『アレ』
私たちは次の村でしばらく停泊することになった
「うーん・・・うーん」
この通りルミーが急に寝込みだしてしまったのだ
頭のタオルを取り換えるロジュ
「大丈夫かなルミー・・・」
「いつもの減らず口が聞けないってのも寂しいもんだね」
私とロジュは顔を見合わせた
「ポメより負担のでかいやつだ、まったく」
そういいながらマークはカメラのシャッターを押した
・・・こいつは財力があるのは分かる
だがいいのかな?そんな貴重品を買ってしまって
後で私たちも写真撮ってもらうからな?そこんとこよろしく☆
「事情が分かる者を連れてきましたよ」
マイラが神ルミナスパイトを連れて戻ってきた
「ああ、これは月に一度の『アレ』ですねぇ」
「『アレ』ってなんだよ」
「我々ルミナスパイトには生理というものがありません。代わりにあるのが『アレ』です」
「うーん!うーん!」
ルミーが一段と苦しみだした
そして唐突にがばっと起き上がると
「一曲降りてきた!!」
といい歌いだした
ぱらぱら☆終末デイズ!
地図もコンパスも ぜんぶバグって はいっ迷子ルート!
ひっくり返った信号機 赤青ぐるぐる
「どっちでもいいよ〜♪」って 君の手を引っ張るの
エラー吐いてる心も そっと再接続して
泣きそうな顔は ぴゅんっ!って上書きしちゃえ
壊れかけの世界でも 君がいればさ
ドキドキがね 勝手に起動するんだ
ぐるぐる☆世界が止まっても
私の声で 再生ボタン押しちゃうんだから!
ちょい不器用なくらいが愛しいでしょ?
欠けたピースから 未来がこぼれる
ふわふわ☆希望は未完成でも
君の影そっと 引っぱって進むよ
転んでもね 笑顔はオートリカバリー!
この物語 まだまだアップデート!
ぱらぱら☆砂嵐デイズ!
昨日の記憶も 朝になったら はいっ初期化版!
逆さまになった街並み ふわり歩けば
「まあいっか〜♪」って 君の袖つまんじゃう
ざわついてる心も そっと再同期して
曇りがちな気持ちは きゅるんっ!って塗り替えちゃえ
壊れかけの世界でも 君といればさ
胸の奥が ぽんっと光りだすんだ
くるくる☆時間が止まっても
私の歌で 未来の再生押しちゃうんだから!
ちょい抜けてるくらいがちょうどいい
欠けたページから 希望がこぼれる
ふわりん☆明日は未完成でも
君の手ぎゅむっと 離さず進むよ
転んだって 心はオートリカバリー!
この世界を もう一度アップデート!
??????????
「なに?どういうことこれ?」
「我々ルミナスパイトに共通する技術『作曲』です」
たしかに傍からみると『アレ』と表現できるやばさがあった
しかも前聞いた曲と違うし!
「!!ここはどこ?!私どうしちゃったの?!」
ルミーが正気に戻った
「なに?!なんでこいつがいるわけ?!!」
ルミーは神ルミナスパイトにタオルを投げつけた
「来いと頼まれたから来てみればなんでしょうこの扱いは」
「私を笑いに来たわけ?!笑うなら笑うがいいわ!!」
ルミーだけ状況が呑み込めてないようだ
私はルミーに状況を説明した
「わぁー!!この瞬間だけは誰にも見られたくなかったのに!!」
ルミーは顔面を紅潮させながら半泣きになった
どうやらルミー的にはすごく恥ずかしいことだったようだ
いや、だいぶ恥ずかしいなコレは
私ですら見落としてたわ
「最近までは抑えられてたのに!!なんで!!」
「外部からの強烈な刺激が『アレ』の引き金になったのでしょう」
神ルミナスパイトもだいぶ顔が赤かった
「恥ずかしい」という共通認識があるようだ
「おいしいものでも食べさせて安静にしてなさい、すぐよくなりますから」
神けっこうやさしいな
「聞いた?あんたたち!さっそく私においしいものを食べさせるのよ!!」
・・・こいつ!!
「すっかりいつもの調子だな」
そう言いながらマークはカメラのシャッターを切った
「私はこれで帰りますよ」
ルミナスパイトは大仰な荷物を抱えながら帰り支度をした
「ポメ、ルミーのことよろしく頼みますよ」
え?なんで私?マイラとかじゃなくて?
「我々はこう見えて弱いのです。仲間が出来て安心しましたよ」
「そっか、よくわかんないけどお前らも大変なんだな」
小さくなっていくルミナスパイトの人影
その後ろ姿は少し寂し気だった




