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ド根性、雪乃フルエレ


「いや~~~」


 シューーッバタムッ!

 派手な看板が立ち並ぶ繁華街のど真ん中で、両腕を抱えられた雪乃フルエレは、絶妙なタイミングで通りに横づけした貴城乃シューネのリムジン魔ーに無理やり乗せられて消えて行く……


「ありゃ何だったんだい?」

「さぁねえ。しかし俺はあの子、前に会った気がするんだよ。えらい綺麗なお嬢ちゃんだったから覚えてるんだ。本当にスリなのかねえ」

「人は見かけによらないのさ」


 多幸焼きの主人は、以前に砂緒が姫乃ソラーレを無理やり連れて来た事を覚えてて、リムジン魔車をじっと見送った。



「ひ、ひどいずっと監視してたのね!?」

「当たり前だ。走り出した君は可愛かったぞフフ」

「舌かんで死にます!」

「君はそんな事はしない」

「むぅ~」


 怒り顔でシューネを睨んだ。


「交通警備兵の人達、何故私をみて驚かないの?」

「君の警備に当たる警備兵は全員、クラウディアやスイートスなどの地方出身者で固めてある。もちろん馬車に乗る姫乃のパレード姿なども見た事も会った事も無い」


(チッ)


 フルエレは舌打ちしてから、しばらく景色を見ていた。


「なんだか来た方向と逆を行っている」

「ふふ君は賢いねその通りだよ」


(何で上から目線?)

「どこへ行くの?」


「あれを見て下さい」


 しばらくしてシューネが指を指すと、そこには巨大で華麗な緑の屋根の多層搭があった。


「うっわすっご、私のお城より大きい!?」

「ふふふ、あそここそ聖帝陛下と姫乃殿下の宮殿なのですよ。貴方はいずれあのお城に上がる事になります」


 フルエレは目を輝かせた。


(うっわすっごい行きたい!!)

「別にあんな所行きたい訳ないじゃない!? 私を姫乃さんの身代わりにするつもりですかっ」


 シューネはふっと笑った。


「君は単なる姫乃の身代わりじゃない、姫乃ソラーレを越える姫乃ソラーレになってもらう」


(姫乃さんを越える姫乃さん、なんじゃそら?)

「お断りだわ」


 シューッ

 しばらくして魔車はUターンをして、ナノニルヴァの津にある館に戻って行った。



 ー妖しい館の夕食

 フルエレはあれ以来、元気を無くしていた。


「あらあら雪布留さんどうしたのですか、食い意地だけは立派だったのにねえ」


 フルエレは乳母をジトッとした目で見た。


「何勝手に私の事天真爛漫キャラだと思ってるんですか、勝手にさらっておいて」

「だって坊ちゃまは雪布留さんは貧しい生活で不幸だったから、助け出して来たと言ってたけどねえ」


「アイツ、滅茶苦茶言ってるわね。私は本当にセブンリーファの女王なのよ、しかも大戦争して婚約者が戦死してこれでも未亡人なんだから、ほら指輪もあるわっ! あ、無くしたんだった……」


 ガクッ

 さらに元気を無くしたフルエレは力なく下を向いて黙り込んでしまう。


「そうなのねえ、女王様は嘘だけど、恋人を戦争で亡くしたのは本当なんだろうねえ、辛いねえ」


 フルエレは顔を上げる。


「え? 何でそっちは信じてくれるの!?」

「顔を見りゃ嘘か本当か分かるもんだよ、戦死したってトコだけは真実味があったよ、女王は嘘だろうけど」


(女王も本当だってば!)

「けど、おばさん信じてくれてありがとう、うえーーーん」


 フルエレは乳母に抱き着いてしばらく泣き続けた。



 ー次の日


「アンドゥートワアンドゥートワおりゃーーーっ!!」


 フルエレは鏡の間で必死にレッスンを受けていた。


「OH-雪布留サーン、そんな力んじゃ、バレエ台無しデース! もっと軽やかに華麗にしてクダサーイ」


 謎の外人講師が手を叩く。


「すいません、今を抜け出したくて必死で」

(早くレッスンを終えて、あのお城に行って七華と会う、それが今の最短ルートよ!)


「心意気やよしデスヨーッ」

「はいっコーチ、もっともっと私をしごいて下さい、ビシバシビシバシなシステムでしごいて下さいっ!」


「ふむ分かりました、ではお茶にシマショー」


 どてっ

 雪布留はコケた。


「あ、あの?」

「ヒートアップして美しい物ウマレマセーン!」



 カチャッ


「ほらお紅茶だよ」


 乳母が紅茶を淹れてくれた。


「こうしてると喫茶店のマスターしてた頃が懐かしいわ……」

「こんなほら吹き見た事ないねえ」

「本当だってば! そんな事より講師さん貴方の国は?」


「OH~わたしゃシルクより招聘サレキタヨー」



域外の帝国図

挿絵(By みてみん)

※セブンリーファと東の地が離れてしまってますが、現在はくっついています。

人物(簡易版)

主役陣営

砂緒 中途半端なスキルを持つ痛い転生少年だが、女装して魔道学園に通う。

雪乃フルエレ女王 夜宵(やよい)姫という家出少女。変名して同盟の女王に即位。

セレネ女王 同盟構成国の女王。魔道学園の学園長の孫で気が短く強い。

猫呼 付け猫耳しっぽを付ける酔狂な遊び人。闇ギルドマスターの少女。

ミラとジーノ セレネの子分。

ユーキュリーネ セレネの自称ライバルで生徒会長。


ライバル陣営①・東の地、神聖連邦帝国

貴城乃(たかぎの)シューネ 四旗機乗りで重臣。姫乃の幼馴染。砂緒と同じ顔。

貴濠乃(たかみずの)ヌヌノノ 帝国四旗機の魔呂乗りで、5歳で講師を務める。

謎の仮面のコーチN 猫呼の兄でクラウディア王国の現当主。

謎の仮面の転校生K子 荒涼回廊からの帰還人、伽耶クリソベリル。

謎の仮面の転校生F子 自称古代クラウディア人、超巨大ヌシ様を呼び出す。

謎の仮面の転校生X子 神聖連邦帝国聖帝の娘、姫乃ソラーレ。雪乃フルエレ女王(夜宵姫)と同じ顔と声だが、少し年上で色っぽい。小柄なので年下フルエレと背格好は同じ。貴城乃シューネの事が好き。


ライバル陣営②・まおう軍

ココ姫 元ココナツヒメ。雪乃フルエレを異常に敵視するまおう軍女王。

クレウ ココ姫の夫でまおう軍の王。透明になれる元フルエレと猫呼の部下。



☆世界観

「フルエレの同盟軍」と「南、まおう軍」と「東の地、神聖連邦帝国」との三国が争ったり同盟したりしてる状態です。

主人公達は同盟構成国の一つ、ユティトレッド魔道王国の魔道学園に通ってて、スナコ(砂緒)は最近首相に就任しました。

そんな時に雪乃フルエレ女王は貴城乃シューネにさらわれ、東の地の聖都まで連れ去られてしまいます。

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