ゼレスとセラフィラム2
「ゴースタム!この時をどれほど待ったことか!」
セラフィラムと呼ばれた機体は様々なカッコイイポーズをとり出した
常に斜め45度を意識した洗練された動きだ
恐らく素人ではあるまい
間違いなくポージングのプロだ
ならばこちらもポーズをとらねば無作法というもの
私は操縦桿を適当に動かした
「カース パワー マキシマム」
ゴースタムの機械音声が流れた
やめろー!!初対面の相手にいきなり必殺技を決めようとするな!!
雷を纏いながらパンチを放つゴースタム
「甘いわよ!!」
セラフィラムはパンチをはじき返した
なんだ?!このロボ!今までのやつとはなんか違うぞ?!
「行くわよ!!セラフィラム!!」
空中に飛び上がりくるくると優雅に回転しだした
「プレリュード!・クリムゾンカデンツァ!!」
赤いオーラを纏い周囲に斬撃を無数に飛ばしてきた!
あれは当たるとどうなるんだ?
周囲を見渡すと赤い衝撃の当たったビルは跡形もなく消滅した
まずい!これ当たっちゃいけないヤツ!!
「アブゾーブ シールド」
ゴースタムの機械音声が鳴る
なるほど!これで防げばいいわけか!
しかし、相手は空中・・・こちらは防戦一方・・・
どうすればいいんだ!
ん?なんかこのシールド、どんどん大きくなってない?
どうやら攻撃のエネルギーを吸収しているようだ
しかもどんどん縦方向に大きくなっていく
そして先端部分が虫取り網のような形状になった
よし!これで捕獲してみよう!!
「な?!ちょっと!!なに?!」
ゼレスは攻撃をやめちょこまかと逃げ出し始めた
戦いは虫取りのようなものにスケールダウンした
「子供のころ『虫取りのポメ』って呼ばれた実力!今見せてやる!!」
「私は虫じゃない!!虫じゃない!!」
露骨に嫌がりだしたゼレス
まあ嫌だろうな・・・私も虫扱いされたらショックを受けると思う
「ちょっとポメ!!今何時?!」
「え?五時半だけど?」
夕方の五時半だが今の戦いに何の関係が?
「お気にのアニメが始まっちゃう!!」
アニメ!噂によると高級住宅街にしか電波が通ってないアレか?!
「帰るから!!じゃあねー!!」
セラフィラムは飛び去ってしまった
ああ!!そうだ店のほうはどうなった?!
ゴースタムから降り店のほうへ駆け寄る
マークが頭を抱えながら電卓を打っていた
店の修繕費用の計算をしているようだ
「半年はかかるな」
「修理にそんなに?」
ああ!!焼肉店が!!
しかも私たちは店舗の二階で生活していた
「しばらくキャンプ生活でございますね」
星空の元テントを張る私たち
「キャー!!ネイティブカマドウマ!!」
「なんだよルミー虫くらいで」
私はネイティブカマドウマを手で捕まえた
虫で思い出したけどあのゼレスとかいうやつ
今頃は優雅にアニメ三昧というわけか
うっうらやましくなんてないからな!!
そのころゼレスはアニメを見るどころか
始末書を書かされていた
「覚えていなさい!!ポメ!!」
私もゼレスもその日はあまり眠れなかった




