表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
13/28

13

「赤羽……」


桐谷は一歩前へ出る。


「お前の指示どおり、若頭を連れてきた」


赤羽はにんまりと笑い

「ありがと♡」

と髪をかきあげた。


桐谷は赤羽を真っ直ぐ見据える。


「約束だ。新垣を解放してくれ」


その声には焦りが滲んでいた。


「頼む……」


縄で縛られた新垣が、ゆっくりと顔を上げる。


「きり……や……さん……。わか…がしら…」


血の混じった涙を浮かべながら、かすれた声を絞り出した。

その姿に、桐谷は唇を強く噛み締める。

赤羽は二人を見比べると、肩をすくめて微笑んだ。


「いいわよぉ♡」


軽い口調で言う。


「お互い、せーので交換しましょ」


赤羽は新垣の胸ぐらを乱暴につかむと、椅子ごと引きずるように前へ押し出した。


「はい、どうぞ♡」


勢いよく手を離された新垣は、椅子ごと床へ倒れ込む。


「がっ……!」


桐谷は反射的に駆け寄った。


「新垣!」


急いで縄をほどこうと身をかがめる。


――その瞬間だった。


「もらったわ♡」


赤羽の姿が一瞬で麗華の目の前へ迫る。


「え――」


細い首に、冷たい手が絡みついた。


「うっ……!」


赤羽は片手だけで麗華の身体を引き寄せる。

鋭い指が首へ食い込み、麗華は苦しそうに顔をゆがめた。


「かはっ……!」


息ができない。

赤羽は麗華の耳元へ顔を寄せ、妖しく微笑む。


「あらぁ、大堂ちゃん」


血走った瞳が細く歪む。


「話し合いで解決するなんてあたし、一言も言ってないわよぉ♡」


「赤羽ッ!!」


桐谷が振り返る。

しかし、その腕の中には傷だらけの新垣がいる。

赤羽は麗華を盾にするように抱き寄せ、楽しそうに笑った。


「うふふっ♡こうなった方が、交渉って盛り上がるじゃなぁい?」


その狂気に満ちた笑い声が、静まり返った部屋に響き渡った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ