魔物討伐
はぁ〜、面倒だな.........。
何故、こう山奥まで歩かないといけないんだ?
山は寒いと聞いた事があるがそこまで寒くもないし逆に熱いじゃないか...........。
「転移して行ったら一瞬だったんだがな..........。」
「もう、そんな事言っちゃダメだよ?レオはちゃんと体力あるんだから偶には歩かないと体力が減っていっちゃうよ?」
「いや、大丈夫だ。俺は戦闘をしているからな。体力はそんな簡単には減らない。」
「魔法学院って、戦闘するんだね。ていうか、レオはやっぱりそっちか素の口調だったりするの?」
「.........あぁ。そうだな。」
「ん〜?なんか、違う気がするんだけど..........。まあ、気のせいだよね。でも、なんで今になってその口調に戻したの?」
「タイミングが良かったからだな。隠す理由もなくなったからな。それに、アキラ昔から知ってたみたいだからな。」
「たまたま、聞こえちゃったんだよ。レオは隠し事下手だからね。すぐに分かるよ。」
「それは、アキラだけだ。.........やっぱり、なんでもない!」
「ちょっと、照れてる?」
「別に照れてない!」
[すごいですね。レオさんが翻弄されています。]
「主人は昔からアキラだけには弱かったからな。それに、あの事件があってからは余計にアキラに過保護になった。」
[あの事件、ですか?]
「それって、アキラが瀕死で竜に連れ去られたっていうアレですか?」
「あぁ。それだ。その時からずっと片時もアキラから離れないと言っておった。我も苦労した。だが、一番苦労したのはアスラとレインだろうな。」
「何故、あの二人が?」
「主人に八つ当たりをされて毎回ボロボロになって帰って来とったからな。」
[レオさんがそこまでキレるなんて...........!その竜は無事なんですか?]
「いや、セフィラを粉砕されておったからもう死んどる。けど、御主の言う通り主人があそこまで怒っているところは初めて見た。それに........!」
(最高神が出てくる直前一瞬だけ主人から邪悪な魔力の気配を感じた。その邪悪な魔力と共に主人が別人見たく瞳の奥が冷たかった。今考えたら、アレが黒のセフィラだったのやもしれぬな。もし、最高神が出て来ずに黒のセフィラが出て来ていれば我は死んどったやもしれぬ。あの瞬間だけは、最高神に感謝しても良いかもしれぬな。)
[それに、なんですか?]
「いや、なんでもない。だが、一番変わったのはアキラだった。」
「アキラが変わった?それはどう言う意味ですか?」
「そのままの意味だ。アキラはその後レオを守らないとと我に言って来たのだ。あの時の顔はアキラらしからぬ顔だった。焦りや後悔、困惑、そして決意。その感情が伝わってきた。けど、一瞬だけアキラの奥から伝わって来た感情が最高神を殺すと言った感情だった。」
「アキラの奥から最高神を殺すと言った感情が見えたと?」
「いや、正確に言えば読み取れたと言ったところだな。」
「貴方は人の心を読めるとでも?」
「細かいところは読めぬ。が、感情を読む事は得意だからな。其方のように完全には読めぬさ。」
「っ、貴方はどこまで分かって...........!」
「主人から聞いただけだ。そして、その主人からの伝言だ。アキラを巻き込むな。そして、泣かせるな。お前に何かあったら時一番悲しむのはアキラなんだからな..........。との事だ。」
「貴方の主人はどう言う思いで俺にこのような伝言を?」
「羨望と懇願と言ったところだな。まあ、本当の感情は分からないがな。」
[それはどう言う意味ですか?]
「主人は自分の感情をコントロール出来るからな。我にも何処までが本当の感情か分からぬのだ。」
[そうなのですね。]
「無駄話は終わりだ。さっさと、片付けるぞ。」
「了解!嵐の旋風!」
腕を上げたな。
まあ、俺が鍛えたからな。
当然の結果だがな.........。
「やぁ!っふぅ〜、なんか聞いていたより多いね。」
「ですが、あそこにいる魔狼で終わりです!」
「じゃあ、任せて!やぁぁぁ!」
[見事ですね。構えもですが斬り方もアキラさんらしい剣術でしたね。ですが、何処かで見たような..........?]
相変わらず覚えが良いなグレイは.........。
まさか、アレだけの剣術で見覚えがある事に気づくとはな。
まあ、伊達に知恵之王とは名乗ってはいないと言う事だな。
「!?な、何かすごい大きな魔力量を持った何者かが近づいて来ています!」
「グレイ!避けろ!」
[っ!?ぐっ!]
「グレイ!?無事か!?」
[え、えぇ、なんとか.........。レオ様が教えてくださったので結界を張りました。ですが、張るのが遅れてしまったようで.......。致命傷はなんとか避けれましたが重症な事には変わりありません。申し訳ございません。]
「いや、良い。お前はそこで休んでいろ。上級回復魔法:超回復!これで、応急処置はしたが重症な事に変わらないから少しだけ待っていてくれ。アイツを倒したらすぐに治してやる。」
[分かりました。]
「シルバー。アイツ、今何処から現れたか分かるか?」
「いや、我には分からなかった。さっきまで、いなかったのに急に其奴の気配がして来た。まるで、今現れたかのように........。」
「そうか.........。神獣であるお前も分からないのか。」
「という事は主人も..........?」
「あぁ。今の俺では正直、厳しい相手のようだ。多分、上級魔人族だ。」
「主人よ。どうするつもりだ?我らが束になろうとも無理な相手だ。逆に殺されてしまう。」
「隙を見て逃げるしかないな。だが、相手がそれを許してくれるかは別だがな........。」
「何やら美味そうな気配がして来たが..........。なるほどな。これはまた変な組み合わせだな。神獣に人間、勇者の卵に半人半魔、そして...........?お前はなんだ?変な感じがするな。魔族に魔神、邪神に超越神、聖人.........お前は何者だ?」
「お前こそ何者だ?何故、一瞬にしてそこまで...........?」
「お前、種族の割に弱いと思ったら世界から強制的に力の封印をされているのだな。実に興味深いな..........。」
「チッ、そんな事まで分かるのか..........。これ以上、余計な事を話される前にお前を倒す!」
「ははは!弱いな!弱いぞ!最強となった俺には敵わない!」
コイツ、おかしいな。
セフィラの力が強すぎる。
だが、コイツ自体に変化がある訳ではない。
扱えきれていないのか...........。
コイツのセフィラは紺色か.........。
チッ、やはり俺のセフィラか............。
だが、あのセフィラは邪悪な魔力が多すぎる。
あのまま取り込んだら俺も飲み込まれるな..........。
賭けるしかないな...........。
俺の邪神の心が勝つかレンが勝つか.........。
今の俺ではアイツには勝てない。
なんとも情けない話だな。
いや、おかしいな。
俺はセフィラを分散させたとしてもここまで弱くはならない筈..........。
一体、どうなっている?
チッ、今はそんな事考えている場合ではないか...........。
「レオ様.........!大丈夫ですか!?」
「アスラか!一体、何をしていた!?とにかく、コイツからセフィラを奪い取ってくれ。」
「分かりました。」
これで、一先ずは安心だな.........。
後はどうやって、アイツからセフィラを抜くかだな..........。
「っ、レオ様!アキラが.........!アキラたちの方へ逃がしてしまいました。」
「っ、早く行くぞ!アキラ.........!」
そこには、あの魔人がアキラの腹を貫いているところだった。
あの魔人は何をしている?
アキラは.........無事なのか?
人の身には腹を貫かれると死ぬらしい。
なら、アキラは死ぬのか?
俺がいながら?
俺はアキラを守ると誓ったのに?
違えてしまったのか?
何故?
俺が弱いから?
「っ、レオ様!マズイ........!くっ、このままでは.........!レインは何処へ行ったのだ!俺だけではレオ様を止められないぞ!?」
[レオ、様..........?レオ様の神聖だった魔力が邪悪な魔力に変わっていって..........!アキラさんが貫かれる場面を見てしまったのですか...........。]
「っ、止めろ!何としてでもレオ様を止めろ!」
[私には無理です!私は非戦闘員なんですよ!?私は頭で戦ってきたのですよ!?私にレオ様を止める力なんてありません!]
「っ、なら、せめてアキラを治療していろ!仕方ない。今なら止められる。レオ様、申し訳ございません。攻撃する事をお許しください。紅蒼抜刀術:紅色之剣王!」
アスラの剣がレオに当たりそうになった。
だが、レオがアスラの剣を掴んで止めていた。
「何!?今のレオ様では俺の剣を掴む事は出来ない........!お前は何者だ!?」
「.........なんだ?ここは..........?急に私が出て来れるようになったかと思えば........。なるほどな。大体、状況が読めてきた。それで、貴様はいつ私の前から剣を降ろすのだ?」
「っ、お、お前は何者だ?」
「.........貴様に用はない。死にたくなければ失せろ。」
「ははは!雑魚が!俺様に死にたくなければ失せろだ?何様のつもりだよ!死ね!」
「.........貴様が原因と言う訳か。なるほどな。あの人は賭けをして勝ったのだな..........。運が良いな。貴様は実に運が良い。なにせ、私に殺されるのだからな。あの方であれば、恐怖しながら死ぬところだったが私が出て来た事で何も考えずに死ねるのだからな。だが、貴様はあの方を怒らせた。それだけでも、私たちにとっては重罪だ。よって、これから貴様には苦痛を伴いながら死んでもらう。」
「はぁ!?何言ってんだよ!雑魚がしゃしゃり出てくんなよ!」
「くっ、あのバカ!アイツに勝てる訳ないだろうが!」
「さぁ、地獄の始まりだ。第八階帝魔術:炎天の地獄!」
「ぐっ、あぁぁぁぁ!あ、熱い!熱いぃぃぃぃ!」
「セフィラも溶けてしまったか.........。何とも脆弱な魔族だ。いや、魔人族だったか.........。」
[あ、ありえません!いくら、獄炎でもセフィラを溶かすのは不可能です。それをたったの第八階帝の魔術で溶かすなんて.........!]
「........チッ、忌々しい人間が!」
そう呟きながら黒色のセフィラ.........レンがアキラへと近づいて行くのであった。
次回もお楽しみに!




