁ……で、その総帥様が、2日目で散った負け組に何の用なんですか?」


佳子が肩をすくめ、呆れたように尋ねた。


「負け組、か。くくく、面白いことを言う」


テルシミノはニヤリと口角を上げると、鋭い眼光で部屋にいる者たちを見回した。


「ここにいる者たちに共通しているのは何だと思う? 単に運が悪かったからか? 実力不足だったからか? ——違うな」


リリスティアが静かにテルシミノの脇へと移動し、淡々と補足説明を始める。



「あなたたちは皆、予選・本戦2日目までに『能力の相性』や『不慮の事故』によって敗退した……けれど、純粋な戦闘ポテンシャルにおいては大会ベスト4レベル、あるいはそれ以上と評価された者たちよ」

その言葉に、部屋の中の緊張感が一気に跳ね上がった。

「精鋭、ってわけね……」

佳子が小さく呟く。


「単刀直入に言おう!」


テルシミノがバッと手を広げた。


「諸君らには、この異能競技大会の『裏』で進行している【特別極秘任務】に当たってもらいたい!」

唐突すぎる提案に4人が一瞬フリーズした。大会本運営から依頼を持ち出された。

「極秘任務……?」


美月は眉をひそめた。負けた自分たちが、なぜそんな大役に抜擢されるのか。


「表の大会で負けたお前たちは、今や世間からは『消えた存在』だ。つまり、最も動きやすく、敵からも警戒されにくい。……どうだ? 拒否しても構わん。だが、この任務を遂行した暁には——」


「その……極秘任務って、具体的に何をするの?」


苗が前に出て、テルシミノをまっすぐ見つめる。その目つきを見て、テルシミノは不敵に笑った。

「どうして異能競技の大会が……国体止まりなんだと思う?」


壁にもたれていた冬樹が、美月たち4人に問いかけた。その質問に、一瞬4人の思考が止まる。考えたこともなかった問い。なぜ“日本”では異能競技が世界ほど盛んではないのか。どうして高校生全国大会が存在しないのか。


「簡単な話だ。設備、技術、奇跡。全て世界に劣っているからさ。例えば、負けた選手を安全な場所に転移させる技術……あれは、テルシミノの“奇跡”だからこそ実現できているんだよ」


春樹がそう説明しながら、ポンポンとテルシミノの頭を撫でる。


「おい!! 勝手に撫でるな! 怒るぞ!?」


テルシミノはジタバタと暴れながら抗議する。

「……でもね、その特殊な技術や能力を狙う不届き者がいるのよ。特に、空間を跳ぶような瞬間転移能力なんかは格好の標的ね」

リリスティアが呆れ顔でテルシミノを見つめながら補足した。

それを聞き、美月たち4人の脳裏に同じ思いが駆け巡る。

((((めんどくさい事に巻き込まれた……!))))

「というわけで~、君たちには会場の警備と裏での調査をお願いしたいんだよ」シルヱが笑いながらテルシミノ見て告げる

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