レイン・ラタトスク
あれから、五ヶ月後。
結局、レインは身寄りのない子供を拾ったと言う事にした。
子供と言っても、子供とは思えない程の容姿の為少し疑われたが身長の事を言ったら一発で信用したアキラだった。
まあ、確かにレインは元々高い方ではなかったが子供化してあんなに低くなるとは思わなかった。
レインはキレそうになっていたがなんとか止められた。
という事があったが母さんにも説明して俺の義弟と言う事になった。
義兄弟になったと言ったレインは死ぬほど真っ青だったな。
恐れ多いとか、他の神や神獣に殺されるとか言っていたがガン無視して無理矢理義兄弟と言う事にした。
だが、今は最大の難関が待っていたのであった。
なんと、レインが俺の呼び方が様付しか出来ないと言っている。
あと、一ヶ月後には入学するのに様付ではマズイ。
義兄弟で仲も良さそうなのに何故俺の事を様付で呼んでいるのかを聞かれた時、関係性が疑われてしまう。
しかも、レインは敬語で話している。
余計に疑われてしまうのだ。
「レイン、その喋り方と様付をやめれないのか?」
「無理です。レオ様に対してそんな不敬な事は出来ません!」
「まあ、仕方ないな。お前が嫌な事に無理を強いるつもりはないしな。」
「ありがとうございます!」
「..........お前は今の俺を見てどう思う?俺はあの大魔王時代と変わらない冷徹さがあるのが怖い。また、あの時に戻ってしまいそうで..........。今度こそ止められないかもしれない。」
「.........レオ様はレオン様に戻りたいですか?」
「.........どうだろうな。でも、レオンに戻らないとまた何かを失う気がする。レオンに戻らないと..........人を殺さないと言う甘さを捨てないとダメな気がする。けど、やっぱり昔の俺に戻るのは怖い。アキラを殺してしまいそうで...........!」
「.........私はレオ様はレオ様のままで良いと思います。レオ様は抱え込み過ぎなんです。だから、でしょうか。レオ様が偶にひどく消えそうに見えるのです。」
「..........一体、俺は何を失ったのかを思いだせないんだ。また、失うかもしれない。そう思うと元凶である人間が醜く感じられるんだ。俺はどうすればいいんだ?」
「残念なら私はその答えを持ち合わせていません。ですが、一つだけ言えます。私は今のレオ様のままが良いです。」
「そうか...........。すまないな。情けないところを見せた。」
「いえ.........。大丈夫です。偶には弱いところを見せないとレオ様が壊れてしまいますからね。」
そんな事はないと思うが...........。
壊れたとしても感情を殺せば問題はないからな。
感情を殺せば壊れるもなにもないからな。
「レオ様はもしかして記憶は完全には戻ってはいないのですか?」
「.........何故、そう思うんだ?」
「私を名前で呼んでいるので.........。」
「........戻っていないのは確かだが前も同じ呼び方だったと思うが...........?」
「はい。すみません、少し確かめたかったので..........嘘をつきました。申し訳ございません。」
「..........戻しておいた方が良いのか?」
「私が視た通りなら..........。」
「だが、今の俺では無理だ。封印の解除が必要だ。」
「..........今はどのくらいなのですか?」
「大体、半分くらいだな。」
「刻印が完成間近でしたか..........。では、封印の解除はやめておきましょう。記憶を消した神に心当たりは........?」
「いる。が、素直に頼んで治してくれるかは半々だな。」
正直、俺に会ってくれるかも怪しいしな。
あの人の言いつけを破って大魔王になった訳だしな。
「では、古の神に頼んで見るのは?」
「..........何だそれは?」
「なるほど、それも抜け落ちているのですね。それでは、彼らを呼ぶのは無理..........。銀狼に聞いて見ましょうか。」
何故、シルバーに?
いや、この際面倒だからアイツに頼むしかないか...........。
「いや、もういい。記憶を消した奴に頼む。」
「..........大丈夫なのですか?」
「信頼している神だから大丈夫だ。」
「貴方様の決定であるならば従うまでです。」
「.........リン!聞こえているな?早く俺の記憶を戻せ。」
『聞こえてはいるけれど............。それは、出来ないわ。貴方が記憶を戻したら暴走する可能性があるもの!」
「じゃあ、一部で良い。それとも、アイツを呼んで俺の記憶を呼び起こした方が良いか?」
『..........はぁ〜、分かったわよ。私の気も知らないで..........!』
っ、これは、一気に戻って来るのか..........!
頭の情報処理が追いつかないな.........!
「レオ様!?大丈夫ですか!?.......チッ、リン一体レイ様に何をした!?いくらお前でも許さんぞ!」
『落ち着きなさい。レオに一部の記憶を戻しただけよ。今は一気に記憶を戻したから頭に負荷がかかっているからよ。』
「貴様!それは、普通の人間であれば死んでいるぞ!?レイ様になんて事を.........!」
『うるさいわね。そんなにレイ様って連呼していたらレオが怒るわよ?』
「というか、何故貴様はレイ様をそのように呼んでいるのだ!レイ様は貴様より地位が高い御方だったんだぞ!?そのような無礼を一体誰が許したのだ!」
『そのレオからよ。』
「だからと言ってなんと恐れ多い事を.........!」
「さっきからうるさいぞ!俺はレイじゃない!レオだ!その名で俺を呼ぶな!いくら、お前とてその名を呼ぶなら消すぞ?」
「っ、も、申し訳ございません!そ、それより、記憶の方は?」
「大丈夫だ。少し取り戻した。本当に少しだがな。まあ、助かった事には変わりないがな。..........ありがとう、姉様。」
「〜〜〜!ふふ、かわいいわね。昔みたいに姉さんでも良いのよ?」
「っ、うるさい!俺は寝るから!レイン、お前は..........!」
「どうかされましたか?」
「いや、何でもない。おやすみ。」
「はい。おやすみなさいませ、レオ様。」
相変わらずレインは良く分からない奴だ。
まあ、信頼はしているがな..........。
と1人でずっとレインについて考えながら寝たのであった。
次回もお楽しみに!




