C7.appx1 こんにちは、拾われた者です。その1
― 拾われた者視点 ― 用意された個室に通された後
拾われた者です。
加護無しとも呼ばれています。
後で色々説明してくれる人が来ると、角の生えたべりーびゅーてほーな爆乳お姉さんに言われて待っている所です。
・・・事の始まりは思い出せていないです。
気付けば灰褐色?の肌でプラチナブロンドかシルバーのさらさらの髪、スレンダーなボディの信じられない程の美少女が目の前に居ました。
うっひょーなんて思う間も無く、直後全く似合わない“ニッタァア”って感じの危ない笑顔で俺の襟首掴んで走り出したんですよね。
なんていうんだろう、俺ごと数mをぽーんぽーんと飛び跳ねる様に「あ、これ夢だ」って思ったもんです。
余り大きくないお城に連れて行かれました。
そこには少し背の高いミイラみたいな人と、見た目は普通の“人”が居ました。
どうも夢じゃないと気付き始めていたので、じゃあ何かのアトラクションじゃね?なんて。
あの数mを飛び跳ねる経験はきっと最先端のバーチャルリアリティ!なんて。
その後“リアル”で巨大過ぎるミノタウロスを前に、わークオリティー高ぇーとかぺたぺた触って、ドクドク脈打ってるやんあったかいやん、てモノホンやん!?
そこで初めて異世界に迷い込んだ事を実感したんですよね。
ラノベやゲームの世界に居る事実に「異世界!キタコレ!?」とか口走ってたり「俺勇者!?」とか考えてたその時の俺を殴り飛ばしたい。
うん、殴り飛ばしたいというか消しさりたい。
そのままハイテンションで「俺の使命は何だ!?」とばかりに魔王様に質問し、直後、夢と希望と色々が木っ端微塵に。
ふと周りの気配に気づいて見回すと、何時の間にか魔物だらけ!になっていて、絶望オンリーな現実が超親しげに肩をぽんぽん&サムズアップ!してきたんです。
自分でも完璧と思える四つん這い状態でいると、最初から城に居たお二人が俺の“保護”云々の話をするのが聞こえたんです。
“保護”?え?“保護”であってる?“非常食”じゃ無くって!?
不意に現実に立ち戻り「このままここに居たらやべえ!」と思って即時開放をやんわりと打診したんです。
時代劇にでてきそうな商人が下手に出る時に良くやってるポーズで。
・・・割と命がけでした。
・・・開放されないだろうな、とは思ってましたけどね!
しかし現実は遥かに残酷で、魔物だらけの森じゃ生き延びれないだろうし、ほっといたって死ぬ、と。
その時の俺はどんなだったろう・・・。
揉み手のまますんごい絶望の、高名な絵画にありそうな顔してたんじゃないかなぁ。
・・・身内なら笑い転げて写メ撮りそうだなぁ。
・・・
・・
・
あー・・・悪い予感しかしない。
誰が来るんだろう。
この小さな部屋に来るとしたら、あのミノタウロス達やケンタウロスは無いかな。
猫の魔族ならモフらせてくれるかなぁ、って違うがな。
コンコン
「あ、はいどうぞー。」
「失礼致します。」
・・・ミイラが来た。
「あ、あの・・・つかぬ事を伺わせて頂いても?」
「ええ、何なりとどうぞ。」
「貴方の御種族は・・・?」
「種族、というのはさてどうでしょうか?一応、デスロードと名乗っております。」
「・・・チェンジで。」
オレ、オワタ・・・カモ。




