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新たなる特命


「いいですか聞きなさい、世の女性は貴城乃(たかぎの)シューネの元にいるのが一番安全と言われています」


 シィ~ン

 姫乃(ひめの)は得意げに言い切ったが、雪乃(ゆきの)フルエレをさらう場面で見せた、彼の邪悪な顔を忘れられない兎歩はいまいち信用出来なかった。


「あ、あのぅご主人様に大変言い上げにくい事なのですが、シューネ殿がご主人様の事が大好きで、姫乃ソラーレ様にそっくりな雪乃フルエレ女王をさらって、それでエッチな事とかするつもりじゃないのかと思うぽ……」


 シィ~~ン

 今度の沈黙は長かったが、しばらくして姫乃は激赤面した。


「こ、こここの無礼者ッ!! 文末こそ良く聞こえなかった物の、乙女が軽々しく破廉恥な色恋沙汰を話題にしてはなりませんっはぁはぁ」

(シュシュ、シューネに限ってそのような事は!?)


 ぽこっ

 姫乃はグーで兎歩(うさぽ)の頭頂部を叩いた。


「も、申し訳ないぽ、我も話してて文末は良く意味が理解出来ずに言ってしまったぽ」


 しかし姫乃の脳裏に砂緒のうそぶいた言葉がよぎった。


『ウヘヘッシューネはセブンリーファに来てた時はハメを外しておりましたからなァ、貴方はアイツの裏の顔を知らないウヘヘ』


 彼女の脳内で砂緒のイメージは邪悪化していた。



 ジトッ

 彼女の額に汗がにじむ。


「わかりました、貴方に新しき特命を与えたいと思います、覚悟はありますか?」


 スチャッ

 兎歩はひざまずき直した。


「もちろんだぽ、姫乃様に命まで捧げる所存ぽ!」

「良く言いました家臣の鏡ですね、では貴方の不思議な乗り物は遠くまで飛べますか?」

「もちろんだぽ! 宇宙でも行けるぽっ!!」


 ぽんっ

 彼女は小さめの胸を叩いた。


「ならば命じます、東の地に行き中心部の聖都ナノニルヴァに潜入し、さらわれた雪乃フルエレ女王と連絡と取りなさい。その後は臨機応変に彼女が帰りたいと言えば連れて帰って差し上げるのです」


 兎歩の笑顔が消えた。


「そ、そんな事して、もしフルエレ女王が帰還して貴方の御立場は?」

「捕縛されて罰を受けても構いません。連れ去ったシューネの責任を取ります!」


「お、お待ちください、実はフルエレ女王は天使みたいな優し気な外見ながら、実はめちゃめちゃ気が強くて我が強いぽ! もしカンカンに怒っていたら、貴方はタダじゃ済まないぽよ!!」


 兎歩の顔は切実だった。


「覚悟は出来ておりますよ」

「嫌だぽっ! 折角姫乃様の家臣になったばかりなのに、もっともっと甘え倒したいと思っていたのに、行きたく無いぽ、離れたくないぽ!!」


 兎幸の妹として作られた、妹体質の魔法自動人形の兎歩は涙を流した。


「か、かかかか可愛い~~~」


 ぎゅむっ

 姫乃は姫乃で架空の妹を生み出すくらいの強度の妹フェチだったので、可愛い兎歩を離したく無かった。だが心を鬼にした。


「ならばこそ信用する貴方に行って欲しい。頼みます……」


 クイッ

 姫乃は頭を下げた。


「ヒイッどうぞ頭をお上げを、分かりました。ご主人様のご命令を必ずや実行します! 出発は一か月後ですかぽ?」

「今です」


 即座に答えた姫乃は割と厳しかった。


「は、はい最後に抱っこぽ」

「可愛いいい~~~」


 スリスリスリ

 ひとしきり抱き合った後、兎歩は泣く泣くUFOで飛び出した。



 ー深夜、部室館裏

 ホーホー

 スナコはセレネ達にも放置され、まだまだ昏倒していた。


 アオーーンアオーーーーーンッ

 そんな辺りに不気味なオオカミの遠吠えが響き渡る。


「んんっん」


 スナコは色っぽく砂緒(すなお)の声で寝返りを打った。

 シュタタシュタタッ

 さらに妖しい獣の足音が……


「んっ」


 ドサッ

 遂にスナコの背中に何かの物体が落とされる。


「何ですか!?」


 ビクッと目覚め振り返ると全身に葉っぱと枝を絡ませたルンブレッタが倒れていた。


「ヒッルンの奴が!?」

「スナコ、お前、友達、森落ちてたっ!」


 グルンッ

 さらに振り返ると、巨大な白いフェンリルにまたがったフルエレの妹、野人化した依世(いよ)が見下ろす。


「この子、友達違う、敵」

「だが、返す」

「いらない」


 このやり取りがしばらく続いた。



 ピコーンッ!

 だが不意に砂緒の脳裏に考えが浮かんだ。


「この子はここに放置します。それよか今から山林でフルエレを探します、貴方のお姉さんですよ」

「おね……え? 何?」

「いや嘘だっ前もっと知能あったでしょ!!」

「お、おね? 知らんけど、探す」


 シュタタッシュタタッ

 依世と砂緒はあさってな西の方向に走り出した。



挿絵(By みてみん)

人物(簡易版)

主役陣営

砂緒 中途半端なスキルを持つ痛い転生少年だが、女装して魔道学園に通う。

雪乃フルエレ女王 夜宵(やよい)姫という家出少女。変名して同盟の女王に即位。

セレネ女王 同盟構成国の女王。魔道学園の学園長の孫で気が短く強い。

猫呼 付け猫耳しっぽを付ける酔狂な遊び人。闇ギルドマスターの少女。

ミラとジーノ セレネの子分。

ユーキュリーネ セレネの自称ライバルで生徒会長。


ライバル陣営①・東の地、神聖連邦帝国

貴城乃(たかぎの)シューネ 四旗機乗りで重臣。姫乃の幼馴染。砂緒と同じ顔。

貴濠乃(たかみずの)ヌヌノノ 帝国四旗機の魔呂乗りで、5歳で講師を務める。

謎の仮面のコーチN 猫呼の兄でクラウディア王国の現当主。

謎の仮面の転校生K子 荒涼回廊からの帰還人、伽耶クリソベリル。

謎の仮面の転校生F子 自称古代クラウディア人、超巨大ヌシ様を呼び出す。

謎の仮面の転校生X子 神聖連邦帝国聖帝の娘、姫乃ソラーレ。雪乃フルエレ女王(夜宵姫)と同じ顔と声だが、少し年上で色っぽい。小柄なので年下フルエレと背格好は同じ。貴城乃シューネの事が好き。


ライバル陣営②・まおう軍

ココ姫 元ココナツヒメ。雪乃フルエレを異常に敵視するまおう軍女王。

クレウ ココ姫の夫でまおう軍の王。透明になれる元フルエレと猫呼の部下。



☆世界観

「フルエレの同盟軍」と「南、まおう軍」と「東の地、神聖連邦帝国」との三国が争ったり同盟したりしてる状態です。

主人公達は同盟構成国の一つ、ユティトレッド魔道王国の魔道学園に通ってて、スナコ(砂緒)は最近首相に就任しました。

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