ゼレスとセラフィラム
「イチゴのショートケーキが食べたいの!」
子供の声が店内に響き渡った
なんだ?また厄介客か?と思いテーブルに向かう私
見るとそこには大勢の黒服に囲まれた幼女がいた
いやよく見ると背が小さいだけのようだ
私よりも身長が低い
しかもこちらは店員だ、負ける要素が無い
「お客様、当店ではショートケーキは扱っておりませんが」
「ちょっと何よそれ!サディスティックが足りないんじゃないの?!」
サディス?ああ、多分「サービス」の言い間違えか
すると黒服の男たちが身構えだした
「始末しますかゼレス様」
「あんたたちね!今日は休暇でしょ?!いつもみたいなノリはやめてよ!!」
えっ?始末とか言わなかった?今
「ごめんね!こいつら言うことあんまり聞かなくて!」
「とにかくウチにショートケーキは無いんだ、ウチは焼肉専門だよ」
「それよりさ!わたし人を探してるんだ!」
人探しかー。このけっこう荒廃した世界で物好きもいたもんだなー
「名前はね『ポメ』っていうの」
「私の名前とおんなじだな」
「え?あんたが『ポメ』?」
すると少女は立ち上がり胸倉をつかんできた
「ゴースタムのパイロット!とうとう見つけた!!」
「はい、ショートケーキ」
ルミーが厨房からショートケーキを持ってきた
「ショートケーキ!!」
少女は私の胸倉から手を放しケーキを貪りだした
「ショートケーキなんてうちにあった?」
私はルミーに聞いてみた
「冷蔵庫に入ってたわよ」
「それは!私のおやつ!!」
私のおやつをすべて食べ散らかし少女は言った
「ゴースタムは渡してもらうわよ!!」
ズシン!ズシン!と地響きが鳴り響く
足音のようなものがこちらに近づいてくる
バリーン!!と窓ガラスや壁が吹き飛び巨大な手が現れた
「セラフィラム!!ポメを捕獲して!!」
手あたり次第店内を探し回る巨大な手
私は捕まるものかと必死に逃げ回る
「ゼレス様!これでは我々も危険です!!」
黒服の男たちが止めに入った
「うるさいわね!結果さえ出せればそれでいいの!!」
なんだこの無茶苦茶な状況は!
私たちの焼肉店は半壊した
その時店の外でズドン!!という音が鳴り響いた
店内から吹き飛ばされる巨大な手
「ゴースタムか!!」
ゼレスと呼ばれた少女は店の外に駆け出した
「店が!私たちの店が!!」
私は白目を剥きそうになった
「ポメ!しっかりするのよ!店はまだ半壊、まだ立て直せるわ!」
そうだ私たちには資金がある
いや!そんな場合じゃなくて外!外!
私は急いでゴースタムに乗り込んだ
「ようやくご対面ねゴースタム!!」
ゴースタムの黒い機体とは対照的な
天使を思わせる白い機体がそこにはいた




