C7.1 衝突 ― 1 ― エルフの襲撃と拾い者
「魔王様!エルフを捕らえました!」
「分かった、その場とつなごう。」
シャドウナイトを介してその場のクーシー達の様子を見る。
幾人かのエルフがクーシーに捕らえられている。
訓練が役に立ったようだな。
「な、何故偉大なる王の眷属たる我々がたかが妖精犬如きに。」
「おのれ、これもあの不浄なエルフの仕業か!」
等と好き勝手に口走っている。
割と余裕だな?
「魔王様、如何致しましょう?」
「そちらに投影させる。」
向こう側のシャドウナイトを私の写し身へと変える。
エルフ達は一瞬余の方を見たが、関心を持たなかったのか、またぶつぶつ言い始める。
・・・少々不遜が過ぎるのではないか?
苛立ちをそのままに、殺意と混ぜてマナに込めエルフどもにぶつける。
エルフ達は一瞬ギョッとした顔はしたが、それでもやはり私に興味を持たなかったらしい。
これはどういうことだ?
「無・駄・だ・よー♪」
そこに偽メイドが躍り出てきた・・・エルフ数人の首を手に。
その姿に一瞬思考が停止していると、偽メイドは一瞬でエルフ達の首をかき切ってしまった。
エルフ達が悪態を吐く前に、流れるように、するすると・・・。
「何故余の指示を待たなかった?」
「待つ意味は?」
「待たなかった理由は?・・・また内緒か?」
「うーん・・・うん、そうだね。」
「・・・」
「主、彼の者のことは理解しようとするだけ無駄かと。」
「・・・としてもだ。
人質に取れたかもしれないではないか?」
「それはないよー。
人質に取られた、って分かった時点で価値は無くなる。
殺すなら気付かれる前、だよ。」
・・・こいつは。
だが、長く争ってきたこいつらの関係上、偽メイドの言葉は無視できない。
「お前に任せたほうが良いと?」
「その方がだーりんにとっても良いと思うよ?」
目を閉じ少し考え・・・
「クーシー、対エルフは偽メイドの指示に従え。
ケットシー達にもそう伝えよ。」
「はっ!心得ました!」
・・・
・・
・
「奴等の間に何があったのだ?」
「わかりません・・・が、毛色が違うとは言え、同族の首をあんな雑に扱う程ですからな。」
「あいつが特別ということは?」
「それも含めて謎ですな。」
「無理やり聞き出すのは性に合わんしな・・・。」
と二人で思案していると、
「魔王様!大変です!」
「今度は何だ・・・。」
「闇エルフの長殿が・・・何か拾いました。」
「・・・何か?何かって何だ?」
「分かりません、『いいもんめっけー!』と叫ぶなり、何かを持って城へと駆けていきました。
・・・追いましょうか?」
はぁ・・・またか。
「いや良い、戻ってくるならいずれ分かるだろう。
哨戒任務に戻れ。」
「は!了解であります!」
・・・
・・
・
それから数分後、
「だーりーん!これ拾ったー!飼っても良い?飼っても良ーい!?」
「・・・駄目です、元の所に捨ててきなさい。」
「えー!?だーりんのけーち!断固断る!」
「世話は誰が見るんだ?」
偽メイドは首を傾げてこちらを見る。
『え?そんなの知らないよ?』と言わんばかりだ・・・腹立つ。
「あ、あのー・・・俺はどうなるんでしょうか?」
拾われた“者”が口を開く。
少し楽しくなってきました。
・・・個人的に。




