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三十四
気が付けば私はここにいた。
真っ白で、真っ白で、真っ白な世界に。
色なんて自分にしかなく、前を見ても後ろを見ても色はなかった。
右手には黒革の分厚い本があり、左手には十手があった。
上を向くと、いつの間にか本が消えていた。
何故かそれがとても悲しくなり。
やりきれなくなり。
私は。
「……私は誰?」
呟いても、誰も答えてはくれない。
私は十手を強く握り、ふらふらと歩み出した。
この真っ白な世界の果てに何があるのかも知らずに。
頭の片隅で、果てなど無いことを確信しながら。
私は歩み出した。




