銀狼
翌日にはすっかり身体の調子も戻り今はアキラが俺の家に遊びに来ている。
「そういえば、レオ宛に手紙が届いてたよ。」
「王立魔法学院からですね。..........どうやら、入学者目的だったようですね。」
「え?そうだったの?」
「あの王都でも有名な王立魔法学院が何の意味があってわざわざ教えに来たのだろうと思っていたのですが.........。」
「それが、才能ある子を見つけて入学させる為だったって事?」
「でしょうね。まあ、元々行くつもりでしたから問題はありませんけどね。」
「そうだったんだね。あ、じゃあ今から魔法の練習しに行かない?」
「え?それは、別に構いませんが........何処で練習を?」
「それは、いつものあの場所だよ!」
「........なるほど。あそこですね。分かりました!では、僕は準備してから行くので先に行っておいてください。」
「うん!分かったよ。じゃあ、先に行って待ってるからね!」
アキラが怪我しないように威力を抑えないといけないからな。
あのブレスレットを使うか。
確かあのブレスレットは魔力を抑える機能があった。
だが、誰からもらったのだか覚えていないんだよな..........。
ダイヤの宝石がつけられている。
確かこれと色違いのルビーもあったんだが..........。
あれは何故かつける気になれないんだよな。
って、そんな事よら早くアキラのところに行かないと!
「魔物だ!?魔物の軍勢が来たぞ!?今すぐ逃げろ!」
「っ、魔物の軍勢だと!?しかも、あの方向にはアキラが........!」
「ちょっとレオ!?何処に行くの!?危ないわよ!?」
「大丈夫です。アキラを連れてすぐに戻ってきますから!」
「っ、アキラ君!?.........分かったわ。頑張って見つけて来なさいよ。」
「はい!ありがとうございます!」
何処だ!?
アキラ、無事でいてくれよ!
っ、いた!
「っ、あ、アキラ.........!?」
アキラが囲まれている!
今すぐに助けないと..........!
「この魔物は魔狼か.........!なら、最上級炎魔法:炎の大車輪!」
「っ、レオ!?よ、良かった!無事だったんだね!」
「それはこっちのセリフですよ。良く無事で...........!」
「なんか、この銀色の狼が守ってくれたんだ。」
「っ、まさか銀狼!?何故、こんなところに希少な銀狼が?」
『ほぅ。其方があの魔力の持ち主か.........。なるほどな。これは、強いのぅ..........。我でも勝てぬ程にのぅ..........。」
「そんな事はどうでもいいでしょう。それより、アキラ怪我しているじゃないですか!?っ、これは、腕が折れていますね。」
「あはは、失敗しちゃったんだ。ごめんね。レオ.........。」
「..........いえ。中級催眠魔法:奇跡の夢!..........すみません、アキラ。少しの間眠っていてください。第五階帝魔術:超回復!」
『御主は面白いな。此奴が眠った瞬間に殺気だったぞ。』
「魔狼風情が.........!魔狼風情が私の友に何をする!お前たちにはここで消えてもらおう。第六階帝魔術:氷龍の吐息!」
『なかなかに怒っているようじゃな。しかも、魔術を扱う人間とはな.........ん?其方、先ほどと気配が違うな?何者じゃ!?』
「そういえば、今日は満月の日だったな。だから、魔族に戻ったのか...........。どうりで、力が増える訳だ。」
『其方は一体..........!』
「お前に話す訳がないだろう。死にたくなければ速やかに去れ。銀狼........!」
『それは無理な相談じゃな。我は其方を気に入った。だから、今我と神獣契約をしてほしいのじゃ。』
「断る。私には損にしかならないからな。」
『なるほどな。其方は刻印が刻まれているのか。しかも、創造神直々に..........。』
「そう言う事だ。だから、お前との神獣契約は無理だ。」
『良いのか?此奴を我が守ってやれるのじゃがな。』
「何!?それは、本当か!?」
『あぁ。本当だとも.........。』
「良いだろう。お前と神獣契約をしてやる。ただし、アキラを絶対に守れよ?」
『無論じゃ!約束したからのぅ。反故にはせぬよ。』
「我、レオ・ラタトスクは銀狼シルバーの主人となる。」
『我、銀狼シルバーは主人レオ・ラタトスクの配下になる。』
「『神獣契約!』」
『これで神獣契約完了じゃのぅ。それにしても、よくあんな一瞬で名前を考えたものじゃのぅ。」
「別に..........。お前にはシルバーしか似合わないと思っただけだ。それと、俺が魔術使っていた事とこの口調の事はアキラには秘密にしといてくれ。前者は全員にで頼む。」
『了解したのじゃ。』
「そういえば、シルバーは小さくなれないのか?大きいと村の人たちが驚いてしまうからな。」
『........了解したのじゃ。では、これでどうじゃ?主人よ。』
「まあ、良いんじゃないのか?もふもふしてるけどな........。」
「そこが良いところなのじゃ。」
「そうか.........。転移!」
「おぉ!これが、転移なのじゃな。初めての体験をしたのじゃ。しかし、我だったから良かったのじゃがちときついのぅ。」
「悪いな。今のは魔術だったからお前にはキツイかもな。これは、人間と魔族専用だからな。」
「そうだったのじゃな。次からは出来る限り魔法でしてほしいのじゃ。」
「分かった。」
「して、主人はあまり喋らないのじゃな。確かこう言うのは、無愛想と言うのじゃったか?」
「.........悪かったな。無愛想で。」
「っ、レオ!良かった。無事だったのね!」
「はい。アキラもちゃんと連れ戻して来ました。」
「そう。マリア!アキラ君も無事みたいよ?」
「っ、良かったわ。心配かけないでちょうだい。」
「ところで、そこの銀色の狼は一体...........?」
「銀狼です。アキラを助けてくれました。そして、僕と神獣契約している銀狼のシルバーです。」
「銀狼のシルバーじゃ。主人の母じゃな。我は主人と一緒に暮らす為お世話になるのじゃ。」
「ふふ、えぇ。構いませんよ。それにしても、もふもふね。」
「.........魔物はどうなりましたか?」
「今も村長たちが戦っているわ。」
「.........村長たち大丈夫でしょうか?」
「見た限り押されていたわ。もう、村を捨てて逃げるしかないわね。」
「母さん、僕も魔物を討伐して来ます。」
「っ、あ、危ないわ!」
「シルバーがいるので問題はありません。」
「っ、...........。分かったわ。生きて帰って来なさい。」
「はい。行って来ます。シルバー行きますよ。中級空間魔法:転移!」
「..........主人よ。あの量はさすがの我でもちとキツイのじゃ。」
「問題はない。俺1人で十分だ。今日は満月だからな。力も出し放題だ。範囲氷魔法:氷華の結界!」
これで、魔物たちを閉じ込める事が出来たな。
真ん中に大きな魔力反応...........。
魔物たちはあのデカいのから逃げていたのか.........。
反応からしてドラゴンだな。
龍の下位互換か...........。
今の俺でなんとかなれば良いがな。
でも、アキラの為だからな。
本気を出してでも殲滅してやるさ。
「第八階帝魔術:氷龍神の吐息!...........これで、終わりだ!最上級炎魔法:大炎華の舞!魔物殲滅完了だ。」
「近くで見ていたら焼かれたり凍らせられるところだったのじゃ。主人は凄いのぅ。魔力が減った感じには見えないのぅ。あんなに大技を連発したのにまだ魔力が減らないとはのぅ。」
「久しぶりにあんなに大技を連発した...........。」
シルバーの言った通り本当に魔力が減っていないらしいな。
だが、魔力は今は抑えてあるのにシルバーは見えるみたいだな。
やはり、神獣とは厄介だな。
それから俺は神獣に対しての警戒が強くなった。
シルバーは信頼できるがな...........。
次回もお楽しみに!




