Your Voice #4 「僕の知らない君 [前編]」
あの後、僕たちは下校の準備をしていた。
だが僕は一つ、小森に対して今回の話で気になる点があった。
それは、見知らぬ女子が言っていた「あんたの声、「もう」聞きたくないんだよ!」という文である。
「もう」ということはあの見知らぬ女子は昔、小森の声を聞いたことがあり、小森の知り合いではないのだろうか。と勝手に僕は予測する。
僕はそんな疑問を解消するべく、こう小森に訊いた。
「さっきの女子って小森の知り合いなのか?」
「…うん。さっきの女子は私が中学生の時の合唱部の部長さんなんだ。」
小森の声は震えている。辛さが顔に滲み出ている。
「しんどいなら無理に話さなくても——」
小森は僕の言葉の最後を待たずして言う、
「いいの。「君になら」話しても大丈夫な気がするから。」
小森は笑顔でそう言って颯人を安心させる。
「じゃあ、聞かせてくれないか。「君の過去」を…。」
「いいよ。」
小森はその言葉を待ってたという風な反応の笑顔でそう言った。
そう、あれは——
——三年前。
その年の春、中学一年生になった私は全国でも有数の地元の合唱の名門校、「音奏中学校」に入学した。
私は小学生の頃から地域の「一人」歌唱コンテストの賞総なめの県内では有名な美声少女として人気を博していた。
だからこそ私は、合唱部の顧問から期待の新入生としてほかの部員よりも特別扱いされていた。
でもそんな私を見ても他の部員は実力は確かだから、とそれに関しては何も言わず優しく普通に接してくれた。ある一人を除いて。
合唱部に入って1ヶ月ほど経った5月のとある日…、私は今日も部活の全体練習の後、音楽室に一人残ってボイストレーニングをしていた。すると…、
「ねぇあんた。」
「!?誰ですか!?」
急に呼びかけられて私は驚いた。こんな夕暮れ時まで私以外に学校に残っている生徒なんていないと思っていたから。
私は恐る恐る後ろを振り返るとそこには——、
——合唱部の部長である、三河綾音の姿があった。
「ちょっとばかり歌上手いからって、調子乗らないでくれる?」
三河は嫌悪感を全開にしてそう言う。
「別に、調子は乗ってないです。というか、三河部長もちゃんと自主練とかしないとやばいんじゃないんでしょうか?」
私は少し、煽るようにそう言った。後から考えてみれば、三河部長が言ってるようにこの時の私はかなり調子乗っていたなと思う。
「覚えておきなさいよ、「一人」で歌うのと、「みんなで息を合わせて」歌うのでは訳が違うから!」
「わかりましたー」
私は棒読みで答える。
三河は私の態度が気に入らなかったのか、私に背を向けてから一度舌打ちをし、その場を後にした。
「もう後二週間で全国出場を懸けた合唱コンクールの県予選だってのに部長は何してんだろ。」
私はそんな風に、自分に自信を持ちすぎていた。
【あとがき】
どうも!Matchaです!
次の話ではついに小森の過去が明らかに…!?
あと投稿遅れてごめんね♪←反省してない
ではまた、次の話で会いましょう!またね!




