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武技憂気日本大戦  作者: 囲井 鯀
―弐―
25/111

二十三

 気晴らしにあらすじを読んでみたら、『崩壊』の二文字から『ゲシュタルト崩壊』を真っ先に連想してしまいました……。

 え? 意味なんて知りませんよ。

「それにしても変な体のつくりをしてますね! 金属片を刺しただけで体調が良くなるなんて、人間ですかっ?!」

「オレは人間だし、さっきのはれっきとしたオレの部品だ」

「それ人間って言いません」


 それにしても死ぬかと思った。いや、今思い出すとうっかり走馬灯が……。ん、そういえば二度目に『生まれた』時の記憶が蘇っていた気がする。なんか、全体的にふわふわしてたなー。あれが病室かー。いや、目覚めた時も病室だったけど、人が沢山いたからそこまで病室とは思えなかった。自分の部屋だと思ってた。

 千夜、髪短かったな。なんか肌とかもろ見せてる服だったし。


「おやっ、もうこんな時間ですか!」

「この部屋に時計なんて存在しない」


 オレの体内時計は夜明けから大体二時間前後と告げている。朝食の時間だ。


「わかってないですねっ!」

「なにがだよ」


 その呆れたような言い種はやめて欲しい。あと態度も。お前上下関係とか無視するくせになんで敬語なの? イラっとくるんだけど。


「まあいいです、私はもう行かないといけないのでっ!」

「そうか、引き留めて悪かった」

「いえいえお気になさらずに!」


 そう言うと、信長は懐から何かを包んだ布を取り出す。包まれていたのは下駄、なる履き物だった。運動靴と下駄を履きかえると、信長は真っ直ぐオレの部屋の窓へ向かう。


「――っておい、何してる」

「窓から飛び降りようとしていますっ!」

「そうか、じゃあその前にお前は何をする?」

「ええ、布団を土足で踏みますね!」

「窓の外に投げ飛ばしてやろうか?」


 笑顔で言ったが、笑顔が引き攣っているのがよくわかる。


「お兄ちゃん、笑顔がとても気持ち悪いです」

「いいからさっさと出ていけ!」


 無理矢理ベッドを脇にずらし、窓を指差しながら叫ぶ。


「えー、強制されると行く気がおきないですー!」


 そう喚きながら信長はオレのベッドにうつ伏せに倒れる。


「……あ、お兄ちゃんの匂い……」

「聞こえてるぞ」

「いやん」


 こいつ……、投げるか? 体中に武器を仕込んでるらしいから重いかもしれないが……。今オレなら、きっと――。


「お兄ちゃんって、顔は悪くない方ですよね! 垂れ目と三白眼の組み合わせが無ければ!」

「遺言はそれだけか!」


 遺言って言うか捨て台詞じゃねえか! 墜ちろ!


「垂れ目のくせに生意気であーっ! すいませんでしたっ! きゃー!?」


 信長は窓から逃げたのだった。

 後垂れ目は信長も一緒だ。アホ。

 今日の23時に新連載始まります。始まると思います。

 息抜きですねー。日常系で、ブギウギとは全く関係ないと思います。

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