王子殿下の婚約者の裏側なんてこんなものです。
一応最終回です。
電波が来たら更新するかもしれませんが…。
ご愛読ありがとうございます。
今日も仕事が忙しいです。
ええ、残念パンツ王子と一緒ですとも。
「セレ、ルリの実研究所にいってサンプルもらいにいってくれ。」
エアリ先輩が端末から目を離さず言った。
「帰りにパンツとランシャツお願いします。」
残念王子が資料のチェックをしながら言った。
「リカ王子、準備してあるから。」
どうせ頼まれると思って洗いがえは準備万端だよ、整理したらルリ柄ばっかだったけどね。
「おお、さすが嫁だね。」
ミナト先輩が微笑んだ。
「昼飯頼んどくから早く帰れよ。」
ローランド先輩がそういいながら伸びをした。
相変わらずの新人ライフです。
残念王子の婚約者といっても仕事は変わらないし。
まあ、残念王子の部屋に引っ越させられそうになったので全力で拒否しました。
愛してますよ、確かに。
でも、そんなに情熱家じゃ無いんです。
「では、いってきます。」
うーん、もうすぐ一年か…ルリの花が咲く頃にまた新しい人たちが来るんだよね。
父さん、リカ王子つれてそのうちケエラエルに里帰りしようかなって思ってるんだけどさ。
さすがに町の人ビックリだよね。
私だってあの人と実際に会うまで夢持ってたもん。
綺麗な王子様の実態は残念パンツ王子…。
華やかな王宮の裏側は激務三昧。
そして、なぜかその残念パンツ王子と婚約。
人生よくわかんないな。
ルリの実研究所では研究員が忙しそうに動いていた。
中央の温室には実験用のルリの木が季節外れのルリの花をつけたり実をつけたりしてる。
「セレさん、お疲れ様です。」
タマイロ王女が今日もルリの実汁まみれの白衣でルリの実汁を絞ったらしいビーカーを持って言った。
「すみません、サンプルを受け取りに来ました。」
さすが、残念王子の妹だよ、美人なのに残念王女っぷりがありありだよ。
「お兄様の婚約者さん、これをよろしく。」
かご一杯ルリの実が渡された。
王宮の社員食堂とか売店で料理お菓子にされて商品開発のため試食されるんだよね。
「婚約者って言わないでください。」
うん、それ困るよ。
「自覚をもってもらって逃げられないようにしないと、うちの婚約者も少し意識が薄いからたびたびいってるんです。」
タマイロ王女がにっこり言った。
婚約者さん、どうに落とされたのかな?
もしおとしいれられたなら。
残念王族にみいられた被害者の会つくろうかな?
愛してるのとストレスは別なんですよ。
「人前でいわないでください、タマイロ。」
眼鏡をかけたインテリ風の研究員がため息ついた。
婚約者らしい。
「ええ?別にいいでしょう?」
タマイロ王女がすねた口調で言った。
うーん、お邪魔ですね。
「おかえりなさい、セレ、ご飯が待ってますよ。」
麗しの残念王子がわざわざ出迎えて私を抱き締めた。
ついでにキスするなルリの実つぶれたらどうする。
「ご飯食べる前にごちそうさま状態?」
アイル先輩が呟いた。
「ええ?超甘いリカ王子の分食べるの嫌だよ。」
ミナト先輩が言った。
今日はルリの実ミートボールパスタらしい。
添えられてるルリ茶があきらかにミルク色してて甘そうだよ。
「セレ、一度やってみたかったんです。」
残念王子が私を無理矢理膝の上にのせてハチミツかけたパスタをあーんした。
絶対に口開けるもんか!
「片付かないから食べてやれよ。」
エアリ先輩がパスタを食べながら言った。
「お前も家では奥さんにやってるのか?」
ローランド先輩がルリ茶を飲みながら言った。
「ば、ばかするかよ。」
エアリ先輩が赤くなった。
ああ、マーシェ先輩あらためデルフィーヌ先輩とそう言うことしてるんだ。
「セレ、あーん。」
残念王子がフォークを口元に押し付けたので仕方なく食べた、あ、あまー。
「あ、甘すぎです。」
私はすぐにルリ茶をのんで脳天直撃のルリ茶の甘さに悶絶した。
「そうですか?」
ニコニコとリカ王子が口を開けたのでパスタを放り込んだ。
なんですか先輩がたそのため息は?
「セレとリカ王子、とってもおにあいです。」
ミナト先輩が言った。
「破れ鍋にとじ蓋。」
ローランドが呟いた。
「まあ、収まるところに収まったと言う事か?」
エアリ先輩が言うと何故か全員うなづいた。
「ありがとうございます、さあ、食事を続けましょうか?」
残念王子がニコニコ言ってフォークを突き付けた。
「ええ?いやですよ。」
私は抵抗した。
「セレ。」
残念王子についに口うつしされました。
おおって先輩たち助けて下さいよ。
「セレはうかつ街道まっしぐらみたいだな。」
エアリ先輩がいったらまた先輩たちがうなづいた。
ええ?そんな街道まっしぐらしたくありません。
…王子殿下の婚約者(一応)なのに全然華やかじゃないよ。
まあ…一応愛してるからね、私の残念パンツ王子様。
だから、極甘パスタの口うつしはやめてください。
とうさん…大ダメージだよ…。
駄文を読んでいただきありがとうございます。