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〜超底辺配信者のプロデューサーを始めた俺、難題を全て改善して行ったら何故か彼女にとっての特別になっていた〜  作者: たにどおり


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10/19

第10話・100人コラボバトルロワイアル!!

 

「ユリっちチャンネルへようこそー! 今日はコラボ配信していきますよー」


 定刻。

 ユリアは約束通り、天音とのコラボ配信を開始した。

 既に同接は1万人を超えており、この時点で天音との格の違いが表れていた。


「本日のコラボ相手は、空井天音のゲームチャンネルさん。最近勢いがあって注目していたんです」


【初めて聞いたチャンネルだ】


【ユリっちが注目なんて珍しいな、見に行ってみるか】


【コラボ内容気になる!!】


 コメントの勢いはまさしく滝。

 目にも止まらない速度で、感想が流れて行く。


「今回の内容は天音さんとのガチ対戦です。カスタムサーバーを借りて100人で競い、その中でどっちが高順位か競います」


【ユリっちとガチで戦える奴がプロ以外にいんの?】


【相手無名の配信者じゃん、勝負見えたな】


「ユリっちはこないだのプロ混合大会でも優勝したんだぜ? まぁ勝ちの見える勝負でも良いけどさ」


 視聴者からすれば、なぜユリアのような高名プレイヤーがこんな配信をしたのかわからない。

 中には、彼女が注目してるんだから期待してみようとの声も。


 ユリアはサブモニターでチャット欄を流しつつ、ストリーム・デックと呼ばれるパネルデバイスでOBSの設定を軽く詰めた。

 目の前にあるのは、17万円の最新量子ドット有機ELモニター。


 解像度はWQHD、リフレッシュレート360Hz。

 さらに彼女のPCも格が違った。


「今日も頼みますよ、相棒」


 一瞥したそこには、大手ショップでオーダーメイドしたメインPC。

 CPUに9800X3D、GPUにRTX5080を搭載した現在なら80万円は下らない超スペック。

 これこそ、ユリアの生活を支える最強の相棒。


 その性能、実に天音のPCの3倍以上。


「お手並み拝見と行きましょうか、天音さん」


 ◇


 一方天音宅のリビングでは、雄二が冷静な表情で椅子に座っていた。


「さすがに準プロの有名人、わかってはいましたが機材からして圧倒的ですね」


 雄二はガジェットオタクだ。

 彼女がいかにデバイスに金を掛けているかなど、一瞬で理解できる。

 今回の天音のモニター更新は、勝負の土台に乗るための最低限の備え。


 優位性は完全にあっちにあった。

 だが、心配など微塵もしていない。


「お手並み拝見」


 ユリアの配信と合わせて、天音も配信をスタート。

 まさかメインモニター更新をして最初にやるのが、こんな大仕事なんて想像もしていなかった。

 しかし――――


「初見さんこんにちはー! ユリアさんところの方々? どうぞ御覧なっていってください!」


 MAXテンションで挨拶する天音。

 その元気系妹ッ子な声と雰囲気に、視聴者はさっそく。


【うおっ、声めっちゃ可愛くて良い!!】


【これで登録者1000人? なんで埋もれてるんだよ】


【サムネも配信画面も整理されてて良いな、今日はこっちで見るか】


 反応上々。

 事前に背景など、細かい点も修正をしておいた甲斐があった。

 さぁ、後は――――


「ユリアさん、やろうか!」


 天音の宣言。

 これを聞いていたユリアは、やはり胸の奥に滾る何かを覚えていた。

 マイクを一瞬ミュートにし、小さく呟く。


「配信なんて、ゲームなんて……とっくの前に作業と思ってたんですが」


 いつもなら何の感慨も無い試合開始ボタンが、高揚の合図になっていた。


 マイクを再びONに。

 試合が開始され、上空からリスポーン。

 リスナーを集め、およそ100人のプレイヤーがバトルフィールドに降下。


 最速で着地した天音は、まず定石通りに武器や弾薬を集める。

 しかし――――


「君がユリアさんに挑む資格があるのか、見極めさせてもらいますよ!!」


「ここで死んだら所詮それまでぇ!!」


 ユリアのリスナーたちが、2人掛かりで天音に襲い掛かった。

 いつもなら取り乱したであろう彼女だが、今日は別。


「よっ」


「なにっ!?」


 天音が取ったのは、6発装填のリボルバー。

 装弾数が小さく、百発百中が求められるこの武器は強力だが扱いが非常にシビア。

 少なくとも序盤でメインにするものではない。


 それでも、今の天音にとっては十分。


「君たちの動き、全部見えるよ」


 ――――ダンダァンッ――――!!!


「うわっ!!」


「なんだと!?」


 ダブルタップで、揃ってヘッドショット。

 まだ序盤のシールド装備だった彼らは、たった一発頭に貰っただけで退場。

 物資を撒き散らした。


【開幕リボルバーでヘッショ2連!?】


【アタッチメントも付けてないのに!】


【ただもんじゃないぞ!!】


 湧き上がるコメント欄。

 今の天音は、ユリアと戦えるという極度の緊張感から、尋常ではない集中力を発揮していた。

 モニターも買い換えて、ボルテージは上がりまくり。

 これこそ、空井天音が発揮できていなかった本来の実力。


「待っててねユリアさん、すぐ会いに行くから!」


 ――――コラボバトルロワイアル、残り人数92人。


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