C7.appx2 こんにちは、拾われた者です。その2
― 拾われた者視点 ― デスロード訪問中
「チェンジ、と言われましても、貴方の現状を上手く説明できる者は、ここにはそうは居りません。
居たとして、今は忙しいので却下ですね。」
「死・・・死にたくない・・・」
「・・・失敬な。
何故貴方を殺す必要があるのですか?」
「え・・・?だって命はご馳走とかじゃ・・・?」
「確かに奪う事もできますが、別に大気に満ちるマナを摂取していれば問題はないですね。
・・・命は嗜好品のような物です。」
あかんやん!それあかんやつやん!
「・・・これでも元人間ですから、敵意も無く、憎くも無い人間を喰らう嗜好はありません。」
「あのー・・・ご自身がどれ位相手に怖く映ってるか、ご存知ですか?
俺に、あいや、私にとって貴方様は紛れも無い“死の象徴”そのものですよ?」
「私相手に畏まる必要はありませんよ。
にしてもふむ、その意見は面白い、考えても見なかった。」
むう、なんか知らんが好感度が上がったらしい。
このまま好感度を上げて、いざ開放!とかならないかなぁ。
「それはさておき、転生者の貴方には色々と知っておくべきことがございますので、私が分かる範囲で教えて差し上げます。」
「・・・はいぃ?」
「ですから私が分かる範囲で、」
「いえいえいえ!その前!何て!?」
「?色々と知っておくべきこと?」
「惜しい!も一つ前!一番最初!」
「??ああ、転生者、ですか?そうですか、そこからでしたか。」
「ど、どゆこと・・・?」
「本当に目覚めたて、なのですねぇ。
分かりました、詳しく説明致しましょう。
目覚めたてである貴方は、恐らく記憶に障害があるでしょう。
それは過去何百人もの転生者の記録からよく知られていることなのです。
その全ての事例に置いて、結果的にですが“生きながらに”この世界へ現れたものは一人としておりません。」
頭が真っ白になる。
え?転生?・・・てことは俺、死んでた?の?
「まだ記憶の混乱があるようですな、無理も無い。
いずれ記憶も戻るでしょうが、その時には死んだ時の克明な状況も思い出されてしまいます。
今は自己防衛のため、一時的に記憶が閉ざされている状態です。
精神にとって死の恐怖はそれほど大きな負担なのでしょう。
・・・自分の名前も思い出せていませんよね?」
言われてみれば、ここでは名前を呼ばれる事も必要も無かったから気付いていなかったが、自分の名前どころか何をしていたかさえ思い出せずに居る。
「この転生が一体何であるか、詳しいことは分かっておりません。
一説には強大な力を持つ狂った魔導師の仕業とも言われていて、大魔法協会はこの事象を研究したがっているのです。
そのため大魔法協会が貴方の様な身の上の方々を保護しているのです。
そこへは折を見て送り届けて差し上げますので、何もご心配いりません。
ただ、もし元の世界に戻りたいという願望がおありなら、残念ですが過去ただの一人も元の世界に戻れた者はおりません。
・・・申し訳ありません、このような時はメイドの誰かを呼んでおくのでしたな。」
ハンカチを差し出す“死の象徴”の行動に、俺は自分がぼろぼろと涙を流していた事に始めて気付いた。
ああそっか、俺、死んじゃってたのか。
もう一話おまけ挟みます。
今回は落としたので次は持ち上げ・・・




