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C7.6 衝突 ― 6 ― 会議

皆につけているシャドウナイトのお陰で、城に居ながらにしてほぼ全ての眷属達と会議することが出来る。


「今動いているもの以外は揃ったか?」


「は、既に揃って御座います。」


今回会議を取り仕切るのはミノタウロス兄だ。

デスロードは例の転生者の相手をしている。

今丁度お互いの話が盛り上がっているらしい、とはシャドウナイトの話だが。


「今居ないのは周辺警戒に出ているケンタウロス軍団と、各地より会議に出席している幹部の警護に当たっている犬猫達か。

 よし・・・会議を始めよう。


 最初に、一部の者は聞いているだろうが帝国領の北を超えた辺りの魔王達が駆逐された。

 それがどうも南下してきているらしい。」


 ザワッ


騒がしくなりそうな一同、特に古竜魔王の所に居た者達に向けて手を上げて牽制する。


「既に古竜魔王殿には隠遁するよう打診しておいた。

 今まで他の魔王達の目を欺いてきた彼の御仁の事だ、問題は無いだろう。


 次に“勇者”と言う単語に聞き覚えのある者は居るか?」


・・・・・・むう、やはり誰も聞き覚えがないか。


「ねぇねぇ?喋っても、いーい?って言うか喋るけどー。

 僕の拾ってきた子がなんかそういう感じの単語を口走ってた気がするんだけど?」


ずっとうずうずしていた偽メイドこと、闇エルフの長が口を開く。

転生者がか?・・・覚えていないが言ってないと思うぞ。


「おやおや~?疑ってるぅ?

 僕“が”拾ってきたんだからだーりんよりお話聞いてると思うんだけどねぇ?」


そう言われるとそうなのかもしれないな・・・。


「良いだろう、呼ぶとしよう。」


・・・

・・


「あ、あのー・・・俺何かしました?」


「いや、聞きたいことがあるだけだ。」


「はぁ・・・。」


転生者は落ち着きなく周りを見渡し、付き添ってきたデスロードに縋るような目をしている。

・・・取って食ったりはしないんだがな。


「お前は“勇者”という言葉に聞き覚えはあるか?」


「え!?勇者!?マジっすか!?」


「・・・あるんだな。」


「あ!いや、すみません、あります・・・。」


険しい目つきで見つめると、途端に居心地悪そうに縮こまって要点だけ口にし始める。


「元々はゲームの中の役職と言うか名誉称号なんです。

 言葉だけで見れば“勇ましい者”ですんで。

 でも特別強い力や能力を有して魔王を打ち倒す存在なんです!

 ・・・あ、すみません。」


・・・これだけ聞くと我々にとって危険な存在だな。


「魔王を倒すことが使命なのか?」


「多くの場合はそういう設定ですが、単に人智を超えた力を持つ存在だったりしますけど。

 それが人類の危機にぽっと現れる感じですかね?」


突然出現するとか・・・まるで天災だな。

どうしたものかと思案していると、


「魔王様!魔王様!!!お願いします!!!おいらの部下を・・・助けて下さい!!!」


扉を破壊せんとするような勢いで、半泣きになったケンタウロスが飛び込んで来た。

その手には、傷だらけになった部隊の女リーダーを抱えている。

それを心配そうに手下達が囲んでいるが、よく見れば皆酷いけがをしている。

何だこの傷は・・・丸い・・・穴?周辺が浮き上がって見えているのは何故だ?


「・・・銃創だ。」


転生者がそう呟いたのを聞き逃しはしなかった。


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