アキラ・ルトバーグ
.........夢か..........。
最近はずっとこんな夢ばかり見てるから不気味ですね。
まるで、何かの前兆みたいで..........!
けど、あの夢はどこか懐かしくて悲しい夢だった気がします。
まるで、あれが僕の前世みたいな...........!
なんて、前世なんてある訳ないですよね。
「レオ〜、朝ご飯出来たわよ〜?」
「はい!今行きます。」
僕の名前はレオ・ラタトスクと言います。
母と僕の二人暮らしをしています。
父親は僕にも分かりません。
母さんがどうしても話したがらないので..........。
ですが、今は幸せに暮らせているので父親がいなくても僕は明るく元気で幸せに暮らせています。
多少、他の家の子たちと関係が上手くいってはいませんが気にしてはいません。
それより、早く母さんのところに行って手伝わないとですね。
今日は母さんの友人でもあり学院の先輩だった方が来られるそうなので早起きして母さんに楽をさせるつもりだったのですが.............。
やはり、物事とは上手くいかないものですね。
「母さん、ご飯を食べ終わったら何か手伝いましょうか?」
「え?もう、そんな事はやらなくて良いのよ?レオだって、私の手伝いばかりしてたら友達と遊ぶ時間も減るでしょう?」
「僕は好きで母さんの手伝いをしているのですよ?友達と遊ぶより母さんの手伝いをする方が楽しいですからね。」
「ふふ、嬉しい事を言ってくれるわね。」
「ごちそうさまでした。..........あ、母さんもうすぐ約束の時間になりますよ?」
「あら?もう、そんな時間なのね。じゃあ、悪いんだけど後片付けをお願い出来るかしら?」
「はい。分かりました。」
朝の夢は一体何だったのでしょう?
何故か気になってしまいます。
何か大切な事を忘れているような........?
人の気配がしてきましたね。
これは、母さんの友人の気配でしょうか?
それにしては、すごく強い気配がしますが...........?
「サラ〜?いるかしら?」
「すみません、今母さんは準備をしています。もうすぐ、降りて来ると思うので椅子に座ってお待ちください。」
「あらあら?あなたがサラの言っていたレオ君かしら?随分、大人っぽい雰囲気をしているのね。一瞬、大人の人かと思ったわ。」
「ありがとうございます。あ、どうやら、母さんも準備が終わったようですよ。」
「?何で事が分かるのかしら?」
「気配と足音です。それらを組み合わせて推測しただけです。」
「結構すごい事を言ってるのにしただけなんて..........!謙虚な子なのね。」
「あら?マリアじゃない!もう、来ていたのね〜。待っていたわよ。」
「ふふ、久しぶりね。相変わらず綺麗な顔をしているわね。」
「マリアに言われても嫌味にしか聞こえないわよ?」
「ふふ、それもそうね。それより、レオ君は本当にすごいわね!礼儀正しいし、それに実力もすごいし..........。」
「実力.........?」
「とにかく、いろいろとすごいのよ!」
「ふふ、それは当然よ!だって、レオは私の子なのだからね!」
「ふふ、そうだったわね。じゃあ、私の子も紹介するわね。ほら、出て来なさい。」
そう言って出て来たのは見覚えのある顔だった。
母親譲りの黒い髪にピンクの瞳をしていた。
何故かひどく見覚えがある。
そして、理由を考えようとすると頭が痛い。
「名前は、アキラ・ルトバーグよ。レオ君、アキラと仲良くなってくれると嬉しいわ。」
そう言って、母親の後ろからこっちをずっと見ている。
アキラ...........。
何処かで聞いた名だ。
っ、勇者アキラか!?
............そして、俺は最悪の大魔王だった!
っ、あ、頭が痛い...........!
「レオ!?大丈夫!?レオ...........!?」
♢♢♢
「こ、こは...........?」
俺の部屋か.........。
なんだが、懐かしく感じるな。
それにしても、全てを思い出してしまうとはな...........。
しかも、あのタイミングで..........!
本当に最悪なタイミングだな。
だが、勇者アキラも転生していたとはな..........。
どうやら、約束を果たす時が来たようだな。
見た感じだとアキラには前世の記憶はないみたいだな。
それに、見るからに弱そうだった。
加えて人見知りだ。
本当にあの勇者アキラかと疑ってしまうな。
前世とは別人だな。
まあ、別人と言えば俺も別人なんだがな..........。
俺は銀髪に淡い水色の瞳をしている。
だが、銀髪はフォーロイド帝国の王族の証らしい。
その事が帝国にバレたら面倒だから今はこうやって魔術で隠している。
今の俺は黒髪に金色の瞳をしている。
前世の俺の容姿に近い。
まあ、近いと言っても顔は全然別人だがな。
どうやら、顔もフォーロイド帝国の奴らと似ているらしい。
本当に面倒だ。
まあ、母さんを巻き込まない為に隠しているのだが...........。
そういえば、俺は今は人間なのに何故魔術が使えるんだ?
魔術は魔族だけが使える筈なんだが...............?
次回もお楽しみに!




