表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
106/335

C6.22 足場固め ― 22 ― 帝国第4皇子

帝国の第4皇子との会談の場を設ける事にした。

と言っても、シャドウナイト越し、つまり最近では恒例になった手法でだ。


「魔王殿、お初にお目にかかる。」


「・・・ああ、どうも。」


・・・困った。

自身が“王”を称する身分になったので偉くなった気でいたが、実際はちやほやされている単なる御山の大将だ。

帝国の紛うことなき皇子を前に、強く出るのか下手に出るのか考えてもなかったぞ。

何せ、下手をすると敵対する間柄だからな。


「お互い立場を無しに、そうだな、手下や仲間、気の良い友を守る話をしないか?」


「ふむ・・・それは・・・分かり易いな。

 随分としっかりしているが皇子は幾つになられたのだ?」


「13だ。」


・・・は?13?

実は彼を見るのは初めてで、少年兵という言葉だけが脳裏に残っている。

少年といえば確かに顔付きは少年だが、体躯は既に大人のそれを越えている。

2m近い筋骨隆々の偉丈夫。

うちにいるのは別格として、下手なミノタウロスなら体格で張り合えるんじゃないか?

・・・獣人達が敵わなかったわけだ。


「・・・あーうん、何と言うか凄いな。」


「父は血で血を洗う粛清で国を平らげた帝国皇帝、母は万種の優、アマゾネスの女王だ。

 血だけで言えば、完全な殺戮人形だな。」


「理性的であるがな。」


にやりと笑う皇子。

・・・やっぱ13は嘘だろう。


「でだ、まず最初に友を救って頂いた事への謝辞を述べたい。」


「成り行きであるし、彼等からは誠意を受け取っているので無用だ。」


「魔王殿は成り行きで身内が助けられたとして、当人同士で礼が済んでいたら何もしないのか?」


「・・・そうだな、それもそうか

 分かった、気持ちだけ受け取ろう。」


一種の儀式を思わせる、無駄のない所作で軍隊式に謝意を肉体で表現する皇子。

絵になるな・・・。


「・・・・・・。

 では話を戻そう。

 最近帝国内で不穏な動きが多くてな。

 どうも帝国内の者の仕業らしいのだ。」


「ふむ。」


「聞けばこの影の騎士は、一度行った場所にはこういう遠距離会話を実現する能力があるとか。

 うちにも一人欲しい存在だが、それは無理としても連携を容易にするために是非協力願いたい。」


「・・・メリットは?」


「俺の領地はまとまった大きさを持っていない。

 獣人の村のように飛び地で存在している。

 この俺の領内なら自由に使ってもらって構わない。

 人の数も元々それ程多くないし、あの村のようなイモータルズの隠し方なら、住民にも気付かれないだろう。」


「我々が裏切るとは?」


「その時は自分の愚かしさを嗤うのみだ。」


ふむ・・・皇子は情報網を、我等は帝国に安全な足掛かりを得るわけか。

悪くないな。


「良いだろう。

 ただ、シャドウナイトの性質上、君らの会話は私に筒抜けとなる。

 もし必要なら独自の暗号を用いると良いだろう。」


「・・・考えていなかったな。

 だが気遣い無用だ。

 我等は武人で文官ではないからな。」


そりゃあ・・・みりゃ分かる。

内緒話しても良いですよって話だったのだが、まぁいい。


「実りある関係であらんことを。」


「そうだな、実りある関係であらんことを。」


結果、帝国内にも足掛かりを得ることに成功したのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ