レン
「チッ、忌々しい人間が私の前にまだ姿を見せるか..........!今、この場で始末しておきたいところだが..........確実に私はあの方に消される。そして、嫌われるのだろう。だが、私はあの方に嫌われるのはどうしても避けたい訳だ。という訳だ。今回は見逃してやる。次、姿を見せたら貴様をセフィラごと壊してやろう。」
[っ、一体、あなたは..........!]
「.........私はレンだ。あの方の黒色のセフィラ。他の者はあの方の裏とも言っているな。まあ、それが私の正体だ。私は一応、あの方の裏だからな。私はいつもあの方と一緒にいると覚えていろ。第五階帝魔術:広範囲回復!.........これで、帰れるな?私の出番は終わりだ。それから、レオ様が邪悪な魔力を纏う前に絶対に気絶させろ。じゃないと、この星は滅ぶぞ?」
そう言い伝えるとレン.........レオが倒れた。
「っ、レオ様........!ご無事ですか!?」
[.........この溶け方は異常ですね。さすが、レオ様の裏です。見事な魔力操作です。私たちには絶対に当たらないギリギリのところであの魔人族を倒している。]
「俺でもアイツには勝てないか..........。多分、レインと一緒に挑んだところで勝てる見込みもないな。これが、格の違いと言うものか...........。」
「だが、彼奴は危険なのではないか?邪悪な魔力を纏っておった。そんな彼奴が主人に闇を纏わせるなと言った。主人に闇を纏わせたなら世界は滅ぶとも...........。」
「それに、アイツを完全に従えているレオ様も異常だ。一体、アイツらは何者なんだ?」
っ、はぁ〜、やりすぎにも程がある。
けど、アイツがアキラを回復させたのには感謝だな。
おかげでアキラは死なずに済んだ訳だからな。
「何者、か..........。それは、俺に聞いているのか?」
「っ、レオ様........!先程の話しをお聞きに..........!?」
「お前、アキラの下を離れていたのは最高神に報告をしていたからだろう?貴様こそ一体誰だ?アスラは俺の仕事を放棄しない。」
「っ、何!?此奴はアスラではないのか!?」
「いつからお気づきに...........?」
「貴様から不愉快な魔力がした。それも、俺がお前を呼び出した翌日に.........。嫌でも分かったさ。お前が最高神側だってな。貴様は俺を見くびりすぎではないか?」
「なるほど..........。さすがは、最高神様がお見初めになられた御方なだけはある。ですが、そちらも私の事を見くびりすぎですよ。今の貴方など私一人でも殺せますよ!第五階帝神力:崩壊の彼方!」
「.........貴様、本気でコレが私に通用するとでも思っているのか?だとしたら、貴様には興味はない。第八階帝人力:破壊の権化!」
「な、何故、お前のような人間が最上級の神力法を.........!?う、あぁぁぁぁぁ!」
「それは、私がお前らの上の存在だからだ。と言っても、一回は堕ちた身だがな。まあ、それはどうでも良い事だな。」
「あ、主人........!」
「っ、チッ、また引きずられてしまうところだった。だから、レンは使いたくなかったんだ。アイツが出て来たら必ず俺の邪神の力が強くなるから..........!」
けど、今回はギリギリセーフだったな。
危うくここら周辺を吹っ飛ばすところだった。
だが、やはりアスラは偽物だったか..........。
「主人よ。大丈夫か?」
「あぁ。なんとかな。俺の意識を呼び戻してくれて助かった。」
[レオ様、ご無事で何よりです。]
「アキラは無事か?」
[はい。レンさんが治癒してくれたおかげでなんとか死なずに済んでいます。]
「そうか..........。良かった。とにかく、急いで帰るぞ!」
それからは、さっきあった出来事を冒険者組合の職員の人たちへ話してからアキラとジークを勇者学院の寮に戻したのであった。
そうして、俺たちは無事に初任務を終えたのであった。
そして、今はセフィラたちに呼び出されていた。
今日の出来事について聞かれるのであろうと分かっていた事だがいざ呼び出されると面倒な奴らだ。
「はぁ〜、今日は何の用だ?」
「分かってて聞いていますよね?僕たちレンから聞いたんですよ?」
「だから何だ?」
「レオ様、闇の魔力を纏いそうになっていたとお聞きしました。あまり、邪神の力は使わないでください。レオ様が邪悪な魔力を纏われると俺たちでも止められません。」
「では、レンは出すな。一種、戻りかけたからな。」
「っ、大丈夫でしたか!?」
「なんとかな。」
「まさか、私の特性まで利用するとは...........!」
「という訳だからレキ、手を出せ。」
「?........分かりました。」
「はぁ〜、やっと落ちついたな。」
「っ、まさか、レキの神聖な魔力を吸い取っているのですか!?」
「あぁ。」
「そこまで、深刻な状況でしたか...........。」
「別に我慢出来るし..........。」
「じゃあ、手を離しても..........?」
「..........ダメ。さすがに、疲れた。はぁ〜、そろそろ配下を探さないとな..........。」
「このままだとレオ様が持たないもんね。」
「.........新たに神をお呼びするのですか?」
「それはやめとく。最高神に介入されるだろうしな。今回みたいに...........。」
「アレがアスラではなかったら今、アスラは何処に.........?」
「..........さぁな。俺が知る必要はない。」
「アスラの心配はいらないだろ。」
「だね。だって、あのアスラだしね。」
「レオ様.........?どうかなさいましたか?」
「..........俺は、一体何がしたいんだろうな。ただ、平和に暮らしたかっただけなのに..........。今は守りたい奴ですらもまともに守れない。」
「では、どうするのですか?」
「やりたい事を見つけた。今度こそ俺たちに誰も干渉出来ない国を作る!そしたら、きっと平和に暮らせる!」
「それは大変そう。国を作る前が一番苦労しそう。」
「今世では絶対に失敗はしない。絶対に.........!」
「レイ様は昔の力が欲しいのですか?」
「おい、レン!?それは...........!」
「.........昔の俺でなければみんなを.........アキラたちを救えないんだ。けど、俺は昔の自分に戻るのが怖い。もしかしたら、また傷つけてしまうかもしれない。」
「.........レイ様はそのままで良いの?ずっと、レイ|様から逃げるの?」
「.........何を言っているんだ?俺は俺だぞ?」
「レイ様から逃げる為に口調も性格も雰囲気も偽ってて苦しくないの?僕はそんなレオ様を見るのは苦しいよ。」
「..........俺には難しい話しは良く分かりません。けど、俺は昔のレオ様は何も考えずに幸せそうに笑っていた姿が好きです!」
「私は貴方様の裏です。ですから、分かってしまうのです。貴方様の辛さが..........。私たちは貴方様でもあります。ですから、私たちにもその苦しみを一緒に背負わしてはくださいませんか?」
「..........本当に誰に似たのだか。普通のセフィラには自我は芽生えない筈なんだけどな...........。昔、一回だけ望んだ事がある。俺を心の底から信じてくれる奴が欲しいと..........。結局は叶わなかったが今叶った。俺はお前たちのおかげでようやく吹っ切れる事が出来たよ。俺はお前たちを裏切らない。だから、もし俺が邪悪になったら迷わずに俺を殺せ。」
「「「!?」」」
「大丈夫。これはただのお願いだ。俺は.........私は死にません。貴方たちがいるなら尚更、ね。久しぶりですよ。こんなに、心が楽になったのは。...........じゃあ、俺は寝るから。おやすみ。」
「「「...........。」」」
「ひ、久しぶりのレイ様だった!あの優しい微笑みに慈愛の籠った瞳..........!まさに、昔のレイ様だ!」
「やっぱり、レイ様は笑った方が綺麗だよね!本当に久しぶりに見たなぁ。しかも、最後だけちゃんと口調や一人称、性格、雰囲気もレイ様だった!」
「やはり、レイ様は気品が備わっていて美しいな!私もつい興奮してしまう!それに、レイ様が珍しく甘えていたな!」
「うん!僕も興奮したよ!まさか、僕に甘えてくれるなんてね!しかも、レイ様と手を繋いじゃったよ!」
「はぁ!?お前、ずりぃぞ!俺も手を繋ぎたかった!」
「チッ、調子に乗るなよ!」
「あはは!僕だけ特別扱いされたみたいだね!」
「「コイツは絶対に殺す!」」
そうして、いつかレキを殺す事を決めた二人であった。
次回もお楽しみに!




