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限界突破その12

 黒い霧。

 明らかに異様だ。原因を突き止める必要があり、探索や研究などが必要になると思う。

 しかし、原因はそこにあった。というよりはいた。


「勇者様! 死神が来たよ!」


 拷問に来たか。よし、倒してやる!

 と思うが武器が何も無い。石も転がってないし、鎌はもてないだろう。取りに行く時間もなさそうだ。

 畜生!油断していた。どうすればいい?考えろ…


「勇者様、倒してくれ!」


 やはり、倒したほうがいいようだ。

 しかし、武器なしで勝てるほどの相手ではない。

 先ほどの弱い死神ならまだしも。


「ククク、遊ビニ来タヨ」


 死神が乾いた不気味な笑いをこちらへ向けてくる。

 周りのしんとした雰囲気が余計それを際立たせる。


「倒す…よう頑張る。だけど、武器がない…」


 絶望的な状況

 俺も拷問されて死に戻りか?

 近くに協会があったから、死に戻りの場所は大丈夫だろうけど、多少の痛覚がなぁ…

 それにこいつらもいる。


「勇者様武器ないの!? 僕、取ってくるよ!」


 そういってサーズは走ってどこかへ行ってしまった。

 これはラッキー。ラッキーだが…


「逝クヨ!? タノシマセテェェェ」


 狂ったような、死神がこちらに向かってくる。


 前の死神とは少し違う。

 鎌は2本構えており、体もでかくローブも質自体が違う。

 ん?…たしか、俺のローブは成績を残せば質が上がるはずだ。

 それで、俺のより断然質が良いってことは…


 俺の戦った死神より強い?


 うわぁぁぁ!!

 最悪だ…畜生!

 勝てる気がしねぇ!…いや、俺も強くなっているはずだ。


「ヒャッホォ!」


 風を切り裂く鋭い音が俺の目の前を通過する。

 スピードが違う。これは上位種的な存在確定だな。


 とりあいず、サーズが来るまで耐え切らなければ。


「来いよ…!」


 中二病スイッチを入れ、死神に立ち向かう。

 鎌を立体化し、一応掴んでおく。少しも持ち上げれないけどね。


「ヒャハ!」


 死神は2本の鎌を音を立てて振り回して、こっちに走ってくる。

 俺はすぐに現在の状況…戦えるのかを判断するためにステータス確認の項目を開いた。



プレイヤー〔カミナシ〕

職業:冒険者LV1

スキル:〔鎌をちょっと触ったことある人LV6〕〔料理できる人LV4〕〔ちょっと筋トレしていた人LV7〕

〔死神の目(監視タイプ)LV2〕〔偽善者LV1〕〔投石LV11〕〔石の扱いLV5〕〔投げるLV9〕〔浮遊術LV13〕

装備:初心者一式 

武器 ~【死神乃大鎌】

背  ~【死神ローブ(粗悪品)】

所持金:0G

大切なもの:なし

二つ名:なし

技:なし


 ほう…なんか偽善者とか言う腹立たしいスキルが増えているが、気にしたら負けだと思う。

 先程、助けるなんちゃらこんちゃらで手に入ったスキルだろう。ほかのスキルも使っているのと使ってないので差が出ているな。死神の目は今度から常時使おうかな。体はずっと浮いてるし。

 いろんな条件でスキルが手に入るらしい…まぁ、確かに救済用なだけはある。


 っつ!?

 死神の振るった鎌が、俺の足を掠める。


 ステータス確認に集中しすぎた!

 クソッ!

 HPは…何!?40%削られてる。


 ヤバイ…やはり相当強いぞ!

 これは負けるなと思っていたころ…


「勇者様! 取って来たよ!」

 

 サーズの声が聞こえて来た。

 後ろを振りかえると、肩で息をしているサーズとゆっくりながらも着いてきている老人がいた。

 良かった!来るのが速くて助かった。


「ありがとう! 投げてくれ!」


 多分、棒や石だろう。

 それならキャッチ出来そうだ。


「いいの!? …いくよ!」


 サーズは俺に向かって鎌を投げた。


 鎌を。



「ええええ!? 鎌!?」


 思わず叫んでしまった。いやいや!だって鎌だよ?


 鎌は虚空を切り裂き、俺を狙って円を描きながら音を立てる。

 小さな鎌か…!

 あれなら投げれるよな。

 俺のスキルでも投げれるんじゃないか?

 いや、そんな場合じゃない!


 どうすればいい!考えろ!


 死神も俺に向かって来ている。

 クソッ


 ! そうだ!

 死神に当てればいいんじゃないか?それで、勢いを殺して拾おう。

 丁度向かって来ているし。名案!これで行こう。


 そうと決まれば早速導いて....

 時間がない!ダメ元で....!


「おせぇよ! の ろ ま!」


 自分で出来る限りのウザさを発揮したつもりだ。

 その甲斐あってか、


「キサマァァ! 低俗ノ分際デェェ!」


 聞き飽きたよ。

 サーズと老人が驚いているが、気にしない。

 まぁ、あんなふざけた声で死神を怒らせようとしたんだから当然かな。

 おっと。ちょうどいい位置に死神がきやがった。バカめ!


「ククク、喰らうがよい!」


 ルートは死神の首にちょうどあたる位置だ。死神は鎌を振って、すぐなので体勢が崩れている。

 さっきより、心地良い音を立てて飛んでくる。う~ん、良い音だ。

 かなり距離が縮まっており、もうほとんど距離が無い。


「さぁ! 楽に逝け!」


 全力で悪役っぽいせりふを吐いたら。


 透けている死神を通り抜けて、俺の腹部へ鎌が突き刺さる。

 俺の体力すでに、レッドゾーン。

 腹にめり込んだ鎌。


「なにしてんのさ! 勇者様!」

 

 忘れていた!死神は物理攻撃が効かないじゃないか!バカなのはどっちだ!

 なにが名案だ。ただの思い付きじゃないか。

 これは…負けたかもしれないな。


「無魂石でできてないよ! 勇者様そういうスキル持ってないの!?」


 ん?無魂石?あとで、聞かなければ。

 俺が、スキルを持っていると思っていたのか。

 とんだ検討違いだな。あいにく、俺はそんなの持っていない!


「持ってないぞ! なんだそれは!」

「どうやって死神倒したのさ!? じゃ、こっち来て!無魂石でできたの貸すから!」


 そこまで遠くないな。よし!駆け抜ける。

 死神は通り抜けたとはいえ、少し驚いているのでチャンスだ。

 全身の体力を使い、100mを走るようにスタートダッシュをかける。


 うっ。チカラが入らない。

 HPの消耗のせいか?

 しかし、距離が距離なのですぐサーズの所へつく。


「これだよ」


 やはり、鎌を渡された。

 これは、色が死神と戦って、最後に投げた石と似ているな。

 まぁ、いまはどうでも良い。


「勇者様、回復させますのじゃ」


 老人が〝回復魔法(中効果)〟と唱え、俺の体に手を触れる。

 ほぅ、この人は僧侶、または魔法使い的な立ち位置なのだろう。

 そんな顔しているしな。

 しかし、中効果とは凄いな。70%~80%ぐらいまであがったぞ。

 こいつ、やるな…


「勇者様、これでも生前は名の知れた者でしてな。一緒に戦いますぞ!」

「勇者様!俺も戦えるよ!」


 勇者様勇者様、むずがゆいな。

 しかし、この二人がいれば役に立つし、心強いだろう。


「おう! お願いするぞ!」


 素直に参加してもらおう。死ぬことはないだろう。と思う。

 それに、俺じゃ絶対に勝てない。


「さて、ここからが本番じゃ!」


 

 いいところを老人に持ってかれた!

 俺が決めたかったのに…「さぁ、ちょっといてぇが我慢しろよ?」見たいな感じで。



 俺は死神の目を発動させた。




次回は瞬達の話です。

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