Your Voice #3 「君の表と裏 [後編]」
「あんたの声、もう聞きたくないんだよ!人と話すことも上手く「出来なくなった」くせに!」
(「出来なくなった」…ってどういうことだ…?昔はそうじゃなかったってことか…?)
僕は頭の中で考えていた。だが、そんな時のことだった…、
「ダメ…!それは…!」
小森が今にも泣きそうな震えた声で叫ぶ。
「こんな楽譜、破れてしまえばいい——」
思考するよりも先に、僕の身体は無意識に動き出していた。
「やめろ!」
この言葉と共に僕は勢いよく教室の扉を開ける。
「は?誰?」
小森に嫌がらせをしていた見知らぬ女子は僕を見て怪訝そうな顔を浮かべる。
また、
「え、桜田くん!?」
と、小森はまさかと驚いている。
「関係ないなら出て行って——」
見知らぬ女子の最後の文字を待たずして僕は言う。
(頼む小森…、どうか勘違いしないでくれ…!)
「関係ある。だって僕は小森の「彼氏」だからな。彼女に嫌がらせしないでもらっていいか?」
言ってしまった。でも「小森のため」なら…。って考えたら自然と怖さが消えたんだ。
「は、はあ?だからって私があいつに嫌がらせした証拠なんてないでしょ!」
「ある。だってこの「スマホ」に全て映ってるからな。」
「ちっ。」
見知らぬ女子は返す言葉が見つからなくなったのか、そそくさと逃げていった。
「…。」「…。」
(いや気まずっ!んまぁそりゃ急に彼氏ヅラされたら怖いしキモいよな!?うわぁどーしよ…!?)
「あ、あのさ…、」
「は、はい!」
やばい僕殺される!!と小森の訝しんだ顔を見て焦る。でもそれは僕の考えすぎだった。
なぜなら、小森が口にした言葉は「意外」だったからだ。
「なんで、助けてくれたの?」
「なんでって…、」
「私、君に朝から冷たく接してたし、嫌な思いさせちゃってたはずなのに…、なんで…?」
僕の心の中の答えは一つだった。
「君の…苦しんでる「声」を聴いてたら、無意識に身体が動き出してたんだ。「君を守りたい」って思ったんだ。」
ん?僕、最後の一言エグいこと言っていないか!?と焦燥する。
「何それw告白?」
小森は笑いながら僕をからかってくる。
「いや、さっきのは…その…」
僕は答えが見つからず黙り込んでしまう。
「んまぁ、でも——」
そう言うと、小森は僕のもとへ近づいてきて、僕の耳元でささやくようにこう呟いた。
その言葉を聴いて、僕は確信した。
「——ありがとう、「颯人」くん」
君の「声」が好きだと。
【あとがき】
どうもMatchaです!
初のラブコメ小説シリーズももう第三話です…!早いなー(?)
さて、次のお話ではついに奏花の過去が…
ではまた次の話で会いましょう!またね!




