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武技憂気日本大戦  作者: 囲井 鯀
―参―
101/111

三十四

 気が付けば私はここにいた。


 真っ白で、真っ白で、真っ白な世界に。


 色なんて自分にしかなく、前を見ても後ろを見ても色はなかった。


 右手には黒革の分厚い本があり、左手には十手があった。


 上を向くと、いつの間にか本が消えていた。


 何故かそれがとても悲しくなり。


 やりきれなくなり。


 私は。


「……私は誰?」


 呟いても、誰も答えてはくれない。


 私は十手を強く握り、ふらふらと歩み出した。


 この真っ白な世界の果てに何があるのかも知らずに。


 頭の片隅で、果てなど無いことを確信しながら。



 私は歩み出した。

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