第三十七話 賑やかな夜
遅れました(;´・ω・)
次回に主要メンバーとして二人増えます。
両方女の子です。
「あお兄~、お腹空いたよ~」
ソファーで寝っ転がっていると、二階から朱里の声が聞こえてきた。
それとともに、数人のドタバタと足音も聞こえてくる。
どうやら四回戦も無事に終わったようだ。
ダイニングに行くと既に朱里が居た…早いな、おい。
「あお兄、今日のメニューはなんっすか?」
「ん?焼肉だよ。少し間に貰っていた肉があったからな」
「おっほ~、豪勢っすね~」
目を輝かせている…朱里はかなり肉好きだからな。
まぁ、休日の朝に軽い運動とか言って、平気でフルマラソンをするような奴だし、肉食わないと持たないんだろうな。
「ほらほら、突っ立ってないで手伝いぐらいしろよな」
「了解っす!」
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「お肉お肉~~」
「もぉ、朱里ったら、お肉ばっかり食べてないで、野菜も食べなさい」
朱里が肉ばかり食べいるが、他の皆も殆ど肉ばかり食べているので、一向に野菜が減らない。
「いいじゃないっすか~、まだこんなにあるんっすから…あぁ!そのお肉は自分が育ててた肉っすよ!」「あん?そんなこたぁ知らんな。早い者勝ちだ」
何時もの食事も結構賑やかだが、今日は一段と賑やかだ。まぁ、防音もしっかりしているし、ご近所様には迷惑にならないだろう。
「ほら、お前ら喧嘩すんなよな。肉もいいが、野菜も食わないとだめだぞ」
「だそうだ…ほらよ、さっきの肉の代わりにやるよ」
「野菜じゃないっすか。自分は肉が食いたいんですよ」
「…んなに肉ばっか食ってると、また余分な脂肪が増えて困るぞぉ」
槐の視線が僅かに朱里のそこそこデカい胸にいく。
まぁ、確かにタンパク質はバストアップ効果はあるが…胸の大きさなんか、そこまで気にするほどのものなのかわからない。
まぁ、朱里の場合は陸上の関係で無い方が楽だとは思うが…
「運動してるから、余計なお肉なんて付かないっすよ~」
「…はぁ、そうだなぁ」
「なんか呆れられてるっすか?」
その後も夕食は賑やかに進んでいき、一時間ほどでほぼ肉が無くなった。
嘘だろ…計五キロの肉が一時間で消えたんだぜ。
♦
晩飯が終わり、俺とアリスが後片付けをする。他の連中は談話室でダラダラしている。
「はぁ、流石に騒がしかったわね」
「そうか?お前も結構楽しそうに見えたけど?」
食器を洗って、アリスに渡しながら何気なく話をする。
「まぁ、そうね…悪くはないわね」
「そうか…はい、最後」
「ん」
「ありがとな。さて、終わったし風呂入るか」
「…一緒に入りましょうか?」
「はいはい、そうですね~」
「…はぁ、いつも言ってるけど、私は本気なのよ…ずっと前からね」
先に歩く背中に、小さな声で呟く声は果たして聞こえているのだろうか…
♦
風呂の準備は終わっているので、皆に風呂の場所を教える。
風呂は一階のホールの階段脇にあるドアの先で、男女に分かれていて浴室も結構大きいのでこの人数でも大丈夫だろう。
「んじゃ、さっさと入って来いよ」
「なんだ、葵。お前は入らないのか?」
「あぁ、少しやる事があるからな。二人で入って来いよ」
「んじゃ、行こうぜ功」
二人が着替えを取りに二階に上がっていく。
あの広い空間で男二人はかなり気まずいと思うけど…まぁ、あの二人だし大丈夫かな。
♦
「うっはぁ~、本当に広いっすね~」
「ひゃ~、凄いね…うちの風呂の何倍あるのやら…」
脱衣場には洗面台が二台にベンチとテーブル、体重計も完備してあり銭湯並みの施設だ…若干古めかしい気もするけど。
「ふんふん~、おっふろおっふろ~」
「朱里ちゃんはお風呂好きなんだね~」
「うん、好きっすよ~、サッパリして気持ちいいんだもん」
話している間にも特に気にした風もなくどんどん脱ぎだす…まぁ、確かに部活でも気にしないでどんどん脱ぐけど、見ず知らずの人前でもこんなんなのかと少し不安になる。
「うっは~、浴槽でっかいっすね~」
「ちょっと朱里ちゃん…はぁ」
適当に脱ぎ散らかしてある服を持って、下着と服に分けて二台の洗濯機に入れる。
にしても…あの大きさでスポブラとは、何とも勿体ない。しっかりした物を着ければもう少し大きく見えるのに。
「あはは、ごめんね秋保…ほら、アリス」
「ん」
アリスちゃんのツインテールを丁寧に解いて、軽く梳かして癖を直している。
こういうのを見ると、やっぱり姉妹って良いなぁと思う。
♦
「はぁ~、いい湯だな」
「お前はオッサンかよ…まぁ、確かにいい加減だけどなぁ」
だだっ広い湯船の淵に背中を預けて、思いっきり足を延ばす。温泉の元なのか、湯は乳白色で肌にハリが出る感じがする。まぁ、男が肌綺麗になっても意味ないけどなぁ。
男二人で風呂に入っていると、必然的に会話が無くなり隣の女湯の声が微妙に聞こえてくる。
『うりゃ~』
『ちょ、秋保先輩なにするんすか!?』
『にゃはは~、揉んでほしそうだったから、ついね?にしてもおっきいにゃ~…ほぉ、この感触は、たまらにゃい…』
『うにゃ!?…ちょ、アリスちゃん!?』
『秋保も、そこそこ大きい』
『…もぉ、あんまり遊ばないの!』
『『『…』』』
『…ちょっと、何で三人ともこっち見るのよ!?』
『いや~、お約束だし。やらないとね?』
『そうそう、すず姉も観念するっすよ』
『ちょ、ちょっと!?』
隣から聞こえてくる賑やかな声に、耳を傾けている男二人。
そのうち何かに気が付いたのだろう、一人が声をかける。
「…」
「…なぁ」
「言うな…何も言うな、虚しくなるだけだ」
「…そうだな…俺、もう出るわ」
「…俺も出る」
男二人の背中が、なにか物悲しい雰囲気を醸し出していた。
♦
一階の談話室で女子がお茶会?を始めたので、どうせならと二階の男子共にも声をかけるべく、男子部屋のドアをノックして中に入る。
「…どうしたんだ、お前ら」
中に入るとスタンドの弱い光に照らされて、男二人で同じベッドに腰かけて何やら暗い雰囲気を漂わせている。
「……あぁ、葵か…別にどうもしてないぞ…はぁ」
「あぁ、どうもしてねぇよ…はぁ」
「まぁ、別に良いけど。談話室に来いよ、飲み物用意してあるから」
「「おう…すぐ行く」」
あいつら、何で元気ないんだろう…まぁ、どうせくだらない事だろう。
一階に降りると、すでに女子陣が賑やかにお茶を楽しんでいる。
「はぁ…お前らなぁ、別にくつろぐのがダメとは言わないが、だらしなさすぎるぞ」
「え、そうっすか?」
「特にお前だよ」
各々ソファーに座って飲み物を飲んだり、お菓子を食べていたりする。
しかし、我が妹ながら朱里がだらしなく寝っ転がりながら、だらしなく生足を投げ出している。鈴も珍しくシャツのボタンを胸元まで開けている。
二人とも風呂からでて間もないのか、顔は薄らと赤く髪や肌に艶があり、薄着なうえに微妙に着崩れていていろいろやばい。
「う~っす」
何とも気の抜けるような声と共に、男共が入ってくる。
しかし、そのやる気のない顔が部屋の中の惨状を見て一瞬固まり、一瞬で桜色に染まる。
「お、お、おおお、お前ら。なんていう格好してんだ」
「……」
功はかなりきょどっているが、槐の方は一点を見つめて固まっている。
「ちょ!?先輩!なに見てんっすか!」
「……はっ、俺は何を」
「竹君もこっち見てないで、後ろ向いてて!」
「え、あ…ごめんなさい」
「にゃはは~、二人とも男の子だかんね~」
朱里はだらしなく寝っ転がっていたが、一瞬で起き上がり座り直す。鈴は胸元まで空いていたボタンをしっかりとかけなおす。
秋保はその様子を一人ニヤニヤしながら見ている。アリスは周りの様子など意に介さず、ココアをのんびりと飲んでいる。
いや、俺も男なんだけど、なんでここまで反応違うんですか。
まぁ、分かってましたけどね。男として見られないなんて、物心ついてからずっとだからね。
「ほらほら、皆座ってお茶しながらトランプでもやろうか」
「…そ、そうっすね」
「う、うん」
「「そうだな、それがいい!」」
「にゃはは~、やっぱり皆は面白いねぇ~」
まぁ、流石に家で若い衝動があれするのは嫌だから、早々に話題を振ってやる。そういうのは、時間と共に自分たちで解決するに限る。まぁ、誰かさんは分かっててちょっかいだしそうだけど…
隅でさっきまでココアを飲んでいたアリスが、こっくりこっくりと舟をこぎ出していた。少しゆすると直ぐに目を覚ます。
「ん?……はっ!?やばい、私としたことが、少し寝てたわ」
「(アリス、素が出てるぞ~)」
「ん?何か聞きなれない言葉が…」
「シィ、気のせい、それより、トランプやるの?」
「お、おうよ、やっぱりババ抜きだな!」
「い、いや。大富豪だろぉ!」
「いや~、賭けポーカーでも「はい、んじゃ、ババ抜きからな」おう、話切られちった」
「うし、さっさとやるぞ!」
こうして、長い長い一日目のお泊り会の夜は更けていくのだった。




