花
私は今恐ろしい場所にいた
この場所は入場料を取られるのだ
この世界に通貨というものは存在しないので
私は大事にしていた漫画を入場料として払った
「物好きもいたもんだねー」
全身武装した男が嫌味を言ってきた
私は構わず奥へと進んだ
「おっあの花か」
私は目当ての花を見つけた
ロジュの手のひらよりも小さい花だ
こんな時は用心が必要だ
ゲームとかだと重要アイテムを取るときには
危険とセットなのがデフォだ
まあこれが重要アイテムかといわれると
一般的には言わないだろうが私にとっては重要なのだ
「マモナク閉園ノ時間デス」
壊れたラジオのようなアナウンスが流れた
私は周囲を警戒しながら走って出口まで戻った
「お帰り、物好きさん」
武装した男の呼吸は何故か乱れていた
「次は誰かと来いよマジで!」
?何言ってんだアイツ?
急ぎ足でロジュのところへ戻った
「おかえりポメ、その花何?」
ロジュは魚の皮を処理していた
冷静に考えると誰かに花をあげるのって気恥ずかしいな!
いやでもロジュのために取ってきたわけだし
「またプレゼント?最近多いね」
「べっ別に多くないって!」
私は勢いでロジュに花を渡した
「不思議な香りだね。ありがとうポメ」
私はホッと一息ついた
「危険地帯には一人で行くなとあれほど言いましたよね!」
またマイラの説教が始まったよ
「学習能力が無いのかお前は」
マークも呆れ気味だ
「まあ無事に戻ってこれたわけだし結果オーライってことで」
「それはあなた以外が言うセリフですよ!」
ホント怒ると怖いなマイラは
そんなに怒ることないだろ
複雑な気持ちのまま私は晩御飯のスープをすすった
「坊ちゃま、投薬の時間です」
「もうそんな時間か、苦いんだよなコレ」
「砂糖での調整はおすすめいたしません」
砂糖で苦さを誤魔化そうとしたことあるのか
ガキだねー
今日はなかなか寝付けなかった
隣ですうすうと寝息をたてるロジュ
枕元には今日取ってきた花が添えられていた




